スッポン鍋ネタ
#1
ちなみにいうと、コークスと土鍋で焚き上げるスッポンだけのタイプの鍋想定
「いやー美味しかったです、スッポン鍋! ……日本酒で割った生血はちょっとだけ癖が強かったですが」
「お前が酒に苦手意識を持つなんて意外だな。だが、気に入ったならよかった」
警視庁の幹部候補と財閥の跡取りとして互いに忙しくしている中で珍しく二人そろって連休を取れ、朝から晴信の自宅でのんびりしていた所たまたまテレビで特集されていた ” 酒粕と温泉で育てられたスッポン ” を見た景虎が「そういえばスッポンは食べたことがありませんね。どんな味なんでしょう」とぽつりと零したことがきっかけだった。
景虎にとってその一言はただ番組への感想だった。しかし何故か晴信がノリノリになって「よし、なら今から食いに行くか。あの店は行ったことがあってな……味は俺が保証する」と、あれよあれよという間に晴信の真っ赤な愛車に乗せられて特集されていた新潟へと連れていかれたのだった。
「それにしても……言い方は何ですがやはり金持ちは発想が違いますね。まさかその日の内に現地に連れていかれるとは思いませんでしたよ。それにこんな立派な宿まで……」
「どのみち予定は何もなかったんだから、むしろ用事が出来てよかったじゃないか。それに思い立ったが吉日、っていうだろ?」
そういうつもりで言ったわけでは無いのですがねぇ。とぼやきながらも景虎の意識は別のところにあった。
(……何故私のムスコは臨戦態勢になっているのでしょうか……?)
備え付けの浴衣に着替えたのでパッと見では分からないのが幸いだ。しかしこれから宿に戻る前に買い込んだ新潟の地酒を晴信と堪能するつもりだった景虎は落ち着く気配の無いそれを一度処理することにした。
「晴信ー。少しお手洗いに行ってき……」
そこまで言って座椅子から立とうとした景虎の肩を掴んだ晴信は、いつもより少しだけ荒っぽく自分の方に景虎を引き寄せるとやけに熱い唇を重ねてきた。最初から遠慮なく舌を絡ませてきた晴信は景虎の首に両腕を回すと、そのまま座卓のすぐ隣に引いてあった布団に仰向けに倒れ込んだ。
「……っ、ちょっと、いきなりどうし……にゃっ」
必然的に晴信を組み敷いた格好になった景虎が激しい口づけの合間に晴信へ抗議しようとしたが、彼に股座を膝で軽く押し上げられた刺激に思わず上ずった声を出してしまう。
「……まさかお前がそこまで鈍いとはな」
食事中は食前酒として出された生血しか酒精を口にしていなかった筈の晴信の顔は赤く火照り、目元は熱に浮かされたかのように潤んでいる。あれ、と景虎が思う間もなく晴信は言葉を続けた。
「恋仲の相手に精の付く物を共に食べないかと誘うってことはな、……その次に自分を思う存分食ってくれって言っている事と同義だということをよく覚えておくんだな」
さあ、俺はもう食べごろだぞ? と晴信は艶っぽい笑みを浮かべながら浴衣の帯をゆっくりと解いていく。浴衣の下に隠されていた晴信の少し汗をかいた白い肌と、下着を身につけていない下半身を見せつけられた景虎は、心の中で敗北宣言をするほかなかった。
「お前が酒に苦手意識を持つなんて意外だな。だが、気に入ったならよかった」
警視庁の幹部候補と財閥の跡取りとして互いに忙しくしている中で珍しく二人そろって連休を取れ、朝から晴信の自宅でのんびりしていた所たまたまテレビで特集されていた ” 酒粕と温泉で育てられたスッポン ” を見た景虎が「そういえばスッポンは食べたことがありませんね。どんな味なんでしょう」とぽつりと零したことがきっかけだった。
景虎にとってその一言はただ番組への感想だった。しかし何故か晴信がノリノリになって「よし、なら今から食いに行くか。あの店は行ったことがあってな……味は俺が保証する」と、あれよあれよという間に晴信の真っ赤な愛車に乗せられて特集されていた新潟へと連れていかれたのだった。
「それにしても……言い方は何ですがやはり金持ちは発想が違いますね。まさかその日の内に現地に連れていかれるとは思いませんでしたよ。それにこんな立派な宿まで……」
「どのみち予定は何もなかったんだから、むしろ用事が出来てよかったじゃないか。それに思い立ったが吉日、っていうだろ?」
そういうつもりで言ったわけでは無いのですがねぇ。とぼやきながらも景虎の意識は別のところにあった。
(……何故私のムスコは臨戦態勢になっているのでしょうか……?)
備え付けの浴衣に着替えたのでパッと見では分からないのが幸いだ。しかしこれから宿に戻る前に買い込んだ新潟の地酒を晴信と堪能するつもりだった景虎は落ち着く気配の無いそれを一度処理することにした。
「晴信ー。少しお手洗いに行ってき……」
そこまで言って座椅子から立とうとした景虎の肩を掴んだ晴信は、いつもより少しだけ荒っぽく自分の方に景虎を引き寄せるとやけに熱い唇を重ねてきた。最初から遠慮なく舌を絡ませてきた晴信は景虎の首に両腕を回すと、そのまま座卓のすぐ隣に引いてあった布団に仰向けに倒れ込んだ。
「……っ、ちょっと、いきなりどうし……にゃっ」
必然的に晴信を組み敷いた格好になった景虎が激しい口づけの合間に晴信へ抗議しようとしたが、彼に股座を膝で軽く押し上げられた刺激に思わず上ずった声を出してしまう。
「……まさかお前がそこまで鈍いとはな」
食事中は食前酒として出された生血しか酒精を口にしていなかった筈の晴信の顔は赤く火照り、目元は熱に浮かされたかのように潤んでいる。あれ、と景虎が思う間もなく晴信は言葉を続けた。
「恋仲の相手に精の付く物を共に食べないかと誘うってことはな、……その次に自分を思う存分食ってくれって言っている事と同義だということをよく覚えておくんだな」
さあ、俺はもう食べごろだぞ? と晴信は艶っぽい笑みを浮かべながら浴衣の帯をゆっくりと解いていく。浴衣の下に隠されていた晴信の少し汗をかいた白い肌と、下着を身につけていない下半身を見せつけられた景虎は、心の中で敗北宣言をするほかなかった。
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