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史実を参考にしていますが、フィクションです。

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最後の雷鳴

#3

護国の翼をハタメカセ

寝台(ベット)の中で、寝付こうとしても中々寝付けない。何故か、ここは戦場になるのではないかという恐怖に駆られているのだ。砲撃が飛んでくる音が度々聞こえてくる。戦後処理で余剰になった砲弾を処理しているのではないかとも思うが、希望的観測に過ぎないのもこれまた事実だ。
「はぁ・・・・」
上半身だけゆっくりと上げて、反対側の壁に掛けられた時計を小さな窓から入ってくる、半月の月明かりを頼りに見た。寝台についていると、時間が早く進むように感じる。もう、十二時丁度か。一九四五年八月十七日が十八日に変わる。その瞬間だった。
『[斜体]ドォォン!![/斜体]』『[斜体]ダカカカ!![/斜体]』
何かの砲撃音と共に発砲音が島に響いた。応戦いているようで、撃ったら、別の場所から発砲音が聞えくる。この音の源は・・・・北側・・・。この島は、北に向かって楕円形の形状をしているのが、その中央にそびえる四嶺山(山とは名ばかりの丘だが・・・。)より先、この島で唯一の浜である竹田浜の方だ。浜は、上陸にとても適した地形だから、守備隊が配属されているので、そこが交戦しているのだろう。だが、どこの軍隊だ?アメ公か・・・露助か・・・。そんなことを考えながら宿舎から飛び出して、飛行場に向かった。すると、皆飛び起きて何かをしている。久坂中尉に聞くと、夜明けと共に発進らしい。夜明けは、三時半ごろ。只今腕時計では、十二時五十二分。空は、まだ暗い。だが、四嶺山の奥の空は昼の様明るいのだ。戦闘の激しさが伺えるな。どれだけ来てんだよ・・・。そう思いながら、愛機の九七式艦上攻撃機の機種に搭載されている栄一一型の保守点検を急いで、じっくりとした。毎日、飛ばす必要が無いほど暇で、整備しかしてなかったのがここで吉とでたようで、なにも不調は無し。ふと辺りを見ると、整備兵が、爆弾、燃料の搭載の為に爆弾を乗せた台車やドラム缶を必死に飛行場に並べられた飛行機に運んでいる。皆、必死なんだな・・・。
「おい、ボサっとすんな。発動機の保守点検終わったか?」
久坂中尉か・・・機体の中にいるから上から聞こえたので驚いた。
「だーかーらー終わったか?俺は終わったぞ。」
「終わりました!!不調はありません!!」
「それならいい。爆弾の取り付け手伝うぞ。」
爆弾は、対艦攻撃用の八百キロ爆弾か。昔の同僚が所属してた急降下爆撃機隊の九九式急降下爆撃機の搭載してた爆弾が二百五十キロだから、結構な高威力だな。でも、対艦攻撃なら魚雷がよかったな。実弾の魚雷は一発も撃ったことが無いからな・・。水雷屋目指してこうなったのに、金輪際の、戦争が終わった後の戦いでも魚雷は無しか。笑えないねぇ・・・・・。東の空が少し明るくなり、全機に積み込みが終わると騒がしさと入れ替わるように発動機の音が響いていた。俺達も、コクピットに入って、最終確認を行う。
「発動機出力良し。昇降舵・・・・良し。」
「機銃も良し。」
次々に飛行場から航空機が飛び出していく。こうして、これが最後と噛みしめて護国の翼をはためかせたのである。

作者メッセージ

ご愛読ありがとうございます!
占守島の戦いを扱った作品で、残留航空隊の奮闘を描くものが少なくて少し泣いたかも・・・。

2025/04/03 23:28

一般人なのかも― ID:≫ 04ctccTmJOpiQ
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