聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】
天楼「…楽座、さん。」
楽座「あぁ、さんとか付けんくってもええよ!
もっと気楽に呼んでくれても………まぁ、ええわ」
楽座「とりあえず、行こ!あんた、居場所ないんやろ?」
天楼「え…ない、けど…」
知らない人に付いて行くのは悪い子だし、そもそもコイツ犯罪者かもしれないし。
楽座「大丈夫やって!俺はあんたを助けたいだけなんや。…すぐには信用、
してくれへんくってもええけどさ、その分猶予たっくさん頂戴?」
な?と笑う相手に敵意は感じなかった。
父さんが戦ってるところをたくさん見てきたから、敵意のない人間とある人間の差ぐらいはわかる。
天楼「…わかった」
この日、人生で初めて、私は悪い子になった。
「おーいそこの君ら!こんな夜中に何してるんだ!?」
楽座「うお!?[小文字]警察…めんど[/小文字]」
警察は自転車を停めてこっちに歩いてくる。
「ん?見た感じ血は繋がってなさそうだな。事情を聞かせてくれるかい?」
当時私は気づいてなかったけど、楽にぃが一瞬こっち見て、すぐに、
楽座「あー![太字]こいつ俺の義理の妹なんです[/太字]!二人して迷子になってしまって…すみません、あはは」
天楼「…っ!」
そう言ってくれたから、多分私、警察にちょっとおびえてたのかもしれない。
[水平線]
楽にぃの家に着いた私に、アイツがまず最初に訊いた質問がこれだった。
楽座「…あんたはこれから、やりたいことはあるん?」
天楼「____え」
考えたこともなかった。両親がいなくなってから…
…[太字]いや、ずっとか。今までもだ。[/太字]
天楼「やりたいこと…?」
楽座「なんでもええんやで。○○屋の新作△△が食べたいとかさ」
天楼「うーん………」
私がやりたいこと…?
[明朝体]______そうそう、その調子だ、天楼!お前なら父さんみたく、立派なヒーローになれるぞ!
[/明朝体]
[明朝体]____父さんはほぼ死体のまま、連続暴行及び殺人未遂の犯人として警察に連れていかれたから。[/明朝体]
[明朝体]____ん?見た感じ血は繋がってなさそうだな。事情を聞かせてくれるかい?[/明朝体]
______そうだ。
天楼「…復讐したい」
天楼「[太字]…本当に大事で、本当の正義を守ってくれない警察に[/太字]」
楽座「…そりゃあ…またでっかく来たな。」
楽座「けど!夢があるなら話が早い。」
楽座「[太字]それが叶うまで、生きてみればええやんか[/太字]」
天楼「…」
楽座「なっ」
楽にぃの言ってくれたことで私は気づいた。
天楼「……そっか」
天楼「私、強かったわ。」
父さんに何度も稽古してもらって、私は強かったってこと。
だから私は、これが答えだなって思った。
天楼「じゃあ今後数十年間は、父さんと同じ自警活動で生きてやるっ!」
天楼「さすがに警察に単身突っ込んでいくのは無理だから、ちょっとずつ迷惑かけてやる」
楽座「…ほーか。お前、なかなか機転効くやっちゃなw」
天楼「だろっ、[太字]楽座兄さん[/太字]」
楽座「…へっ!?」
天楼「アンタが先に言ったんだろ?「[太字]こいつ俺の義理の妹なんです[/太字]って!」
楽座「……お前…めっちゃいいやつ…」
天楼「な、泣くなよ、助けられてんのは一応、こっちだしさ…!」
あれから「楽座兄さん」なんて呼びづらくて、「楽にぃ」って訛ったりしたことも。
あー…思い出しちゃったな。
思い返せばバカらしい。なんで、気づけなかったんだろうな。
「楽にぃ。
アンタの言葉に二回も救われちゃったな。」
「…でも、」
「もう一回助けて。楽にぃ。」
手は伸ばした。あとは引っ張ってくれよ。
私も起き上がりたいけど、周りが見えてないからさ。
…頼んだよ。楽にぃ。
楽座「あぁ、さんとか付けんくってもええよ!
もっと気楽に呼んでくれても………まぁ、ええわ」
楽座「とりあえず、行こ!あんた、居場所ないんやろ?」
天楼「え…ない、けど…」
知らない人に付いて行くのは悪い子だし、そもそもコイツ犯罪者かもしれないし。
楽座「大丈夫やって!俺はあんたを助けたいだけなんや。…すぐには信用、
してくれへんくってもええけどさ、その分猶予たっくさん頂戴?」
な?と笑う相手に敵意は感じなかった。
父さんが戦ってるところをたくさん見てきたから、敵意のない人間とある人間の差ぐらいはわかる。
天楼「…わかった」
この日、人生で初めて、私は悪い子になった。
「おーいそこの君ら!こんな夜中に何してるんだ!?」
楽座「うお!?[小文字]警察…めんど[/小文字]」
警察は自転車を停めてこっちに歩いてくる。
「ん?見た感じ血は繋がってなさそうだな。事情を聞かせてくれるかい?」
当時私は気づいてなかったけど、楽にぃが一瞬こっち見て、すぐに、
楽座「あー![太字]こいつ俺の義理の妹なんです[/太字]!二人して迷子になってしまって…すみません、あはは」
天楼「…っ!」
そう言ってくれたから、多分私、警察にちょっとおびえてたのかもしれない。
[水平線]
楽にぃの家に着いた私に、アイツがまず最初に訊いた質問がこれだった。
楽座「…あんたはこれから、やりたいことはあるん?」
天楼「____え」
考えたこともなかった。両親がいなくなってから…
…[太字]いや、ずっとか。今までもだ。[/太字]
天楼「やりたいこと…?」
楽座「なんでもええんやで。○○屋の新作△△が食べたいとかさ」
天楼「うーん………」
私がやりたいこと…?
[明朝体]______そうそう、その調子だ、天楼!お前なら父さんみたく、立派なヒーローになれるぞ!
[/明朝体]
[明朝体]____父さんはほぼ死体のまま、連続暴行及び殺人未遂の犯人として警察に連れていかれたから。[/明朝体]
[明朝体]____ん?見た感じ血は繋がってなさそうだな。事情を聞かせてくれるかい?[/明朝体]
______そうだ。
天楼「…復讐したい」
天楼「[太字]…本当に大事で、本当の正義を守ってくれない警察に[/太字]」
楽座「…そりゃあ…またでっかく来たな。」
楽座「けど!夢があるなら話が早い。」
楽座「[太字]それが叶うまで、生きてみればええやんか[/太字]」
天楼「…」
楽座「なっ」
楽にぃの言ってくれたことで私は気づいた。
天楼「……そっか」
天楼「私、強かったわ。」
父さんに何度も稽古してもらって、私は強かったってこと。
だから私は、これが答えだなって思った。
天楼「じゃあ今後数十年間は、父さんと同じ自警活動で生きてやるっ!」
天楼「さすがに警察に単身突っ込んでいくのは無理だから、ちょっとずつ迷惑かけてやる」
楽座「…ほーか。お前、なかなか機転効くやっちゃなw」
天楼「だろっ、[太字]楽座兄さん[/太字]」
楽座「…へっ!?」
天楼「アンタが先に言ったんだろ?「[太字]こいつ俺の義理の妹なんです[/太字]って!」
楽座「……お前…めっちゃいいやつ…」
天楼「な、泣くなよ、助けられてんのは一応、こっちだしさ…!」
あれから「楽座兄さん」なんて呼びづらくて、「楽にぃ」って訛ったりしたことも。
あー…思い出しちゃったな。
思い返せばバカらしい。なんで、気づけなかったんだろうな。
「楽にぃ。
アンタの言葉に二回も救われちゃったな。」
「…でも、」
「もう一回助けて。楽にぃ。」
手は伸ばした。あとは引っ張ってくれよ。
私も起き上がりたいけど、周りが見えてないからさ。
…頼んだよ。楽にぃ。