永遠の絆と変わる世界
黄夏視点
シエル「きゃああ!?」
アルト「避けろ!!『警笛唱歌』!!」
甲高い笛の音が響く。
メーティスから放たれる虹色の光の矢を、身体が勝手に避ける。
メーティス「君の能力はこちらも把握しているよ。
[太字]一つの攻撃しか対象にできないこともね。[/太字]」
そう言うと彼はブラックホールのようなものから球体のエナジーを放った。
先ほどとは打って変わり、どす黒い闇のようなそれに恐怖を覚える。
アルト「チッ…!」
神威「任せてください!あのぐらいなら俺が壊せます!」
神威さんはそう言うと、カプセルを解体して銃にし、それらに向かって弾を発射した。
超高速で向かう赤黒色の弾丸は、その衝撃波のボールを打ち砕く。
ソプラノ「アルト!」
アルト「ああ、オレにできるのはいつだって、お前のサポートだよな?」
先ほどとはとがりの違う笛の音が鳴る。
ソプラノ「プレスト!!」
細く勢いのある音波が可視化され、メーティスの元へ向かう。
メーティス「…甘いよ、きみたち。」
メーティス「[太字]魔術師に魔法は効かないだろう?[/太字]」
メーティスはそうつぶやくと、両腕からブラックホールを作り出し、攻撃を吸収した。
黄夏「攻撃が…!」
メーティス「トリック・コスモ!」
指をパチンと鳴らすと、レイル先輩の背後にホワイトホールができる。
レイル「っ…!!」
ソプラノ「危ない!!リターン!」
レイル先輩の背中を貫く前に、音の波は軌道を変え、ソプラノさんのもとへ戻る。
メーティス「無駄なあがきを…わかっているだろう?!君たちもその命が途絶える日がくる!
それが早まり、ドラマティックになっただけじゃないか?!」
レイル「[太字]…誰かに強要される死がドラマティックだなんて思わないわ![/太字]」
レイル「[太字]私達はまだ、物語の途中なの!
その途中で死ぬことは、読者も悲しむ打ち切りのようなものでしょう?![/太字]」
メーティス「生きられないんだよ、この世界では!人間6人ではどうしようもないんだ!
ならばいつ死のうと関係ない、[太字]生きられないなら殺せばいい![/太字]」
シエル「そんなもの、最後までわからないでしょ!?」
シエル「あたしたちは足掻き続ける!笑顔でいられる、未来を求めて!!」
シエル「ルール・ハンマー!」
数式で作り上げたハンマーを持って、シエルさんがメーティスのもとへ走る。
レイル「メモリー・ストーリー!「西遊記」!觔斗雲!」
メーティス「…」
黄夏「っ…?」
今一瞬、メーティスの目の奥に、なにか…
[水平線]
No side
アステミ「はあああ?!!あのメーティスバカかよ!?」
メイジ「しゃあしいなー、こっちに攻撃飛んじ来たらどげえするんや?」
アステミ「だってこれ見ろよ、ほら!」
メイジ「なんちゃ~?」
[明朝体][漢字]精霊苗圃[/漢字][ふりがな]スピリット・ナーセリー[/ふりがな]
を破壊する。[/明朝体]
メイジ「…はあ!?」
[明朝体]今の地球には必要ないので、あれは木っ端微塵に砕いてしまおう。
そのあと、あらたに星を作り直せばいい。[/明朝体]
メイジ「…あいつ頭おかしいたあ思うちょったけどこげえまでたあ…」
アステミ「つーか、新しく星作るってなんだよ!?[太字]そんな力、今の神々にはねえぞ[/太字]?!」
「あの…アステミ様、メイジ様…」
アステミ「ん?どーした[太字]オルト[/太字]」
オルト「メーティス様は、たぶん…」