お互い「だけを忘れた」2人の物語
―――…
俺は、そこまで重症では無かったことが幸いして
割と早くに退院する事が出来た。
だが、気がかりなのは…「彼女の存在」だ。
…まぁ良い、付き合ってたなんて言うくらいなら、
どっかの恋愛小説みたいにまた巡り合って恋に落ちるだろ。
「何度巡り合っても恋に落ちるはず」、なんてな。
「おい、蒼汰大丈夫だったか!?ずっと心配してたんだぜ」
俺は久しぶりに学校へ行った。
「ごめん。事故に遭って、結構大変でさ」
「分かってるけど…せめてもう少し連絡とかしろよな」
「あ…、忘れてた。」
「友に連絡忘れるなんて…酷くね?」
「だから謝ってんだろ、ごめんって」
「まぁ無事だから良いけど…てか、彼女は?」
「は、彼女?」
また「彼女」だ。一体、誰なんだ?
もしかして同じ学校?同じクラス?
「なぁ、彼女…って誰だ?」
「は、お前忘れてんのか!?倉本だよ、倉本葵!!」
「くらもと…あおい…?」
「学校は違うけど、同い年で…」
「同い年…学校が違う…!?」
「そういえば、もう少しで引っ越すからって聞いて、
寂しいってって泣いてたぜ、お前」
「…引っ越す…?ど、どこに…っ?」
「さぁ…でも遠くって聞いたぜ。お前からな」
「もしかして俺と一緒に事故に遭ったか?」
「あぁ、倉本は重症だったって聞いて…」
「彼女の学校は?入院してる病院は!?」
「おい、蒼汰!落ち着けって…」
…相手のことを忘れて、そのまま離れるって言うのか?
また、もう一度初めから…って思ってたのに…
「彼女の家は?どこにあるか知らないのか?」
「落ち着けって!連絡先持ってんだろ、お前」
「…え…あ、れ連絡先…!」
「気になるなら連絡しろよ。てか今更だが倉本の事忘れたのか?」
「…全く記憶にないんだ。だから…気になってる」
「好きな人だけを忘れた、って事か?」
「多分。他の人は…覚えてると思う。」
「まるでどっかの恋愛小説みたいだな。」
「…俺も思ってた所だ。とにかく連絡してみるよ」
「あぁ、さっさとしろ。彼女も心配してるだろうしな」
「ごめん。落ち着かせてくれてありがとう」
「もうその言葉は聞き飽きたぜ」
「そうだな。それも今思ってた所だ。」
そうだ。彼女なら連絡先があるはずだ。
…あった、「倉本葵」…!
こいつが、本当に俺の彼女なのか…?
俺は、そこまで重症では無かったことが幸いして
割と早くに退院する事が出来た。
だが、気がかりなのは…「彼女の存在」だ。
…まぁ良い、付き合ってたなんて言うくらいなら、
どっかの恋愛小説みたいにまた巡り合って恋に落ちるだろ。
「何度巡り合っても恋に落ちるはず」、なんてな。
「おい、蒼汰大丈夫だったか!?ずっと心配してたんだぜ」
俺は久しぶりに学校へ行った。
「ごめん。事故に遭って、結構大変でさ」
「分かってるけど…せめてもう少し連絡とかしろよな」
「あ…、忘れてた。」
「友に連絡忘れるなんて…酷くね?」
「だから謝ってんだろ、ごめんって」
「まぁ無事だから良いけど…てか、彼女は?」
「は、彼女?」
また「彼女」だ。一体、誰なんだ?
もしかして同じ学校?同じクラス?
「なぁ、彼女…って誰だ?」
「は、お前忘れてんのか!?倉本だよ、倉本葵!!」
「くらもと…あおい…?」
「学校は違うけど、同い年で…」
「同い年…学校が違う…!?」
「そういえば、もう少しで引っ越すからって聞いて、
寂しいってって泣いてたぜ、お前」
「…引っ越す…?ど、どこに…っ?」
「さぁ…でも遠くって聞いたぜ。お前からな」
「もしかして俺と一緒に事故に遭ったか?」
「あぁ、倉本は重症だったって聞いて…」
「彼女の学校は?入院してる病院は!?」
「おい、蒼汰!落ち着けって…」
…相手のことを忘れて、そのまま離れるって言うのか?
また、もう一度初めから…って思ってたのに…
「彼女の家は?どこにあるか知らないのか?」
「落ち着けって!連絡先持ってんだろ、お前」
「…え…あ、れ連絡先…!」
「気になるなら連絡しろよ。てか今更だが倉本の事忘れたのか?」
「…全く記憶にないんだ。だから…気になってる」
「好きな人だけを忘れた、って事か?」
「多分。他の人は…覚えてると思う。」
「まるでどっかの恋愛小説みたいだな。」
「…俺も思ってた所だ。とにかく連絡してみるよ」
「あぁ、さっさとしろ。彼女も心配してるだろうしな」
「ごめん。落ち着かせてくれてありがとう」
「もうその言葉は聞き飽きたぜ」
「そうだな。それも今思ってた所だ。」
そうだ。彼女なら連絡先があるはずだ。
…あった、「倉本葵」…!
こいつが、本当に俺の彼女なのか…?