聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】
えりか視点
えりか「……私は、なんてことを……」
いつの間にか記憶に蓋をしていた。
思い出したら、苦しくなるから。
今まで壊してきた命の花が、こちらを見ているから。
逃れていたかったから。
私は、[太字]胡蝶組[/太字]という反社会組織の隊長だった。
たくさんの人を、殺した。
…そんなくせして、今は人畜無害を装っている。
えりか「そうして装ってできた仲間の、傷を作ったのも私なのにね」
そんなくせして、私が音無さんの母?
えりか「…そんなもの、私には背負えないですよ…」
部屋に帰った。ヒノさんはいなかった。
枕が二つ並んでいた。シーツはぐしゃぐしゃだった。
私に要るのは、私の身だけ。
それすら今から捨てに行く。
えりか「さよなら」
灯りを消した。落ちたパーカーは踏みつけた。
拾って畳む気力はなかった。
[水平線]
天楼視点
天楼「…アイツ、どうしたんだろう」
私の話、そんなに嫌だったかな。
…まあ、あいつ博愛主義というかだし、「殺す」なんて聞きたくはなかったのかも。
天楼「…それでも、」
天楼「[太字]変わんないんだもん、仕方ないじゃん[/太字]」
これが私の指針。
もう迷ったり、逃げたりしない。
絶対、絶対に許さない…。
天楼「って」
天楼「日ノ丸?」
日ノ丸「あ、おはよう。」
天楼「お前珍しくね?楽にぃまだ起きてないぞ。
日ノ丸といえばえりかに叩き起こされるだし
えりかに叩き起こされるといえば日ノ丸じゃん。病気か?」
日ノ丸「酷っ。まあ否定はしないけど…((」
天楼「えーじゃ何。今日平日だし。仕事は?」
日ノ丸「ああいや、今日は休むつもり。」
日ノ丸「[太字]会いに行かなきゃいけない人がいるから[/太字]」
天楼「…ふーん、あっそ。」
なんだよ、今日は二人しておかしいな。
[水平線]
日ノ丸視点
俺はもう一度アイツに会わなきゃいけない。
今まで俺が異常だったぶんの落とし前をつけなきゃいけない。
日ノ丸「リュンヌなんて変な名前つけやがって。そういうところが嫌いなんだよ」
曲解してないで、ちゃんと今の俺を見てよ。
俺はお前が嫌いだけど、今のお前はもっと嫌い。
日ノ丸「…俺がお前なしでも生きれるって、
…異常だって言われない世界があるって、…言っておかなきゃ」
部屋の灯りは消えていた。
中を確認する気力はなかった。
えりか「……私は、なんてことを……」
いつの間にか記憶に蓋をしていた。
思い出したら、苦しくなるから。
今まで壊してきた命の花が、こちらを見ているから。
逃れていたかったから。
私は、[太字]胡蝶組[/太字]という反社会組織の隊長だった。
たくさんの人を、殺した。
…そんなくせして、今は人畜無害を装っている。
えりか「そうして装ってできた仲間の、傷を作ったのも私なのにね」
そんなくせして、私が音無さんの母?
えりか「…そんなもの、私には背負えないですよ…」
部屋に帰った。ヒノさんはいなかった。
枕が二つ並んでいた。シーツはぐしゃぐしゃだった。
私に要るのは、私の身だけ。
それすら今から捨てに行く。
えりか「さよなら」
灯りを消した。落ちたパーカーは踏みつけた。
拾って畳む気力はなかった。
[水平線]
天楼視点
天楼「…アイツ、どうしたんだろう」
私の話、そんなに嫌だったかな。
…まあ、あいつ博愛主義というかだし、「殺す」なんて聞きたくはなかったのかも。
天楼「…それでも、」
天楼「[太字]変わんないんだもん、仕方ないじゃん[/太字]」
これが私の指針。
もう迷ったり、逃げたりしない。
絶対、絶対に許さない…。
天楼「って」
天楼「日ノ丸?」
日ノ丸「あ、おはよう。」
天楼「お前珍しくね?楽にぃまだ起きてないぞ。
日ノ丸といえばえりかに叩き起こされるだし
えりかに叩き起こされるといえば日ノ丸じゃん。病気か?」
日ノ丸「酷っ。まあ否定はしないけど…((」
天楼「えーじゃ何。今日平日だし。仕事は?」
日ノ丸「ああいや、今日は休むつもり。」
日ノ丸「[太字]会いに行かなきゃいけない人がいるから[/太字]」
天楼「…ふーん、あっそ。」
なんだよ、今日は二人しておかしいな。
[水平線]
日ノ丸視点
俺はもう一度アイツに会わなきゃいけない。
今まで俺が異常だったぶんの落とし前をつけなきゃいけない。
日ノ丸「リュンヌなんて変な名前つけやがって。そういうところが嫌いなんだよ」
曲解してないで、ちゃんと今の俺を見てよ。
俺はお前が嫌いだけど、今のお前はもっと嫌い。
日ノ丸「…俺がお前なしでも生きれるって、
…異常だって言われない世界があるって、…言っておかなきゃ」
部屋の灯りは消えていた。
中を確認する気力はなかった。