二次創作
シャルシラの初夜 完結編
その翌日。
朝からシラノは図書室の隅で一人、読書に没頭していた。
気づけば昼時ということもあり、食事に行くサーヴァントが多いのか図書室内の人数は少なかった。
(昨日のようにまたシャルルマーニュと会うのもアレだしな…)
一度彼のことを考えるとページを捲っても本の内容が頭に入らなくなってしまった。一人、頭を抱える。
(彼は俺のことをどう思ってるんだ…)
考えれば考えるほど頭痛がしてきた。仕方がないから読んでいた本を本棚に戻し、ピークを過ぎたであろう食堂に寄る。シャルルマーニュが居たらもう少し時間をおいた後に行けばいいだけだ。
「あ…」
「あ、シラノ。…っておい!」
丁度図書室から廊下に出た時、仲間と共に歩いていたシャルルマーニュと偶然鉢合わせてしまった。
状況を把握する前に体はその場から逃走することを選んだ。逃げてから、自分の行いを後悔した。
「おーい、シラノー!」
遠くから微かに彼の声が聞こえる。カルデアにいるサーヴァントでも滅多に来ない倉庫区画。自分自身が影であることを利用し、棚と棚の間の暗いところに身を寄せた。
倉庫の入口の前で足跡が止まったかと思うと扉が開き真っ暗だった倉庫内に光が灯された。
「シラノ、居るんだろ?」
明るくなった室内で隠れられるはずもなかった。
「どうしてここだってわかったんだ…」
「うーん…勘だな!隠れるなら暗いところだろうとは思ったけど」
体育座りをしたままの俺の目の前にシャルルマーニュが座り込み、無い顔を覗き込む。
「なあシラノ、俺のこと避けてるのか?」
「い、いや、そんなことは…」
「俺と会った瞬間逃げたのに?」
「…それは、」
「俺も別にあんたをいじめたいわけでも追い詰めたいわけでもないんだ」
伏せていた顔を上げると思いの外距離が近くて不意に心拍数が上がっていくのを感じる。
「アンタのこと、ちゃんと分かってやれるようになりたいんだよ」
「シャルルマーニュっ!」
お互いの呼吸が顔にかかってしまいそうなほど近かった二人の距離をシャルルマーニュの肩を強く押すことで無理やり取った。
「俺は…俺は…」
「…シラノ」
影の中から手探りで俺の両手を自らの両手で優しく包んだ彼は、子供に言い聞かせるような声色で俺に語りかけた。
「教えてくれ、シラノのこと」
泣きたくなるほど優しく声だった。
朝からシラノは図書室の隅で一人、読書に没頭していた。
気づけば昼時ということもあり、食事に行くサーヴァントが多いのか図書室内の人数は少なかった。
(昨日のようにまたシャルルマーニュと会うのもアレだしな…)
一度彼のことを考えるとページを捲っても本の内容が頭に入らなくなってしまった。一人、頭を抱える。
(彼は俺のことをどう思ってるんだ…)
考えれば考えるほど頭痛がしてきた。仕方がないから読んでいた本を本棚に戻し、ピークを過ぎたであろう食堂に寄る。シャルルマーニュが居たらもう少し時間をおいた後に行けばいいだけだ。
「あ…」
「あ、シラノ。…っておい!」
丁度図書室から廊下に出た時、仲間と共に歩いていたシャルルマーニュと偶然鉢合わせてしまった。
状況を把握する前に体はその場から逃走することを選んだ。逃げてから、自分の行いを後悔した。
「おーい、シラノー!」
遠くから微かに彼の声が聞こえる。カルデアにいるサーヴァントでも滅多に来ない倉庫区画。自分自身が影であることを利用し、棚と棚の間の暗いところに身を寄せた。
倉庫の入口の前で足跡が止まったかと思うと扉が開き真っ暗だった倉庫内に光が灯された。
「シラノ、居るんだろ?」
明るくなった室内で隠れられるはずもなかった。
「どうしてここだってわかったんだ…」
「うーん…勘だな!隠れるなら暗いところだろうとは思ったけど」
体育座りをしたままの俺の目の前にシャルルマーニュが座り込み、無い顔を覗き込む。
「なあシラノ、俺のこと避けてるのか?」
「い、いや、そんなことは…」
「俺と会った瞬間逃げたのに?」
「…それは、」
「俺も別にあんたをいじめたいわけでも追い詰めたいわけでもないんだ」
伏せていた顔を上げると思いの外距離が近くて不意に心拍数が上がっていくのを感じる。
「アンタのこと、ちゃんと分かってやれるようになりたいんだよ」
「シャルルマーニュっ!」
お互いの呼吸が顔にかかってしまいそうなほど近かった二人の距離をシャルルマーニュの肩を強く押すことで無理やり取った。
「俺は…俺は…」
「…シラノ」
影の中から手探りで俺の両手を自らの両手で優しく包んだ彼は、子供に言い聞かせるような声色で俺に語りかけた。
「教えてくれ、シラノのこと」
泣きたくなるほど優しく声だった。
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