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聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】

#4

さくらんぼ

楽座視点



音無「…………」





天楼「…スゥーー…これより!!!」







天楼「音無の身にまとう布を片っ端から買うの会を始める!!!!!」





楽座「言い方ぁ!!」



…えー、もとい「音無の服を買いに行く」会です。



音無「ねえ…人がいっぱいいるよ…?」




本人はやっぱりこういう人の多いショッピングモールは初らしく、えらい緊張して俺の背後で震えてる。





天楼「あー、だいじょうぶだいじょぶ、みんな私たちにはキョーミないから」






楽座「それよりもっとええ服買いに行こ!いつまでも天楼のおさがりってのもあれやろし…」




音無「…うん」




俯いてる、やっぱり不安そうやな…






楽座「安心せぇ!ここが楽しいとこやって、今日いっぱい俺たちで教えたるからな!」



[水平線]






天楼視点






…と、言ってもだ。






私は服はよくわからん。






数セットだけある私服は楽にぃと真人セレクトだし…






普段着も制服改造した激かっこいいヒーローコスチュームだからな。






あのセンスをなぜか楽にぃが許さねぇんだよな…ぜってー似合う…いや力づくで似合わせる…のに。







楽座「ほら、これとか似合うやん~、試着とかしてみ」





音無「試着…」





天楼「こっちで試着すんだよ、ついてこい」






うん偉い私、早めに采配しとかないとここで脱ぐ可能性あったから。






…介護か?






音無「ど、どうかな…」






楽座「ほらやっぱ似合うやん!どう思うよ天楼?」






天楼「私にはよくわからねぇけど…まぁよく見る女って感じ」







楽座「あんさん結構頭よかったよな?語彙どこ行ったんや」





天楼「頭の良さと服の感想はかんけーねーでーす」






音無「これ…ほしい」





そういって音無が持ってきたのはうさぎ耳モチーフの帽子だった。





楽座「お!かわいいな~」




天楼「うさぎか…いんじゃね、似合うし」





楽座「お前結構動物は好きだよな」





天楼「まぁ…な」






ふと視界に入る、音無が帽子をとったあたりの棚。





天楼「…」






楽座「?どしたんや、お前もなんかほしいんやったら買うたるで?……容赦してほしいけど」






天楼「…じゃあ、あの帽子」







楽座「あれ?…お、パンダやん」






音無「…パンダさん、好きなの?」





天楼「…そう、だな。」






天楼「[太字]白黒はっきりしてて、かっこいいから好きだ[/太字]」




…白黒はっきり。






それは、本当は…




楽座「…パンダはかっこいいよりかわいいの方やないか?」






天楼「でもあれで肉食動物だからな、クマだからな。」






天楼「がおーだぞ、がおー!」







音無「ひゃあ!?」





楽座「あー、びびらせたー!」





天楼「ふんっ!」





…そんな平和な談笑の時間、私は結構好きかもしれない。




[水平線]





楽座視点






楽座「んでぇ…」





楽座「なーーんでお前らおるん!?」






えりか「それはこちらのセリフですよ、びっくりしましたもん」



日ノ丸「…そのちっちゃい子、誰?」




二人でショッピングか…仲ええなほんま…




音無「…音無、です」




えりか「音無さんですね、こんにちは。円山えりかと申します」




ふんわり柔らかく笑う。小さい子の扱いに慣れている…!




日ノ丸「…櫂野日ノ丸」



…こいつは慣れてへんやつやな((




天楼「私たちはここで買い物。こいつの服とか買ってたんだよ。お前らは?」






えりか「あぁ、それは((日ノ丸「デート。」





楽座「えっ((」



えりか「…違いますっ、もぉ…この人が服全然持ってないので、ユニ〇ロかどこかで買いそろえようかと」





音無「…ねぇ、デートって何?」





楽座「あー知らんでいい知らんでいい。」







天楼「服…意識して持たないと無ぇよな…わかるぞ日ノ丸…((」






楽座「女子力のかけらもねぇな」






えりか「私たちは用事も済んだのでもう帰る予定なんですが…」





楽座「昼ごはんどないするん、もういい時間やしここで食べたりせんの?」




えりか「あー…それは盲点でしたね、どうします?」




日ノ丸「…えりさんの手料理…」





えりか「やっぱり昼飯まで居ようかなと思いますね((」





楽座「かわいそすぎw」




日ノ丸(´・ω・`)





天楼「めっちゃへこんでる…というか何?仲良すぎだろ、カップルなのか?」





えりか「違います!!!((」





音無「…ねぇねぇ、あれ何?」





楽座「おー…?」






音無が指さしたのは喫茶店の食品サンプル、どうやらパフェのようだ。






楽座「あれはパフェやな、確かにうまそうやな…」




天楼「昼飯でパフェぇ?!ギャルかよ」



楽座「黙ろか」





えりか「あの…私たちもお昼、ご一緒してもいいですか?」





楽座「おー、ええよ」





音無「パフェ…✨」





天楼「はー…私はせめて二品は頼むからな」




[水平線]




「お待たせしました、フルーツパフェです」






楽座「お、ちょうどいいサイズ」






音無「たべてもいい?」






目がきらきらしている、きっとこんなもん食べるのも初めてなんやろな…







音無「!」






音無「おいしい!」






楽座「そーかそーかよかったなー!まだあるから食え、な」






俺たちは長めのソファのある角の席に詰めて座って、各々頼んだものを食べる。







天楼「あああ…なんかじぇーけーみたいな休日過ごしちまってる…血が足りねぇ…バールと生身のぶつかり合いが足りねぇ…!!」





楽座「こっっわ」




パンケーキ食べて暴走し出したやん…




えりか「あなたまだそんなことやってたんですか?!もぉほんとやめたほうがいいですよ…!?」




天楼「るせーっ、喧嘩したいんだよー!」





音無「…これ…さくらんぼ」






楽座「さくらんぼおいしいよなぁ、俺もすきやで」







音無「…さくらんぼは、二つに分けて…」







音無「[太字]仲良くなりたい人といっしょに食べられる、幸せの果物なんだって。[/太字]」






そう言って音無は俺の手のそばにさくらんぼを一房置いた。






楽座「……お前めちゃくちゃいいやつやん…」






楽座「でもそんなこと誰から教わったん?やっぱお母さんとか?」








音無「…これは…」








音無「…あれ?……[太字]誰だっけ[/太字]」







天楼「…え」






キャーー!!!!






えりか「!?」






日ノ丸「今、悲鳴が…」






楽座「何があったんや…?」






音無「!」







ぎゅっ…





楽座「!…せやな、怖いよな。」








楽座「[太字]大丈夫、俺がいる[/太字]」


作者メッセージ

音無かわいい!!!

2025/05/25 01:13

おとうふ ID:≫ 3aqFVNFsPVo.c
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