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聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】

#8

あかね色ヒーロー

天楼視点






キーン、コーン、カーン、コーン。





いつまでも聞きなれないチャイムの音が鳴る。





「ねぇ、天楼。今日もまたアレやるの?」





前の席から私の机に突っ伏して喋ってくるのは[太字]天津崎カトレア[/太字]。一応、私の唯一の友達といっていい。





天楼「そうだよ。あぶねえからお前は帰ってろ」





カトレア「エー、また?ワタシも一緒に戦ってみたいのに」




天楼「サツに追われるのは私一人で充分だから。カトレアにまで危害加えたくないし」




カトレア「あらイケメン。惚れてもいいの?」




天楼「勝手にしな」




こうやって軽口を叩きあうのは楽しい。




おっと、そろそろ学校から出ないとセンセに文句言われるな。出よっと。




カトレア「ん、じゃーね。頑張れヒーロー」




天楼「おう」



ぶっきらぼうに返事をして教室から出て行った。



後ろで先生の声がした気がするけど気にしないでおく。



[水平線]








天楼「ふー…疲れたーー。帰ったら今日も大勢いんのか…まだ慣れねーな」






バールは服に隠して、両手はポケットにつっこんで。




ふらふらとオレンジ色の通りを歩く。






「よーおねーちゃん。疲れてそうだねー」






天楼「…んだよ」




目の前に現れた男はフードをかぶっていた。






「いいクスリ、あるんだぁ」






天楼「…はぁーーーーー。」






クズでした。こっそりバールに手かけといて正解だったかも。





まぁその言葉聞いて即ぶん殴りましたよと。よし。通報しとくか。








「わーお、君すごいね!」







ぎろっと声のしたほう…空を睨む。逆光で顔はよく見えないけど…






私より一回りは大きそうな少年ってところか。






天楼「あんたもグルなら容赦しねーぞ。あいにく、乳幼児か動物以外は殴れる乙女だからな」






「わぁお、怖い。」






「安心しなよ。僕はそんなクズとは違うから、さ」





そうして少年はひらりとこちらに降りてくる。倒れたヤク売りの上に容赦なく立つと、微笑んだ。






「僕は[漢字]朱塗[/漢字][ふりがな]しゅぬり[/ふりがな]あかね。まー気軽に「あかね」って呼んでよ」






天楼「私は…天宮天楼」





あかね「うん。天楼ちゃんだ」




天楼「ちゃん…付けはやめろ、恥ずかしい」




あかね「照れてるの?案外かわいいところもあるんだ」




天楼「うるさいな」





よくわからんやつだ。







けど、どこか楽にぃにも似てるし、カトレアにも似てる。





…なんだか、落ち着く奴でもあるかもしれない。




[水平線]





NO SIDE






「見つけてくれたかい?[太字]あかね[/太字]」







あかね「うーん、知らねーな。兄ちゃん。まぁ、かっこいい女の子には会ったよ。」





「へぇ。その子の能力はどうだったんだい?」




あかね「残念ながら見れてない。けど、とりあえず兄ちゃん好みの女じゃないかもね」






「そぉか~。まぁ、こっちはこっちで好みの女を見つけてきてるからな」





あかね「そっか。じゃ、今日の分ちょうだい」





「はいはい。ちゃっかりしてるねぇ」





ぽすっ、チャリン。




革の子袋にそこそこの小銭の音。





あかね「サンキュ、兄ちゃん。これさえくれれば俺は兄ちゃん側だから。じゃーね。」





「はいはい。さっさと行けよ」





「…ふう」







[小文字]「離して!!!嫌っ、ここは何処なの!?」[/小文字]







「静かにしたまえ。ボスに嫌われたら殺されてしまうぞ、マドモアゼル?」






冬美「…っ、私を、何のためにさらったの…[太字]マニキュア[/太字]!」







マニキュア「しーっ。貴女は少々頭が弱いようだ。静かにしていなさい」





冬美「…っ」





マニキュア「さぁ、貴女はこれから生まれ変わる。新しい名前に、まずはね?」






ぱらりと手に持っている資料を眺め、微笑んだ。






マニキュア「貴女はたった今から、[太字]フェンリル[/太字]ですよ」









[中央寄せ]第一章「存在証明」開幕。[/中央寄せ]

作者メッセージ

手探りで続けていくぜ
まぐろがもう3章まで書いてて焦ってるぜ
でもスローペースでいくぜ(早めろよ)

2025/07/11 00:05

おとうふ ID:≫ 3e8L8XnSmESu.
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