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聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】

#19

そっか。

えりか視点





日ノ丸「…いるんだろ、リュンヌ。出てこいよ。」





注射器が飛んできた方をしっかり睨みながらヒノさんがそう言う。





リュンヌ「…やはり貴様は冷たいな、[太字]ソレイユ[/太字]」





ソレイユ?





ヒノさんのことでしょうか。






日ノ丸「[太字]…やめてくんない?俺、その名前嫌いなんだよ[/太字]」







リュンヌ「……」







えりか「…あの、貴方は何なんですか?ヒノさんのご知り合い?
…だとしても、あの挨拶はどうかと思いますけど」





私が問いかけると目の前の彼は目を細める。






リュンヌ「…そうだな、」











リュンヌ「[太字]結ばれるはずだったと言えば伝わるだろうか?[/太字]」









えりか「え…」








日ノ丸「ちょ…は?」







結ばれるはずだった?





…許嫁とか、そういうことですか?






いやでも、彼は男だし…許嫁ではない?







日ノ丸「ごめん。何言ってんの?さっきから。」






リュンヌさんを見つめるヒノさんの目は、軽蔑というか、不可解なものを見る眼差しというか。







向けられていないこっちが、なんだか怖くなるような目だった。






リュンヌ「……」








リュンヌ「[小文字][太字]好きだって言ってたのは、嘘だったの?[/太字][/小文字]」








日ノ丸「え…?」







リュンヌ「…貴様が覚えていないなら、もうそれでよい。」







えりか「あ、ちょっと…?!」






湿った夜の影に消えていくように、いつのまにか彼はいなくなっていた。



[水平線]





日ノ丸視点





あいつ、何だったんだ…?





”結ばれるはずだった”なんて、







まるで______






日ノ丸「……………」





きらっと茂みが光って、えりさんがそれに反応する。






えりか「あれ…?これ、バレッタですか?」







日ノ丸「[太字]_____![/太字]」






えりさんの手に握られてるそれは、確かに見たことがあるバレッタだった。








[太字]だって、俺が昔、あの子にあげたものだもん。[/太字]








えりか「…ヒノさん?」






じゃあ。







じゃああいつは、





[水平線]





「…え、男とか普通に無理」




「日ノ丸君って男が好きなんだって」「気持ちわるっ!」「やっぱりサキュバスなんて変なやつしかいないんだよ」「人間じゃないもんね」「ヴィランだもんね」「やだあ、フォークダンス踊りたくない!」「信じてたのになぁ…」














「…どんなこと言われても、私は、ソレイユの味方だから」







[水平線]











日ノ丸「…………[太字]わかった[/太字]」







日ノ丸「[小文字][太字]でも、なんであの子がいる…?それも、男性になって…[/太字][/小文字]」







えりか「……ヒノさん…。」







えりか「何かあったんでしょう。話してくれますか?」





こちらをまっすぐ見つめる瞳は、優しかったけれど。



日ノ丸「…………」






えりか「…」






日ノ丸「…[太字]だめ。言えない[/太字]」









えりか「え………」







だって貴方が知ったらどうなる。








[太字]もう一度、俺は「ヴィラン」になるだけ。[/太字]







[太字]いつもの言葉も、からかいなんかじゃない、本気だと思われて。[/太字]








[太字]俺はまた、「異常」になるんだ。[/太字]





[水平線]







????視点








「どうして?」









「どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?」









「[太字]私[/太字]」、あなたの理想になったのに。








[太字]男で、[/太字]







[太字]変わってて。[/太字]








こうすれば、振り向いてくれると思ったのに。







______そっか。








君の中で私は、もう「誰か」なんだ。









思い出せないぐらいどうでもよくて、冷たくなれるほど無関心。







「じゃあ」








もういっそ、一緒になろう。








力ずくでも、どんな手でも。







[太字]痛くて苦しいキスで、息を閉ざしてあげるよ。[/太字]

作者メッセージ

本日の作業用BGM
「うみなおし」MARETU
サブタイはそれ聞いてて唐突に思いつきました。((

2025/09/05 20:45

おとうふ ID:≫ 3e8L8XnSmESu.
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