二次創作
《 Disc1 》 霧が晴れるまで。
[太字][中央寄せ]【 ●● Side 】[/中央寄せ][/太字]
皆んなと合流して先へ進むと、やっと暖かい風を感じる事が出来た。
ジタンなんてよっぽど寒かったのか明らかに顔を輝かせて、一気に走り出す。
そりゃそっか。
本当に薄着だし……。 ※ ジタンさん… ノースリーブ です。
ジタンが長い尻尾を上げながら一目散に出口へ向かって走り出すのを、
私とビビは顔を見合わせて笑った。
出口を出れば、そこは見晴らしの良い道だった。
暖かい風とまだ見ぬ世界にお姫様もテンションが上がった様で、足取りが早い。
道の尖端部分まで出ると、姫様は眼下に広がる景色に思わず目を輝かせて言った。
「 やっと '' 霧 '' の上に出られましたね ! やっぱり青空の下が1番ですね ! 」
お姫様の言葉に私は頷く。
'' 霧 '' の下に長い間いた事で、太陽が恋しくなったのは皆んなも同じ。
私も姫様の隣に並んで景色を眺めていると、ジタンが小さく声を上げる。
それに釣られて私はジタンに目をやると、その指が指す方向に視線を向けた。
「 おっ、アソコに村があるぜ。 」
「 え、どこどこ ? 」
ジタンの指す方向をジッと見つめれば、確かに小さな村があった。
上から見る限り、穏やかそうな村に見える。
アレクサンドリアも探検出来なかっただけに、新しい目的地に私の胸は高鳴った。
けど………、ジタンはそれとは反対に首を傾げて顎を手に添えていた。
「 な〜んかあの村って、前に見た事ある様な気が………。 」
「 ジタンは色んな所に行った事があるんですね…。
私が知ってる世界は全て書物の中の事ばかりですわ。 」
姫様が少し寂しげに呟いた。
そっか……、お姫様だから……。
ブリ虫騒動にも動じなかったし、姫様にとっては見える物すべてが新鮮で冒険なんだ……。
……そう言う所は私と同じなのかも知れない。
この世界は、私が居た世界と似てる事も多いけれど、似ていない事も多いかも知れない。
複雑な気持ちを抱えていた私の隣で、
好奇心旺盛な姫様は冒険心を押さえられないと言わんばかりに声を弾ませた。
「 ジタンが知っているかも知れませんよ ? 兎に角行ってみましょう。 」
「 オイオイ、ちょっと待てよ ! 」
姫様が先を歩き出したのを見て、ジタンは慌てて引き留めた。
お姫様は素直に足を止めてジタンを振り返る。
彼は呆れた様に溜息を吐いて、腕を組んで言葉を続けた。
「 ガーネットはお姫様なんだぜ ? それってどう言う事か分かってんの ?
今だって追っ手が来てるかも知れないし、姫だって事をバレたら色々と面倒だぜ ? 」
「 貴様、何を言うか ‼︎ 」
ジタンの指摘に黙っていなかったのはスタイナーさん。
ジタンにツカツカと詰め寄ると、そのまま片手で軽く突き飛ばす様にしてジタンを押した。
「 ジタン………ッ ‼︎ 」
ジタンが落ちない様に両手をバタバタと振るっているのを見て、
慌てて私はジタンの腕を掴んだ。
ジタンも流石に驚いたのか私の腕を掴んで、
そのまま崖から落っこちる………、と言う事は防ぐ事が出来たけど……。
それにしてもスタイナーさんは失礼だ。
ジタンが落ちかけた拍子に合わせる様に地面に落ちたダガーを姫様が拾ったのを、
気付かないまま私とジタンはスタイナーさんを睨み付けていた。
ジタンがそっと私の手を離すと、スタイナーさんに向かい構えを取る。
でもスタイナーさんはお構い無しに言葉を続けた。
「 姫様がコソコソする必要など無い ! 我々はすぐ城に戻るのだから関係無いだろう ‼︎
それに貴様のその態度は何だ ? 姫様に対して無礼であろう ‼︎
その呼び方も改めるのだ ‼︎ 」
「 オッサン、 うるせぇよ ‼︎ あんたにゃ関係無いだろ ?
大体、アンタ何様のつもりだ ? 偉そうにしやがって ………。 」
ジタンの言葉が徐々に荒くなってるのに気付いて、私はハッと我に返った。
スタイナーさんと本気で言い争うつもりだ。
雰囲気の悪くなったパーティ内に最初に声を上げたのはビビ。
「 2人ともやめてよーっ ‼︎ 」
「 そ、そうだよ ! こんな所で言い争うなんて良く無い ‼︎ 」
泣きそうなビビの声に、私も2人を止めようと声を上げる。
スタイナーさんとジタンが睨み合い、一触即発 の状態。
このまま殴り合いなんて起きないよね ⁉︎
その時は体を張って止めようと心に決めた瞬間 ──── 。
「 2人ともおやめなさい ‼︎ 」
姫様の一喝が響き、ジタントとスタイナーさんは同時にお姫様に顔を向けた。
おぉ………、鶴の一声ならず姫の一声。
凛としたその声は、覇気があり、2人がお姫様を見ると姫様は溜息を吐いた。
「 …………それからスタイナー、私は城に戻るつもりはありません。
でも確かに 『 ガーネット 』 では何かと不都合がありそうですね………。 」
姫様は自身の身分に対し、考えてるみたいで困ったと片手に頬を当てて悩んでる。
それにしても……、こう言う悩む姿も絵になるんだよね…、ガーネット姫様は…。
同じ女として羨ましい………。
そんな事を考えていると、姫様は手に持っていたダガーに視線を落とし、徐に口を開いた。
「 ─── ……… ところでジタン、これは何と言うのですか ? 」
「 そいつかい ? そいつはダガーって言うんだ。
それくらいの長さの短い刀の事を皆んなダガーって呼んでるんだ。
それよりも長いのをショート ソード、両手持ちの大きな刀をブレード、
ダガーよりも小さいのをナイフ、それから………。 」
「 あ、いや………、よ…、よく分かりました。 コレはダガーと言うのですね………。 」
ジタンの武器に関する蘊蓄が始まったのに、姫様は顔を引き攣らせ思わず途中で遮った。
少し落ち込んだジタンが可哀想で、私は小さく呟いた。
「 えーっと……、私はもっと知りたいなー………。 」
「 ぼ、ボクも聞きたいかなぁ……。 」
「 お、おう ‼︎ それで馬も切れそうなくらい大きな刀が……… ───。 」
「 姫様 ‼︎ 小さくても武具、不用意に扱うと危険ですぞ ‼︎ 」
ジタンの気力の回復に続きを聞こうとし私とビビが気遣う。
思惑通り、ジタンが嬉しそうに話を始めようとしたが、スタイナーさんに邪魔される……。
ジタンが拳を握って『 このオッサン…ッ ‼︎ 』 と睨んでる中苦笑するしかなかった。
そんな中、お姫様が大きく首を縦に振り、ダガーを太陽に掲げて口を開いた。
「 決めました ‼︎ これから私は、 【 [太字]ダガー[/太字] 】 と名乗ります。 ジタン、これで如何かしら ? 」
……え、お姫様が武器の名前 ⁉︎
流石に驚いて私は目を丸くしていると、ジタンも考えても無かったのかパチパチと瞬きを繰り返していた。
でも、姫様の気持ちに応えるべく1度だけ真剣に問い掛ける。
「 本当にそれで良いのかい ? 」
「 はい ! 」
「 ヨシ、上等だぜ ダガー ‼︎ 」
姫様……… ── ダガーの輝く様な笑顔に、ジタンも首を振って頷いた。
でも………。
「 でも、姫さ…… ─ ─── ダガーの話し方って上品だよね…。 口調でバレちゃうかも……。 」
「 うーん そうだな、例えばオレみたいに砕けた感じになると文句無しだ。 」
「 ええ、やってみます。 」
「 違う 違う 、 ………、そこは……、●●ならなんて言う ? 」
「 え… ? 私 ? 」
いきなり話を振られて、私は戸惑った。
如何って言われても、自分の口調は良く分からない。
首を傾げながら暫し考え、私は口を開いた。
「 ………………… 『 うん、頑張る。 』 ……かな。 」
「 ………う、うん、 頑張る ! 」
「 その調子だぜ、ダガー ! … って事でそろそろ行くか。 」
主の口調が変わった事に複雑そうなスタイナーさんは置いといて………。
私達は村を目指すべく再び歩みを再開したのだった。
皆んなと合流して先へ進むと、やっと暖かい風を感じる事が出来た。
ジタンなんてよっぽど寒かったのか明らかに顔を輝かせて、一気に走り出す。
そりゃそっか。
本当に薄着だし……。 ※ ジタンさん… ノースリーブ です。
ジタンが長い尻尾を上げながら一目散に出口へ向かって走り出すのを、
私とビビは顔を見合わせて笑った。
出口を出れば、そこは見晴らしの良い道だった。
暖かい風とまだ見ぬ世界にお姫様もテンションが上がった様で、足取りが早い。
道の尖端部分まで出ると、姫様は眼下に広がる景色に思わず目を輝かせて言った。
「 やっと '' 霧 '' の上に出られましたね ! やっぱり青空の下が1番ですね ! 」
お姫様の言葉に私は頷く。
'' 霧 '' の下に長い間いた事で、太陽が恋しくなったのは皆んなも同じ。
私も姫様の隣に並んで景色を眺めていると、ジタンが小さく声を上げる。
それに釣られて私はジタンに目をやると、その指が指す方向に視線を向けた。
「 おっ、アソコに村があるぜ。 」
「 え、どこどこ ? 」
ジタンの指す方向をジッと見つめれば、確かに小さな村があった。
上から見る限り、穏やかそうな村に見える。
アレクサンドリアも探検出来なかっただけに、新しい目的地に私の胸は高鳴った。
けど………、ジタンはそれとは反対に首を傾げて顎を手に添えていた。
「 な〜んかあの村って、前に見た事ある様な気が………。 」
「 ジタンは色んな所に行った事があるんですね…。
私が知ってる世界は全て書物の中の事ばかりですわ。 」
姫様が少し寂しげに呟いた。
そっか……、お姫様だから……。
ブリ虫騒動にも動じなかったし、姫様にとっては見える物すべてが新鮮で冒険なんだ……。
……そう言う所は私と同じなのかも知れない。
この世界は、私が居た世界と似てる事も多いけれど、似ていない事も多いかも知れない。
複雑な気持ちを抱えていた私の隣で、
好奇心旺盛な姫様は冒険心を押さえられないと言わんばかりに声を弾ませた。
「 ジタンが知っているかも知れませんよ ? 兎に角行ってみましょう。 」
「 オイオイ、ちょっと待てよ ! 」
姫様が先を歩き出したのを見て、ジタンは慌てて引き留めた。
お姫様は素直に足を止めてジタンを振り返る。
彼は呆れた様に溜息を吐いて、腕を組んで言葉を続けた。
「 ガーネットはお姫様なんだぜ ? それってどう言う事か分かってんの ?
今だって追っ手が来てるかも知れないし、姫だって事をバレたら色々と面倒だぜ ? 」
「 貴様、何を言うか ‼︎ 」
ジタンの指摘に黙っていなかったのはスタイナーさん。
ジタンにツカツカと詰め寄ると、そのまま片手で軽く突き飛ばす様にしてジタンを押した。
「 ジタン………ッ ‼︎ 」
ジタンが落ちない様に両手をバタバタと振るっているのを見て、
慌てて私はジタンの腕を掴んだ。
ジタンも流石に驚いたのか私の腕を掴んで、
そのまま崖から落っこちる………、と言う事は防ぐ事が出来たけど……。
それにしてもスタイナーさんは失礼だ。
ジタンが落ちかけた拍子に合わせる様に地面に落ちたダガーを姫様が拾ったのを、
気付かないまま私とジタンはスタイナーさんを睨み付けていた。
ジタンがそっと私の手を離すと、スタイナーさんに向かい構えを取る。
でもスタイナーさんはお構い無しに言葉を続けた。
「 姫様がコソコソする必要など無い ! 我々はすぐ城に戻るのだから関係無いだろう ‼︎
それに貴様のその態度は何だ ? 姫様に対して無礼であろう ‼︎
その呼び方も改めるのだ ‼︎ 」
「 オッサン、 うるせぇよ ‼︎ あんたにゃ関係無いだろ ?
大体、アンタ何様のつもりだ ? 偉そうにしやがって ………。 」
ジタンの言葉が徐々に荒くなってるのに気付いて、私はハッと我に返った。
スタイナーさんと本気で言い争うつもりだ。
雰囲気の悪くなったパーティ内に最初に声を上げたのはビビ。
「 2人ともやめてよーっ ‼︎ 」
「 そ、そうだよ ! こんな所で言い争うなんて良く無い ‼︎ 」
泣きそうなビビの声に、私も2人を止めようと声を上げる。
スタイナーさんとジタンが睨み合い、一触即発 の状態。
このまま殴り合いなんて起きないよね ⁉︎
その時は体を張って止めようと心に決めた瞬間 ──── 。
「 2人ともおやめなさい ‼︎ 」
姫様の一喝が響き、ジタントとスタイナーさんは同時にお姫様に顔を向けた。
おぉ………、鶴の一声ならず姫の一声。
凛としたその声は、覇気があり、2人がお姫様を見ると姫様は溜息を吐いた。
「 …………それからスタイナー、私は城に戻るつもりはありません。
でも確かに 『 ガーネット 』 では何かと不都合がありそうですね………。 」
姫様は自身の身分に対し、考えてるみたいで困ったと片手に頬を当てて悩んでる。
それにしても……、こう言う悩む姿も絵になるんだよね…、ガーネット姫様は…。
同じ女として羨ましい………。
そんな事を考えていると、姫様は手に持っていたダガーに視線を落とし、徐に口を開いた。
「 ─── ……… ところでジタン、これは何と言うのですか ? 」
「 そいつかい ? そいつはダガーって言うんだ。
それくらいの長さの短い刀の事を皆んなダガーって呼んでるんだ。
それよりも長いのをショート ソード、両手持ちの大きな刀をブレード、
ダガーよりも小さいのをナイフ、それから………。 」
「 あ、いや………、よ…、よく分かりました。 コレはダガーと言うのですね………。 」
ジタンの武器に関する蘊蓄が始まったのに、姫様は顔を引き攣らせ思わず途中で遮った。
少し落ち込んだジタンが可哀想で、私は小さく呟いた。
「 えーっと……、私はもっと知りたいなー………。 」
「 ぼ、ボクも聞きたいかなぁ……。 」
「 お、おう ‼︎ それで馬も切れそうなくらい大きな刀が……… ───。 」
「 姫様 ‼︎ 小さくても武具、不用意に扱うと危険ですぞ ‼︎ 」
ジタンの気力の回復に続きを聞こうとし私とビビが気遣う。
思惑通り、ジタンが嬉しそうに話を始めようとしたが、スタイナーさんに邪魔される……。
ジタンが拳を握って『 このオッサン…ッ ‼︎ 』 と睨んでる中苦笑するしかなかった。
そんな中、お姫様が大きく首を縦に振り、ダガーを太陽に掲げて口を開いた。
「 決めました ‼︎ これから私は、 【 [太字]ダガー[/太字] 】 と名乗ります。 ジタン、これで如何かしら ? 」
……え、お姫様が武器の名前 ⁉︎
流石に驚いて私は目を丸くしていると、ジタンも考えても無かったのかパチパチと瞬きを繰り返していた。
でも、姫様の気持ちに応えるべく1度だけ真剣に問い掛ける。
「 本当にそれで良いのかい ? 」
「 はい ! 」
「 ヨシ、上等だぜ ダガー ‼︎ 」
姫様……… ── ダガーの輝く様な笑顔に、ジタンも首を振って頷いた。
でも………。
「 でも、姫さ…… ─ ─── ダガーの話し方って上品だよね…。 口調でバレちゃうかも……。 」
「 うーん そうだな、例えばオレみたいに砕けた感じになると文句無しだ。 」
「 ええ、やってみます。 」
「 違う 違う 、 ………、そこは……、●●ならなんて言う ? 」
「 え… ? 私 ? 」
いきなり話を振られて、私は戸惑った。
如何って言われても、自分の口調は良く分からない。
首を傾げながら暫し考え、私は口を開いた。
「 ………………… 『 うん、頑張る。 』 ……かな。 」
「 ………う、うん、 頑張る ! 」
「 その調子だぜ、ダガー ! … って事でそろそろ行くか。 」
主の口調が変わった事に複雑そうなスタイナーさんは置いといて………。
私達は村を目指すべく再び歩みを再開したのだった。