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聞こえなくなった声を辿って【our fantasy】

#11

キメラ

音無視点





天楼「バカ!!お前どうして、どうして来ちゃったんだ!」





心配そうな怒り顔で私を叱る。






そんなこと言われても、私は…






[水平線]






[明朝体]音無[/明朝体]







音無「…え…」







それは、何もかも輝いて、鮮明で、






綺麗な世界。






[明朝体]音無[/明朝体]







[明朝体]お前がこの世界に来たってことに、きっと意味があると思うよ[/明朝体]







ぼやけていた虹色の光が少しずつ、人の形になっていった。







[明朝体]お兄ちゃんはちゃんと見てるからな。お前のこと。[/明朝体]







音無「ねぇ、誰なの?」






[明朝体]お前はこれから、天楼のところに行かなきゃいけない。[/明朝体]






音無「!…なんで?」





だめって言われた。危ないところなのに。どうして?





[明朝体]お前が友達を守るためにはそうする必要がある[/明朝体]





[明朝体]お前の力が必要なんだ[/明朝体]






音無「………わたしの、ちから」





[水平線]







音無「男の子の声だった…その声が、私にここに来てって言ったの」






天楼「はぁ?!夢の話かよ、ふざけんな!とっとと帰れ!ここは…






ギャアアアアア!!




天楼「ちぃっ…!もう来やがった!音無!隠れるぞ!!」






天楼さんは私の手を取って、あの物陰へ向かった。






ドクンッ!!






天楼「…え」





音無「…?」






小さく脈打つ音がした?





天楼「なんだ、今の…」





[水平線]





天楼視点






全く、めんどくさいことになりやがった!





音無連れて逃げてる間に、あかねもどっか行ってやがる!






…けど、音無がいないってことは、楽にぃたちもいずれはここに来るはず…






怪物はデカイ。遠くからでも暴れてんのはすぐわかる。







天楼「私ができるのは時間稼ぎってとこだな。かかってこい!」






バールを振りかざす。






天楼「「[太字]ラビット[/太字]」!!」






脚力を向上させる。これならあそこまでは数分かからず行けるな。







天楼「うなれ、正義の鉄槌!」





跳べ、頭を狙え!






バールはゴンッと鈍い音を立てた。よし、命中!






「ギャァアアアア!!」






怪物は動きを止めない。こんなもんじゃダメだわな。






天楼「来いよ!私今、調子良いからさ!」


[水平線]







えりか視点







楽座「音無ーー!!音無!!返事しろ!!」







えりか「まずいことになりましたね、一人で行動だなんて…!」





日ノ丸「天楼は傍にいるのかな。じゃなきゃあまりにも危険すぎる」




真人「チッ、あいつはホントに……昔から迷惑かける奴だな、天楼め…!!」




私たちは急遽、いなくなった音無さん…および天楼さんを捜索することになりました。





音無さんが外にいる以上、何が起こるかわからない。




少なくともフレアやアクア、あいつらに遭遇してしまったら、太刀打ちは不可能です。




えりか「音無さん…天楼さん…どうかご無事で___!





ドカァン!!





楽座「何やあ!?」




日ノ丸「____まずい!あのショッピングモールの時と同じことが起こってる!!」




えりか「えっ!?」




真人「あれは…!?自我のない怪物?一体どういうことだよ!」




楽座「俺たちにもわからんけど、あれがいるってことは
…近くに、フレアやアクアか、その仲間はいる可能性が高いな」





嘘でしょう…?このタイミングで、そんな面倒な…





___!




えりか「…行ってみましょう。天楼さんがあれを見逃すわけがない!」



[水平線]






天楼視点







おかしい、さっきから!





何もかも、うまくいきすぎてる!





怪物は強いのに、もう、一人伸しちまった。




天楼「複数途中から現れるのは想定外だったけど…私、一人で戦えてる」




私、そんなに強かったか…?




____来る!!





天楼「でりゃあ!」





後ろからの攻撃を翻して、空いた胴に一発。




天楼「「[太字]ライオン[/太字]」!!」





このブーストを使えば、状況を切り抜けられるかもしれない。





今はなんだかうまく行ってるし。




天楼「っ!?」





ドクンッ!!





天楼「なんだ、これ……」





さっきまで使ってた、[太字]ラビット[/太字]、今使ってる[太字]ライオン[/太字]。






それに、使ってない[太字]イーグル[/太字]まで、一斉に…!







こんなの、こんなの…!






天楼「まるで、[太字]キメラ[/太字]…!」






こんなの初めてだ。私の能力「[太字]ビースト・ヒーロー[/太字]」は、[太字]一つの動物の力を宿せる[/太字]だけ。






こんな、キメラみたいに複数宿すことなんてできない。







…けど






天楼「できるなら、やるしかない。」






天楼「この力、確実に強い」






天楼「絶対勝てる!私なら…今の、この力なら!」



床を踏み切る。タイルが割れて、勢いよく空へ舞いあがる。






翼はそれに呼応してはためく。漲る闘志が、今すぐコイツと戦わせろと叫んでる!






天楼「「[太字]キメラ[/太字]」!!」







ぶち当たったバールと、肥大化した怪物の体が、小さな爆発を起こした。


作者メッセージ

天楼はおとうふ至上一番のイケメン((

2025/07/19 23:37

おとうふ ID:≫ 3e8L8XnSmESu.
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