二次創作
njsj 短編 【リク受付開始】
8三枝明那 🌶️ 約1060文字
「俺、幸せだよ」
何でもない日を特別にする三枝明那の話。
私の不穏短編知ってる方は
おそらく見たことあるお話。
・・・
空を飛んでみたい。
眩しいくらい太陽が輝いているときとか
大きな雲が居座っているときとか
隣に、”大切な人”がいるときとか。
そんな恵まれた時間に宙を舞って
空を飛んだ気になりたい。
『...心中?』
答えを導かせたくて
なんとなく呟いてみた言葉に
なんともしっくりきた。
そろそろ大学受験始まるし
飛ぶなら今からでもいい。
今死んだところで後悔なんてない。
そう思うと、体から力が
抜けていくのが分かった。
『...明那、とっておきの提案があるんだけど』
「俺は嫌だよ」
つぶやきが聞こえていたのか
名前を呼ぶと拒絶される。
最期は彼とが良かったけれど仕方ない。
わざと口をとがらせ
そっか残念、と呟き
立ち去ろうとした瞬間。
強く腕を引かれて、
痛みに顔を歪めながらも
引き止めてくれたことに驚いた。
「あ、痛かったよねごめん!」
「...それでえーっと、その、別に心中自体は嫌じゃない、んやけどね」
「俺がいい、って、言ってほしいなぁ、とか」
よほど恥ずかしく言いづらいのか、
早口気味になっていくにつれて
くぐもって、小さくなっていく声。
強く掴まれた腕は開放されて
いつもなら合わせてくれる目が
不安げに伏せられている。
『明那』
俯きがちな頬を両手で持ち上げると
明那の目に映る私を見つめて
馬鹿みたいに笑って言ってやった。
『世界でいちばん大切な明那と空飛べたら、幸せでしょ』
満足して鼻を鳴らすと
何が変だったのか、
明那は唇を噛み締める。
そして、それはもう素敵な笑顔で
「...いいよ、●●となら飛んであげる。」
頬にあてがった手に
明那の手が優しく重ねられた。
・・・
許可無く屋上の鍵を持ち出して
手を繋いだまま階段を駆け上がる。
真夏の日差しが照りつける屋上は
嫌になるくらい暑くて、でも
そんなことどうだってよかった。
蝉の声をどこかで聞き流しつつ
やたら高いフェンスに足をかけて呟く。
『明那、私ね』
『大好き』
世界一、と付け足して
空へ明那を引き寄せた。
背中から落ちていって
目の前には同じく
落ちていく最愛の人。
「俺もだよ」
地面に近付いていくあいだ
2人で空を飛んでいる気がして、
2人以外世界にいないみたいで。
『明日、怒られないといいね』
「●●となら怒られても良いよ」
『ずっと一緒にいれるかな』
「何があっても一緒だよ」
『手、離したらだめだよ』
「...ねえ、●●」
「俺、幸せだよ」
夢から現実に突き落とされる瞬間
『私も、信じらんないくらい幸せ』
人生をささげた君に、
最期の口付けを落とした。
「俺、幸せだよ」
何でもない日を特別にする三枝明那の話。
私の不穏短編知ってる方は
おそらく見たことあるお話。
・・・
空を飛んでみたい。
眩しいくらい太陽が輝いているときとか
大きな雲が居座っているときとか
隣に、”大切な人”がいるときとか。
そんな恵まれた時間に宙を舞って
空を飛んだ気になりたい。
『...心中?』
答えを導かせたくて
なんとなく呟いてみた言葉に
なんともしっくりきた。
そろそろ大学受験始まるし
飛ぶなら今からでもいい。
今死んだところで後悔なんてない。
そう思うと、体から力が
抜けていくのが分かった。
『...明那、とっておきの提案があるんだけど』
「俺は嫌だよ」
つぶやきが聞こえていたのか
名前を呼ぶと拒絶される。
最期は彼とが良かったけれど仕方ない。
わざと口をとがらせ
そっか残念、と呟き
立ち去ろうとした瞬間。
強く腕を引かれて、
痛みに顔を歪めながらも
引き止めてくれたことに驚いた。
「あ、痛かったよねごめん!」
「...それでえーっと、その、別に心中自体は嫌じゃない、んやけどね」
「俺がいい、って、言ってほしいなぁ、とか」
よほど恥ずかしく言いづらいのか、
早口気味になっていくにつれて
くぐもって、小さくなっていく声。
強く掴まれた腕は開放されて
いつもなら合わせてくれる目が
不安げに伏せられている。
『明那』
俯きがちな頬を両手で持ち上げると
明那の目に映る私を見つめて
馬鹿みたいに笑って言ってやった。
『世界でいちばん大切な明那と空飛べたら、幸せでしょ』
満足して鼻を鳴らすと
何が変だったのか、
明那は唇を噛み締める。
そして、それはもう素敵な笑顔で
「...いいよ、●●となら飛んであげる。」
頬にあてがった手に
明那の手が優しく重ねられた。
・・・
許可無く屋上の鍵を持ち出して
手を繋いだまま階段を駆け上がる。
真夏の日差しが照りつける屋上は
嫌になるくらい暑くて、でも
そんなことどうだってよかった。
蝉の声をどこかで聞き流しつつ
やたら高いフェンスに足をかけて呟く。
『明那、私ね』
『大好き』
世界一、と付け足して
空へ明那を引き寄せた。
背中から落ちていって
目の前には同じく
落ちていく最愛の人。
「俺もだよ」
地面に近付いていくあいだ
2人で空を飛んでいる気がして、
2人以外世界にいないみたいで。
『明日、怒られないといいね』
「●●となら怒られても良いよ」
『ずっと一緒にいれるかな』
「何があっても一緒だよ」
『手、離したらだめだよ』
「...ねえ、●●」
「俺、幸せだよ」
夢から現実に突き落とされる瞬間
『私も、信じらんないくらい幸せ』
人生をささげた君に、
最期の口付けを落とした。