ああ、ここは僕とひろくんの愛のお城だ。
そして、この甘すぎる不思議な気持ちは、愛の瓶の中に詰められている。
誰にも邪魔されないお城を作ろう、2人で。
大丈夫。2人なら何処へだって行けるよ。

【戦慄の純愛サイコホラー】彼の恋は、甘くて痛い。
第14話　愛のお城と愛の瓶

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人々は歪んでいる。人々は狂っている。
それって、そいつらに僕もカウントされるの？
僕ね、愛の為ならどんなことをしても許される、って本気で思ってるんだ。
それって、歪んでるの？狂ってるの？
違う、歪んでなんかない、狂ってなんかない。
だって、僕はただひろくんの為に頑張ってるだけなんだもん。
僕は偽りの愛など持って無い。本当の愛しか持って無い。
だから―――――僕は善人だし、何の罪も犯してない。
……ってことでしょう？
もとき「…ひろくん……おきて……」
ひろと「もう起きてるよ～！」
もとき「うわっ！」
そして、ひろとは布団からギュッともときに抱き着いた。
ひろと「………もっくん、寝れてなかったの？」
もとき「えっ？どうして？」
ひろと「ずーっとウトウトして、眠そうにしてるんだもん……寝れてないでしょ！」
……ああ、そうだ。そういえば、定番の悪夢をみてたな。
歪んだ愛の持ち主であるあいつに、ひたすら愛を教え込まれて植え付けられる夢……
なんてリアルな悪夢なんだろう。
もう嫌だ。僕は、ひろくんと一緒に居られる素敵な夢をみていたいの。
もとき「…ううん、全然そんなこと無いよ？それより、朝ご飯作らないとね……ごめんね……」
ひろと「は～い！」




もとき「はい。今日はね、卵焼きにしてみたの！」
ひろと「いただきま～す！」
モグモグ……
ひろと「ん～！ふんわりしてて美味しい！」
もとき「そ。良かった。」
ひろと「もっくんの卵焼きが世界で一番美味し～！」
……ああ、なんて幸せなんだろう。
何、何、この感情は。幸せすぎてとろけちゃいそう。
甘い。甘い。甘い。甘い。甘すぎる…！
いつもの苦い日々とは違って、なんなの？この感情は…！
ああ、ひろくんと一緒に居ると、こんなにも甘い気持ちになるなんて…！


……この想いを守る為なら、どんなことだってする。
騙しても犯しても奪っても殺しても……どんな手を使ってでも、この想いを守りたい。


…徹底的に排除しなきゃね……邪魔者なんて僕達に必要ないんだから。