永遠の絆と変わる世界
メーティス「装飾品。それはいわゆる、我々の分霊箱のようなものなんだ」
メーティス「7つそれぞれに、私たち7神の力が宿っている。」
メーティス「アクアマリンの短剣がエーセリウス、ペリドットの腕輪がアリス、アメジストのロザリオがディーテ、サファイアの指輪がメイジ、ルビーのペンダントがアステミ。」
メーティス「そして、このダイアモンドの王冠が私、メーティスの力」
レイル「ということは?」
メーティス「…皆の持つ[太字]能力を使う力[/太字]と、その装飾品に宿る力を神々の元へ還せば、ルールを書き換えることは可能だ」
アルト「じゃあ…!」
メーティス「だけれど、君たちはもう…[太字]能力を使えなくなる。
無能力者になるんだ[/太字]」
黄夏「____っ」
メーティス「それでもいいのなら、今ここに神々を集め、それを行おう」
黄夏「わたしは、それでいい。…みんなは?」
シエル「そんなのもちろん…」
レイル「いいに決まってる、でしょ?」
アルト「人類全員の能力が消えるわけでもないんだしな」
ソプラノ「ああ、安いものだろう、地球の滅亡に比べれば」
神威「そうですね。これで世界が救われるなら。」
黄夏「…わたしたちの選択は決まったよ、メーティス」
メーティス「…わかった。」
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エーセリウス「この世のルールを書き換える?」
アリス「随分と唐突な方向変換だな。地球を滅ぼすと言ったのはメーティス、お前だろう」
ディーテ「そうね、どうしちゃったわけ?」
メーティス「…人間たちの想いに感化された、と言おうか」
メイジ「人間に…?」
メーティス「彼らの物語を、ここで終わらせてしまうのは惜しかった。
もっとたくさんの、幾千の物語をこの目で見たい。
そして紡いでいきたいと____私は、思った」
アステミ「…つくづく執筆バカだなお前は。」
メイジ「ま、あんたが言うなら。なんか、確実な策があるっちゃろ?」
黄夏「…」
メーティス「みな、装飾品を彼らに」
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メーティス「[太字]万物の[漢字]掟[/漢字][ふりがな]ルール[/ふりがな]よ、創造七神の造りし理よ[/太字]」
エーセリウス「[太字]勇敢、戦の神エーセリウス[/太字]」
アリス「[太字]希望、知恵の神アリス[/太字]」
ディーテ「[太字]誠実、救いの神ディーテ[/太字]」
メイジ「[太字]徳望、断罪の神メイジ[/太字]」
アステミ「[太字]勇気、戯の神アステミ[/太字]」
メーティス「[太字]不変、物語の神メーティス[/太字]」
七神「[太字]我らと我らが盟を結びし象徴、そして六人の勇者たちの力のもと[/太字]」
七神「[太字]この世の理から、精霊の存在を消し去ってしまえ[/太字]」
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「あれ?このシオンの花…何だっけか」
「思いだせないな…枯れてるし、捨てちまうか…?」
この時たしかに、世界に風が吹いた。
命の始まる風?
いいや、確かに何かが消えた、そんな風が。