もとき「…ごめんね、ひろくん……僕のせい…だよね……？」
ホントにごめんね……全部全部僕のせい…だよね……
ホントにごめんなさい。こんなつもりじゃなかったの……

…邪魔者が居るから、僕はこうなった。
ひろくんはこうなった。僕達の愛のお城を邪魔する奴が居るから、こうなったんだよね？
なら、排除すればいいじゃん。そんなの誰だってできるじゃん。
罪は、逃げれば償わなくて済む。
そうだよ、殺して奪って騙して、逃げ切ればいいんだ。

【戦慄の純愛サイコホラー】彼の恋は、甘くて痛い。
第22話　純愛

ひろとの体の上に、温盛のこもった、布団を被せた。
ひろとはぐったりと目を瞑り、相当疲労が蓄積している状態だ。
もとき「…ごめんなさい……」



黒いパーカーを着て、フードを被り、自転車に乗る。
もとき「…邪魔な奴は、何してもいいよね。ひろくんと、僕の愛しいハッピーシュガーライフの為にも。」
もときは、自分の愛の為なら何をしても許されると本気で思い込んでいる為、彼の行動が大暴動に行ってしまうこともある。
多大な事件、大規模な火災や殺人など、もときは常に容赦ないのだ。
もときはマンションの駐車場に置かれていた自身の自転車に乗り、その場を後にした。
家にひろとを置いて、マンションの駐車場から出ていった。



ひろと「…もっくん……？」
寝室に寝かされていたひろとは、20分後に目が覚めた。
頭の頭痛や眩みはまだ消えていないが、もときの適切な配慮のお陰で何とか回復したのである。
ひろと「…ど、こ……？もっくん…？もっくん……っ」
家中を見渡してもいくら探し回っても、もときが現れることは無かった。
ひろと「どこにいるの…⁉」


ひろとは、自分の力で家の玄関を開け、靴下のまま外に出た。

『外の世界は危ないよ』―――――……

もときが言っていた言葉を一瞬だけ思い出したが、ひろとは無視して外の世界へと出ていった。
ひろと「もっくん―――！どこにいるの！はやくでてきて…！」