聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】
えりか視点
日ノ丸「…いるんだろ、リュンヌ。出てこいよ。」
注射器が飛んできた方をしっかり睨みながらヒノさんがそう言う。
リュンヌ「…やはり貴様は冷たいな、[太字]ソレイユ[/太字]」
ソレイユ?
ヒノさんのことでしょうか。
日ノ丸「[太字]…やめてくんない?俺、その名前嫌いなんだよ[/太字]」
リュンヌ「……」
えりか「…あの、貴方は何なんですか?ヒノさんのご知り合い?
…だとしても、あの挨拶はどうかと思いますけど」
私が問いかけると目の前の彼は目を細める。
リュンヌ「…そうだな、」
リュンヌ「[太字]結ばれるはずだったと言えば伝わるだろうか?[/太字]」
えりか「え…」
日ノ丸「ちょ…は?」
結ばれるはずだった?
…許嫁とか、そういうことですか?
いやでも、彼は男だし…許嫁ではない?
日ノ丸「ごめん。何言ってんの?さっきから。」
リュンヌさんを見つめるヒノさんの目は、軽蔑というか、不可解なものを見る眼差しというか。
向けられていないこっちが、なんだか怖くなるような目だった。
リュンヌ「……」
リュンヌ「[小文字][太字]好きだって言ってたのは、嘘だったの?[/太字][/小文字]」
日ノ丸「え…?」
リュンヌ「…貴様が覚えていないなら、もうそれでよい。」
えりか「あ、ちょっと…?!」
湿った夜の影に消えていくように、いつのまにか彼はいなくなっていた。
[水平線]
日ノ丸視点
あいつ、何だったんだ…?
”結ばれるはずだった”なんて、
まるで______
日ノ丸「……………」
きらっと茂みが光って、えりさんがそれに反応する。
えりか「あれ…?これ、バレッタですか?」
日ノ丸「[太字]_____![/太字]」
えりさんの手に握られてるそれは、確かに見たことがあるバレッタだった。
[太字]だって、俺が昔、あの子にあげたものだもん。[/太字]
えりか「…ヒノさん?」
じゃあ。
じゃああいつは、
[水平線]
「…え、男とか普通に無理」
「日ノ丸君って男が好きなんだって」「気持ちわるっ!」「やっぱりサキュバスなんて変なやつしかいないんだよ」「人間じゃないもんね」「ヴィランだもんね」「やだあ、フォークダンス踊りたくない!」「信じてたのになぁ…」
「…どんなこと言われても、私は、ソレイユの味方だから」
[水平線]
日ノ丸「…………[太字]わかった[/太字]」
日ノ丸「[小文字][太字]でも、なんであの子がいる…?それも、男性になって…[/太字][/小文字]」
えりか「……ヒノさん…。」
えりか「何かあったんでしょう。話してくれますか?」
こちらをまっすぐ見つめる瞳は、優しかったけれど。
日ノ丸「…………」
えりか「…」
日ノ丸「…[太字]だめ。言えない[/太字]」
えりか「え………」
だって貴方が知ったらどうなる。
[太字]もう一度、俺は「ヴィラン」になるだけ。[/太字]
[太字]いつもの言葉も、からかいなんかじゃない、本気だと思われて。[/太字]
[太字]俺はまた、「異常」になるんだ。[/太字]
[水平線]
????視点
「どうして?」
「どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?」
「[太字]私[/太字]」、あなたの理想になったのに。
[太字]男で、[/太字]
[太字]変わってて。[/太字]
こうすれば、振り向いてくれると思ったのに。
______そっか。
君の中で私は、もう「誰か」なんだ。
思い出せないぐらいどうでもよくて、冷たくなれるほど無関心。
「じゃあ」
もういっそ、一緒になろう。
力ずくでも、どんな手でも。
[太字]痛くて苦しいキスで、息を閉ざしてあげるよ。[/太字]
日ノ丸「…いるんだろ、リュンヌ。出てこいよ。」
注射器が飛んできた方をしっかり睨みながらヒノさんがそう言う。
リュンヌ「…やはり貴様は冷たいな、[太字]ソレイユ[/太字]」
ソレイユ?
ヒノさんのことでしょうか。
日ノ丸「[太字]…やめてくんない?俺、その名前嫌いなんだよ[/太字]」
リュンヌ「……」
えりか「…あの、貴方は何なんですか?ヒノさんのご知り合い?
…だとしても、あの挨拶はどうかと思いますけど」
私が問いかけると目の前の彼は目を細める。
リュンヌ「…そうだな、」
リュンヌ「[太字]結ばれるはずだったと言えば伝わるだろうか?[/太字]」
えりか「え…」
日ノ丸「ちょ…は?」
結ばれるはずだった?
…許嫁とか、そういうことですか?
いやでも、彼は男だし…許嫁ではない?
日ノ丸「ごめん。何言ってんの?さっきから。」
リュンヌさんを見つめるヒノさんの目は、軽蔑というか、不可解なものを見る眼差しというか。
向けられていないこっちが、なんだか怖くなるような目だった。
リュンヌ「……」
リュンヌ「[小文字][太字]好きだって言ってたのは、嘘だったの?[/太字][/小文字]」
日ノ丸「え…?」
リュンヌ「…貴様が覚えていないなら、もうそれでよい。」
えりか「あ、ちょっと…?!」
湿った夜の影に消えていくように、いつのまにか彼はいなくなっていた。
[水平線]
日ノ丸視点
あいつ、何だったんだ…?
”結ばれるはずだった”なんて、
まるで______
日ノ丸「……………」
きらっと茂みが光って、えりさんがそれに反応する。
えりか「あれ…?これ、バレッタですか?」
日ノ丸「[太字]_____![/太字]」
えりさんの手に握られてるそれは、確かに見たことがあるバレッタだった。
[太字]だって、俺が昔、あの子にあげたものだもん。[/太字]
えりか「…ヒノさん?」
じゃあ。
じゃああいつは、
[水平線]
「…え、男とか普通に無理」
「日ノ丸君って男が好きなんだって」「気持ちわるっ!」「やっぱりサキュバスなんて変なやつしかいないんだよ」「人間じゃないもんね」「ヴィランだもんね」「やだあ、フォークダンス踊りたくない!」「信じてたのになぁ…」
「…どんなこと言われても、私は、ソレイユの味方だから」
[水平線]
日ノ丸「…………[太字]わかった[/太字]」
日ノ丸「[小文字][太字]でも、なんであの子がいる…?それも、男性になって…[/太字][/小文字]」
えりか「……ヒノさん…。」
えりか「何かあったんでしょう。話してくれますか?」
こちらをまっすぐ見つめる瞳は、優しかったけれど。
日ノ丸「…………」
えりか「…」
日ノ丸「…[太字]だめ。言えない[/太字]」
えりか「え………」
だって貴方が知ったらどうなる。
[太字]もう一度、俺は「ヴィラン」になるだけ。[/太字]
[太字]いつもの言葉も、からかいなんかじゃない、本気だと思われて。[/太字]
[太字]俺はまた、「異常」になるんだ。[/太字]
[水平線]
????視点
「どうして?」
「どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?」
「[太字]私[/太字]」、あなたの理想になったのに。
[太字]男で、[/太字]
[太字]変わってて。[/太字]
こうすれば、振り向いてくれると思ったのに。
______そっか。
君の中で私は、もう「誰か」なんだ。
思い出せないぐらいどうでもよくて、冷たくなれるほど無関心。
「じゃあ」
もういっそ、一緒になろう。
力ずくでも、どんな手でも。
[太字]痛くて苦しいキスで、息を閉ざしてあげるよ。[/太字]