文字サイズ変更

聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】

#15

兄さん

天楼「…楽座、さん。」





楽座「あぁ、さんとか付けんくってもええよ!
もっと気楽に呼んでくれても………まぁ、ええわ」





楽座「とりあえず、行こ!あんた、居場所ないんやろ?」






天楼「え…ない、けど…」





知らない人に付いて行くのは悪い子だし、そもそもコイツ犯罪者かもしれないし。





楽座「大丈夫やって!俺はあんたを助けたいだけなんや。…すぐには信用、
してくれへんくってもええけどさ、その分猶予たっくさん頂戴?」






な?と笑う相手に敵意は感じなかった。






父さんが戦ってるところをたくさん見てきたから、敵意のない人間とある人間の差ぐらいはわかる。




天楼「…わかった」



この日、人生で初めて、私は悪い子になった。






「おーいそこの君ら!こんな夜中に何してるんだ!?」




楽座「うお!?[小文字]警察…めんど[/小文字]」




警察は自転車を停めてこっちに歩いてくる。




「ん?見た感じ血は繋がってなさそうだな。事情を聞かせてくれるかい?」






当時私は気づいてなかったけど、楽にぃが一瞬こっち見て、すぐに、






楽座「あー![太字]こいつ俺の義理の妹なんです[/太字]!二人して迷子になってしまって…すみません、あはは」





天楼「…っ!」





そう言ってくれたから、多分私、警察にちょっとおびえてたのかもしれない。




[水平線]







楽にぃの家に着いた私に、アイツがまず最初に訊いた質問がこれだった。







楽座「…あんたはこれから、やりたいことはあるん?」






天楼「____え」







考えたこともなかった。両親がいなくなってから…







…[太字]いや、ずっとか。今までもだ。[/太字]





天楼「やりたいこと…?」






楽座「なんでもええんやで。○○屋の新作△△が食べたいとかさ」





天楼「うーん………」





私がやりたいこと…?





[明朝体]______そうそう、その調子だ、天楼!お前なら父さんみたく、立派なヒーローになれるぞ!
[/明朝体]





[明朝体]____父さんはほぼ死体のまま、連続暴行及び殺人未遂の犯人として警察に連れていかれたから。[/明朝体]





[明朝体]____ん?見た感じ血は繋がってなさそうだな。事情を聞かせてくれるかい?[/明朝体]








______そうだ。







天楼「…復讐したい」







天楼「[太字]…本当に大事で、本当の正義を守ってくれない警察に[/太字]」








楽座「…そりゃあ…またでっかく来たな。」






楽座「けど!夢があるなら話が早い。」







楽座「[太字]それが叶うまで、生きてみればええやんか[/太字]」







天楼「…」





楽座「なっ」





楽にぃの言ってくれたことで私は気づいた。





天楼「……そっか」







天楼「私、強かったわ。」





父さんに何度も稽古してもらって、私は強かったってこと。





だから私は、これが答えだなって思った。






天楼「じゃあ今後数十年間は、父さんと同じ自警活動で生きてやるっ!」






天楼「さすがに警察に単身突っ込んでいくのは無理だから、ちょっとずつ迷惑かけてやる」






楽座「…ほーか。お前、なかなか機転効くやっちゃなw」





天楼「だろっ、[太字]楽座兄さん[/太字]」





楽座「…へっ!?」





天楼「アンタが先に言ったんだろ?「[太字]こいつ俺の義理の妹なんです[/太字]って!」







楽座「……お前…めっちゃいいやつ…」





天楼「な、泣くなよ、助けられてんのは一応、こっちだしさ…!」





あれから「楽座兄さん」なんて呼びづらくて、「楽にぃ」って訛ったりしたことも。








あー…思い出しちゃったな。







思い返せばバカらしい。なんで、気づけなかったんだろうな。











「楽にぃ。






アンタの言葉に二回も救われちゃったな。」







「…でも、」







「もう一回助けて。楽にぃ。」





手は伸ばした。あとは引っ張ってくれよ。






私も起き上がりたいけど、周りが見えてないからさ。






…頼んだよ。楽にぃ。

作者メッセージ

これ思いついたとき夕飯食ってたんだけど、
思いついた内容が天才すぎてにやにやしながら食ってたから
たぶんマミーに「そんなに照り焼きチキンおいしいのね…」って思われた可能性

2025/07/24 21:21

おとうふ ID:≫ 3e8L8XnSmESu.
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 15

コメント
[1]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL