聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】
アクア視点
アクア「[太字]師範[/太字]!お戻りになられましたか!」
今日は稽古をつけてくれると聞いていたのに、なかなか帰ってこなくて心配した。
でも、無事に帰ってきてくれてよかった。
リュンヌ「ああ。稽古に遅れてしまったな。すまなかった」
アクア「気にしておりません。さっそく始めてください!」
リュンヌ「……すまない、」
アクア「へ?」
リュンヌ「拙者はこれから、また用事を済まさなければならない。…本当に申し訳ない」
アクア「あ…」
背中を向けて去っていった。
……仕方ないよ、リュンヌ様は忙しいんだもの。
…それでも、
アクア「[小文字]…誰も、ぼくを見てくれないの……?[/小文字]」
[水平線]
マニキュア視点
「……」
マニキュア「もうそろそろ君は完成する頃かな?」
ガラス越し、注射器から投与された薬剤が、貴女の肌をドクンと脈打っている。
マニキュア「綺麗だ…綺麗だよ、フェンリル」
マニキュア「さてと、…君の能力は、「[太字]氷[/太字]」。」
超低温の氷を生み出し、触れた人肌からどんどん生命力を吸収する。
その生命力は術者のものとする。
マニキュア「素晴らしいね……「[太字]エレメント・モナーク[/太字]」の言い伝え通りの能力だ」
貴女を始めとし、すべての[太字]モナーク[/太字]を集める。
マニキュア「[太字]音無を利用するのは、ひとまずその後だ[/太字]」
[水平線]
嫌な空気だ。
ここは、どこ?
音無「出たいよ…」
この前、「お兄ちゃん」とお話しした世界と似ている。
…でもその世界より、よっぽど暗くて、かなしい。
音無「お兄ちゃん…お兄ちゃん?」
寒くなってきた。
足がかじかんで、歩けない…。
音無「どうして、出てきてくれないの?」
誰か、助けて……
音無「……これは……?」
手…?こっちに向かって、のびてきてる…
音無「…」
握った。放っておけなかった。
柔らかくて、楽座さんの手でも、天楼さんの手でもない、知らない手を握った。
それはちょっと冷たくて、
助けを求めてる気がして。
[水平線]
[大文字][太字]ガシャーン!!!![/太字][/大文字]
マニキュア「っ?!!」
何だ、唐突に…ガラスの壁を突っ切った?!
マニキュア「[太字]フェンリル[/太字]!」
今薬剤を完全に吸収し、覚醒したというのか?
???「わた…しは………」
フェンリル「[太字]私は、フェンリル…[/太字]」
フェンリル「あなたたちに、造られた存在。」
マニキュア「…おはよう、可憐な姫君。悪い夢でも見ていたのかな?」
フェンリル「[太字]何かを[/太字]」
フェンリル「[太字]何かを忘れている[/太字]」
フェンリル「それは…」
フェンリル「[太字]すべて壊せばわかるだろう[/太字]」
マニキュア「…」
とりあえず、薬剤投与は成功…か?
暴力的思考になり、かつての名を忘れている。
ともかく、音無を守るあやつらの強さであれば、十分殲滅可能な兵器といえるだろう。
マニキュア「[太字]さあ、貴女のそのしがらみに会いに行こうじゃないか。[/太字]」
アクア「[太字]師範[/太字]!お戻りになられましたか!」
今日は稽古をつけてくれると聞いていたのに、なかなか帰ってこなくて心配した。
でも、無事に帰ってきてくれてよかった。
リュンヌ「ああ。稽古に遅れてしまったな。すまなかった」
アクア「気にしておりません。さっそく始めてください!」
リュンヌ「……すまない、」
アクア「へ?」
リュンヌ「拙者はこれから、また用事を済まさなければならない。…本当に申し訳ない」
アクア「あ…」
背中を向けて去っていった。
……仕方ないよ、リュンヌ様は忙しいんだもの。
…それでも、
アクア「[小文字]…誰も、ぼくを見てくれないの……?[/小文字]」
[水平線]
マニキュア視点
「……」
マニキュア「もうそろそろ君は完成する頃かな?」
ガラス越し、注射器から投与された薬剤が、貴女の肌をドクンと脈打っている。
マニキュア「綺麗だ…綺麗だよ、フェンリル」
マニキュア「さてと、…君の能力は、「[太字]氷[/太字]」。」
超低温の氷を生み出し、触れた人肌からどんどん生命力を吸収する。
その生命力は術者のものとする。
マニキュア「素晴らしいね……「[太字]エレメント・モナーク[/太字]」の言い伝え通りの能力だ」
貴女を始めとし、すべての[太字]モナーク[/太字]を集める。
マニキュア「[太字]音無を利用するのは、ひとまずその後だ[/太字]」
[水平線]
嫌な空気だ。
ここは、どこ?
音無「出たいよ…」
この前、「お兄ちゃん」とお話しした世界と似ている。
…でもその世界より、よっぽど暗くて、かなしい。
音無「お兄ちゃん…お兄ちゃん?」
寒くなってきた。
足がかじかんで、歩けない…。
音無「どうして、出てきてくれないの?」
誰か、助けて……
音無「……これは……?」
手…?こっちに向かって、のびてきてる…
音無「…」
握った。放っておけなかった。
柔らかくて、楽座さんの手でも、天楼さんの手でもない、知らない手を握った。
それはちょっと冷たくて、
助けを求めてる気がして。
[水平線]
[大文字][太字]ガシャーン!!!![/太字][/大文字]
マニキュア「っ?!!」
何だ、唐突に…ガラスの壁を突っ切った?!
マニキュア「[太字]フェンリル[/太字]!」
今薬剤を完全に吸収し、覚醒したというのか?
???「わた…しは………」
フェンリル「[太字]私は、フェンリル…[/太字]」
フェンリル「あなたたちに、造られた存在。」
マニキュア「…おはよう、可憐な姫君。悪い夢でも見ていたのかな?」
フェンリル「[太字]何かを[/太字]」
フェンリル「[太字]何かを忘れている[/太字]」
フェンリル「それは…」
フェンリル「[太字]すべて壊せばわかるだろう[/太字]」
マニキュア「…」
とりあえず、薬剤投与は成功…か?
暴力的思考になり、かつての名を忘れている。
ともかく、音無を守るあやつらの強さであれば、十分殲滅可能な兵器といえるだろう。
マニキュア「[太字]さあ、貴女のそのしがらみに会いに行こうじゃないか。[/太字]」