二次創作
njsj 短編 【リク受付開始】
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3叶 🔫
「言いなりになってよ」
歪んだ感情をぶつける叶の話。
・・・
パシャ、とシャッター音が
人気のない教室に響いた。
「あ〜あ、やっちゃったね」
後ろからの声に振り向くと
そこにはスマホ片手に貼り付けたような
笑みを浮かべる叶くんがいた。
その表情に思わずあとずさるも
震えた足じゃうまく逃げられなくて
そのまま腰が抜けた。
違う、違う、と弁明したくたって
口から声にもならない嗚咽が滲んで
言葉が伝えられない。
叶くんが近付いてくるたびに
どんどん息は上がっていって
心臓が張り裂けそうになって。
そして、過呼吸に陥った瞬間
愛でるように私の頬に手を添えつつ
彼は甘ったるく囁いた。
「僕、●●さんのためなら何でもするよ」
・・・
呆然と座り込む私の横で
淡々と死体を片付けていく叶くん。
手に握っていたナイフも没収され
これは僕が証拠隠滅しとくから、と
白いハンカチを赤く染めて
念入りに血の付着した部分を拭う。
まるで、一連の出来事を
知っていたかのように
口元の弧は描かれたまま。
『...?』
しばらく何もせず目を逸らしていると
コロンと手のひらに転がる小さな機器。
何これ、と聞くより先に
気味悪く感じる笑顔で
優しく答えを教えてくれた。
「僕との共用GPSだよ。もし何かあったらここ押して」
「●●さんを傷付けられるわけにはいかないからさ」
一瞬言い詰まって、叶くんを見る。
雰囲気で分かる、絶対に拒絶できない。
『....うん、分かった』
違う、何も分かってないのに。
だって、叶くんは慕われる生徒会長で
いち生徒の罪を隠蔽するほど馬鹿じゃない。
生徒会挨拶で教壇に立つ叶くんは
こんなに気味悪くなくて
それこそ柔らかな笑顔を浮かべる人なはずで。
なら、この人は?
「黙っててあげるから、僕の言いなりになってよ」
いいな、と思って憧れていた叶くん。
今初めて、本気で彼に恐怖した。
・・・
ここまで全てが上手くいった。
●●さんはもう僕に逆らえない。
たとえ彼女が人を殺めていなくたって
そんなことはどうだっていいし心底興味ない。
「...こんなチャンス、二度とない」
どんな時でも、僕への気持ちを抱いて欲しい。
それが恐怖でも嫌悪でも憎悪でも、
●●さんが僕のことを
考えてくれていると思うだけで十分
満たされた気持ちになれるから。
いつかその感情が、好意になるのを待つだけだから。
3叶 🔫
「言いなりになってよ」
歪んだ感情をぶつける叶の話。
・・・
パシャ、とシャッター音が
人気のない教室に響いた。
「あ〜あ、やっちゃったね」
後ろからの声に振り向くと
そこにはスマホ片手に貼り付けたような
笑みを浮かべる叶くんがいた。
その表情に思わずあとずさるも
震えた足じゃうまく逃げられなくて
そのまま腰が抜けた。
違う、違う、と弁明したくたって
口から声にもならない嗚咽が滲んで
言葉が伝えられない。
叶くんが近付いてくるたびに
どんどん息は上がっていって
心臓が張り裂けそうになって。
そして、過呼吸に陥った瞬間
愛でるように私の頬に手を添えつつ
彼は甘ったるく囁いた。
「僕、●●さんのためなら何でもするよ」
・・・
呆然と座り込む私の横で
淡々と死体を片付けていく叶くん。
手に握っていたナイフも没収され
これは僕が証拠隠滅しとくから、と
白いハンカチを赤く染めて
念入りに血の付着した部分を拭う。
まるで、一連の出来事を
知っていたかのように
口元の弧は描かれたまま。
『...?』
しばらく何もせず目を逸らしていると
コロンと手のひらに転がる小さな機器。
何これ、と聞くより先に
気味悪く感じる笑顔で
優しく答えを教えてくれた。
「僕との共用GPSだよ。もし何かあったらここ押して」
「●●さんを傷付けられるわけにはいかないからさ」
一瞬言い詰まって、叶くんを見る。
雰囲気で分かる、絶対に拒絶できない。
『....うん、分かった』
違う、何も分かってないのに。
だって、叶くんは慕われる生徒会長で
いち生徒の罪を隠蔽するほど馬鹿じゃない。
生徒会挨拶で教壇に立つ叶くんは
こんなに気味悪くなくて
それこそ柔らかな笑顔を浮かべる人なはずで。
なら、この人は?
「黙っててあげるから、僕の言いなりになってよ」
いいな、と思って憧れていた叶くん。
今初めて、本気で彼に恐怖した。
・・・
ここまで全てが上手くいった。
●●さんはもう僕に逆らえない。
たとえ彼女が人を殺めていなくたって
そんなことはどうだっていいし心底興味ない。
「...こんなチャンス、二度とない」
どんな時でも、僕への気持ちを抱いて欲しい。
それが恐怖でも嫌悪でも憎悪でも、
●●さんが僕のことを
考えてくれていると思うだけで十分
満たされた気持ちになれるから。
いつかその感情が、好意になるのを待つだけだから。