二次創作
njsj 短編 【リク受付開始】
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7黛灰 💻️💙 約1420文字
「俺、ハッカーなんだよね」
才能を悪用する黛灰の話。
・・・
ピーンポーン。
午後5時に必ず私の家の
インターホンは鳴る。
そして、ドアの前で待っている
この男は黛灰といって
毎日プリントを届けに来てくれる人。
最初は確かにそれだけだった。
『...あ』
違和感を感じたのは
今から約一ヶ月前のこと。
普段滅多に通知が来ない
メッセージツール、LINEから
新着メッセが届いた。
どうせ公式LINEでしょ、とは
思いつつも友達だったら
うれしいな、なんて期待しつつ
緑のアイコンをタップすると
mayuzumi_x:どーも。黛です
なんて、追加した覚えのない
黛くんからの
通知が飛び込んでくる。
少し不思議に思い
眉をひそめてみるけど
それは必要ない。
おそらくクラスラインから
追加してくれたのだろう。
これを何とも思わなかった私は
よろしく、とスタンプを添え
気兼ねなく返信した。
・・・
午後5時。
いつものように黛くんが
プリントを届けに来た。
『黛くん今日もありがとう......って』
あれ?と首をかしげたのは
彼の手に何もなかったから。
『どうしたの?』
「俺って意外と欲で構成された人間なのかもしれない」
『..え?何の話?』
黛くんは表情があまりない。
彼の感情は基本読み取れないし
読み取るほうがバカだと思ってる。
冗談もよく言うお調子者で
何が嘘で本当か分からない。
だから、彼が何を言っているのか
本当に何一つで。
「俺、ハッカーなんだよね」
『はぇ?』
続けてそう言われて
あんぐり口を開けると
くすくす笑う黛くん。
どういうことだろうか。
おかしそうにする彼を見る限り
いつもの冗談だったり?
でもそんな気はしない。
何か別の感覚がする。
「スマホ見てみなよ」
そんな不思議さを解明したくて
言われるがままポケットのスマホを
手に取ると黛くんはその隙をついて
トン、と私の肩を押した。
玄関に押し込まれると同時に
ガチャリ、と鍵が閉まる音がする。
『..へ?なんで?部屋、入ってくの?』
「森川さんは今日から俺と暮らすんだよ」
『ホントに、何、言って...』
「金銭面では困らせないし家事もする」
「一応俺自身、顔が整ってるついでに身長もあるけど」
「それでも不満?」
『待って、そういう話じゃ』
なかなかYESと言わない私に
気を損ねたのか
無理やり部屋に入ってきた。
やめて、と言おうにも
いつの間にか掴まれていた
腕のせいで行動を制限されている。
誰か、と助けを切願するも
家に来てくれるような
間柄の人なんていない。
簡単に言えば、詰みだ。
「そうそう。俺しか出入りできないようにしたから」
「森川さん一人じゃ外に出れないよ」
まずい。そう理解してすぐ、
片手に持っていたスマホで
警察に通報しようと試みた。
『..ぁ、あれ?連絡、できない』
警察どころか家族の連絡先まで、
名前の表示はあるのに
何度かけ直しても繋がらない。
その瞬間、思い出した。
”「俺、ハッカーなんだよね」”
すうっと体から体温が
抜けていくように感じる。
寒くもないのに
小刻みに体が震えて、それで。
『あ、これ、って黛くんが』
「ハッカーって言ったでしょ」
どんどん後ずさる私を
彼は目を細めて
嬉しそうに閉じ込めた。
「森川さんは俺がいればいいもんね。」
優しく抱きしめられながらの
NOを言わせない狂気じみた瞳が
私の頭をこくりと頷かせる。
「ちゃんと申し訳ないとは思ってるから」
「それでも、ごめんね」
「多分俺、欲抑えきれない」
黛くんは、私を強く抱きしめて笑った。
7黛灰 💻️💙 約1420文字
「俺、ハッカーなんだよね」
才能を悪用する黛灰の話。
・・・
ピーンポーン。
午後5時に必ず私の家の
インターホンは鳴る。
そして、ドアの前で待っている
この男は黛灰といって
毎日プリントを届けに来てくれる人。
最初は確かにそれだけだった。
『...あ』
違和感を感じたのは
今から約一ヶ月前のこと。
普段滅多に通知が来ない
メッセージツール、LINEから
新着メッセが届いた。
どうせ公式LINEでしょ、とは
思いつつも友達だったら
うれしいな、なんて期待しつつ
緑のアイコンをタップすると
mayuzumi_x:どーも。黛です
なんて、追加した覚えのない
黛くんからの
通知が飛び込んでくる。
少し不思議に思い
眉をひそめてみるけど
それは必要ない。
おそらくクラスラインから
追加してくれたのだろう。
これを何とも思わなかった私は
よろしく、とスタンプを添え
気兼ねなく返信した。
・・・
午後5時。
いつものように黛くんが
プリントを届けに来た。
『黛くん今日もありがとう......って』
あれ?と首をかしげたのは
彼の手に何もなかったから。
『どうしたの?』
「俺って意外と欲で構成された人間なのかもしれない」
『..え?何の話?』
黛くんは表情があまりない。
彼の感情は基本読み取れないし
読み取るほうがバカだと思ってる。
冗談もよく言うお調子者で
何が嘘で本当か分からない。
だから、彼が何を言っているのか
本当に何一つで。
「俺、ハッカーなんだよね」
『はぇ?』
続けてそう言われて
あんぐり口を開けると
くすくす笑う黛くん。
どういうことだろうか。
おかしそうにする彼を見る限り
いつもの冗談だったり?
でもそんな気はしない。
何か別の感覚がする。
「スマホ見てみなよ」
そんな不思議さを解明したくて
言われるがままポケットのスマホを
手に取ると黛くんはその隙をついて
トン、と私の肩を押した。
玄関に押し込まれると同時に
ガチャリ、と鍵が閉まる音がする。
『..へ?なんで?部屋、入ってくの?』
「森川さんは今日から俺と暮らすんだよ」
『ホントに、何、言って...』
「金銭面では困らせないし家事もする」
「一応俺自身、顔が整ってるついでに身長もあるけど」
「それでも不満?」
『待って、そういう話じゃ』
なかなかYESと言わない私に
気を損ねたのか
無理やり部屋に入ってきた。
やめて、と言おうにも
いつの間にか掴まれていた
腕のせいで行動を制限されている。
誰か、と助けを切願するも
家に来てくれるような
間柄の人なんていない。
簡単に言えば、詰みだ。
「そうそう。俺しか出入りできないようにしたから」
「森川さん一人じゃ外に出れないよ」
まずい。そう理解してすぐ、
片手に持っていたスマホで
警察に通報しようと試みた。
『..ぁ、あれ?連絡、できない』
警察どころか家族の連絡先まで、
名前の表示はあるのに
何度かけ直しても繋がらない。
その瞬間、思い出した。
”「俺、ハッカーなんだよね」”
すうっと体から体温が
抜けていくように感じる。
寒くもないのに
小刻みに体が震えて、それで。
『あ、これ、って黛くんが』
「ハッカーって言ったでしょ」
どんどん後ずさる私を
彼は目を細めて
嬉しそうに閉じ込めた。
「森川さんは俺がいればいいもんね。」
優しく抱きしめられながらの
NOを言わせない狂気じみた瞳が
私の頭をこくりと頷かせる。
「ちゃんと申し訳ないとは思ってるから」
「それでも、ごめんね」
「多分俺、欲抑えきれない」
黛くんは、私を強く抱きしめて笑った。