二次創作
《 Disc1 》 霧が晴れるまで。
「 わぁ〜 っ ‼︎ 風車だ〜っ ‼︎ 」
ダリ村に入るなり、ビビがはしゃぎながら声を上げた。
※ 村の名前は 『 ダリ村 』と言います。
私も思わずテンションが上がりビビの後を追いかけた。
「 凄い ‼︎ 家がドーム型になってる ‼︎ 可愛い ! 」
「 2人とも、祝屋はこっちだぜ ? 」
私とビビがはしゃぐのを見て保護者の様にジタンが言った。
1番手前のドーム型の建物が宿屋だと知って、私は駆け出した足を止めて戻る。
ダガーと目が合うとクスッと笑われて、私は頬を赤くした。
そんな私の後ろをトボトボと落胆した様にビビが付いて来る。
「 もう寝るの ? ボク、風車を見に行きたいなぁ…。 」
「 気持ちは分かるけど、今は宿に入ろう。 それに今後の事も考えなきゃな。 」
残念そうに呟くビビに、ジタンも眉を下げる。
ビビの気持ちも凄く分かるけど……、確かにそれも大切だよね。
それに、………本当はかなり疲れてる。
特にジタンはずっと戦いっぱなしだ。
多分1番疲れてる。
目の前の物にテンションを上げてしまった事を申し訳なく思いながら、
私は落ち込むビビの手を握り、ジタン達の後を追って宿の中へと足を進めた。
宿に入ると、カウンターに突っ伏してる男の人が目に入る。
ありゃ………、寝てるのかな ?
ジタンがカウンターに突っ伏す人に近付くと、それに気付いたのか顔を上げた。
「 あぁ、こりゃ如何も、すいませ……………。 」
ん………?? 何だか……………こっち見てる ?
驚いてる様だけど……。
困惑していると、ジタンはコッチと男の人を交互に見てからカウンターに肘を掛けた。
「 親父さん、可愛いからって見惚れてもらっちゃ困るなぁ…… ? 」
「 いっ、いえ、お嬢さんでは無くて………。
あ、いやいや部屋は其方になります。 どうぞ どうぞ。 」
「 お姉ちゃん、如何したの ? 」
「 …ん ? あ、何でも無いよ ! 」
ボーッとしてる私を見てビビが心配そうに声を掛けてきたのに私は慌てて頭を横に振った。
そんな中、ダガーが何処か不安そうにジタンに1歩近付き、キョロキョロと周りを見ながら口を開いた。
「 あの、ジタン ? 私の泊まる部屋は何方でしょうか ? 」
「 ん ? 其処だよ。 皆んなで泊まるんだ。 」
ジタンが指したのは、1つの部屋。
ドアの大きさからして、結構な大きさの部屋だと思う。
そんなジタンの答えに、ダガーが目を丸くすると焦り声が上擦った。
「 ジタン、私男性の方と同室は………。 」
「 気持ちは分かるけど、こんな小さな村の宿に個室なんて無いんだ。 さ、入った 入った。 」
ダガーの言う事ももっともだが、こればかりは仕方が無い。
ジタンはあまり会話を長引かせる事もなく、その大きな扉へ入って行った。
「 …………、だ、ダガー…、 大丈夫だよ ‼︎ 最悪、スタイナーさんだっている訳だし ! 」
「 うぅっ、私めがいながら姫様にこの様な場所で寝させてしまうとは…っ ‼︎
かくなる上は、このスタイナー、盗賊めから姫様を必ずお守りします故ご安心くだされ ‼︎ 」
唖然としているダガーに、スタイナーさんと慌ててフォローを入れた。
修学旅行みたいな感じだって思えば良いんだしね。
ダガーは何とか納得してくれた様で一緒に部屋へと入って行った。