ここは、高い壁に覆われ、誰も外に出ることも、外を見ることも、許されない町。そして、この惑星には、この町以外存在しない。
この町の住民の1人が、高い壁を乗り越えようとしているところを見つかり、捕まった。これが初めてではない。今まで、数えきれない人々が乗り越えようとしたのである。しかし、全員捕まった。なぜなら、壁の上には、防犯システムが設置されているのだ。だが、この町に住む人々は、みな、この壁の向こう側は、どうなっているのか知りたがっている。しかし、この町にとっては違法なので、越えようとする人は、最悪の場合、刑務所行きどころじゃ済まないのだ。
「私、地下室に行ってくる!」そう、心乃葉はお母さんに言い、地下室に行った。なぜ、私は地下室に行っているかと言うと、友達のゆうきくんと一緒にあの壁を乗り越えようと計画を練っているのだ。しかし、前にお母さんに見つかり、すごーく怒られたので、地下室の壁そっくりのシートの裏で、小さな声で話し合っているのだ。お母さんには、「めっちゃ難しい問題集をゆうきくんと一緒にしているから、邪魔をしないでね。」と言ってあるが、バレるのも時間との勝負だろう。だから、私とゆうきくんは、急いで計画を練っている途中なのである。