二次創作
njsj 短編 【リク受付開始】
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6緋八マナ 🐝🤣 約960文字
「全部が遅すぎた」
初恋をしまい込む緋八マナの話。
・・・
テツの好きな人を好きになった。
ついさっき追加された好きな人の
連絡先を見つめて、それから電源を落とす。
「....初恋がこんなんって、終わっとるわ」
好きな人の顔を思い浮かべては
必ずテツの緊張した顔がよぎる。
まだ眠る予定のない23時を睨みつけて
冷房の効いた部屋のベッドでうなだれた。
あの頃は、おかしなるくらい
緊張するテツがおもろくて。
ただそんだけやったはずで。
ほんまに、嘘やない。
好きになるなんて思いもせんかった。
「あんな優しいテツにこんなん、言えんし」
俺の気持ちを言ってしまえば
テツはきっと身を引く。
やって、あいつは優しすぎるから
自分の気持ちを押し殺してでも
ぎこちない笑顔で背中を押してくれる。
これが間違いないって、
そんなに信頼できるいい奴の初恋を
俺なんかが終わらせていいわけない。
でもだからって息苦しさはなくならず
寝方も分からないまま眠りについた。
・・・
「あマナくんおはよ!」
「おぁ、テツやんおはよ〜!」
好きだと自覚してから
テツとうまく喋れない。
変に流れる汗が気持ち悪くて
はよリト来い、なんて
最低なことを考える。
「実はマナくんに見せたいものがあって...」
思い出したように声を上げ
キラ、とわずかに光を反射する
イルカのキーホルダーが
テツの学生カバンで揺れる。
最低な俺への天罰は
思いの外すぐ下ったらしい。
「ジャーン!水族館で●●ちゃんとお揃いのイルカ買いました〜!」
イエーイ、と電車内だからか
少しボリュームを落としつつ
顔をほころばせるテツ。
反して電車の窓に映る俺は
ひどく下手くそな笑顔を浮かべていた。
「...それって佐藤さんと2人で行ったってことやんな?成長したやん〜!」
感情を悟られないよう、
ごく自然に顔を隠すべく
首あたりで肩を組む。
照れくさそうにするテツが
再度口を開いた。
「わ、ちょマナくん待ってもう一つ報告があるんだって!」
聞きたない、十分やって、なんて
弱い俺はその先の言葉を拒絶する。
「なんや言うてみ!」
肩を組んだまま顔を寄せると
さらに照れくさそうにしたテツは、
顔だけにとどまらず
耳と首まで真っ赤にして。
「その、水族館で告白してくれたんだよね...」
「俺そろそろ死ぬのかな?」
あまりに容易く、俺の恋を終わらせた。
6緋八マナ 🐝🤣 約960文字
「全部が遅すぎた」
初恋をしまい込む緋八マナの話。
・・・
テツの好きな人を好きになった。
ついさっき追加された好きな人の
連絡先を見つめて、それから電源を落とす。
「....初恋がこんなんって、終わっとるわ」
好きな人の顔を思い浮かべては
必ずテツの緊張した顔がよぎる。
まだ眠る予定のない23時を睨みつけて
冷房の効いた部屋のベッドでうなだれた。
あの頃は、おかしなるくらい
緊張するテツがおもろくて。
ただそんだけやったはずで。
ほんまに、嘘やない。
好きになるなんて思いもせんかった。
「あんな優しいテツにこんなん、言えんし」
俺の気持ちを言ってしまえば
テツはきっと身を引く。
やって、あいつは優しすぎるから
自分の気持ちを押し殺してでも
ぎこちない笑顔で背中を押してくれる。
これが間違いないって、
そんなに信頼できるいい奴の初恋を
俺なんかが終わらせていいわけない。
でもだからって息苦しさはなくならず
寝方も分からないまま眠りについた。
・・・
「あマナくんおはよ!」
「おぁ、テツやんおはよ〜!」
好きだと自覚してから
テツとうまく喋れない。
変に流れる汗が気持ち悪くて
はよリト来い、なんて
最低なことを考える。
「実はマナくんに見せたいものがあって...」
思い出したように声を上げ
キラ、とわずかに光を反射する
イルカのキーホルダーが
テツの学生カバンで揺れる。
最低な俺への天罰は
思いの外すぐ下ったらしい。
「ジャーン!水族館で●●ちゃんとお揃いのイルカ買いました〜!」
イエーイ、と電車内だからか
少しボリュームを落としつつ
顔をほころばせるテツ。
反して電車の窓に映る俺は
ひどく下手くそな笑顔を浮かべていた。
「...それって佐藤さんと2人で行ったってことやんな?成長したやん〜!」
感情を悟られないよう、
ごく自然に顔を隠すべく
首あたりで肩を組む。
照れくさそうにするテツが
再度口を開いた。
「わ、ちょマナくん待ってもう一つ報告があるんだって!」
聞きたない、十分やって、なんて
弱い俺はその先の言葉を拒絶する。
「なんや言うてみ!」
肩を組んだまま顔を寄せると
さらに照れくさそうにしたテツは、
顔だけにとどまらず
耳と首まで真っ赤にして。
「その、水族館で告白してくれたんだよね...」
「俺そろそろ死ぬのかな?」
あまりに容易く、俺の恋を終わらせた。