二次創作
霧が晴れるまで。
[太字][中央寄せ]【 No Side 】[/中央寄せ][/太字]
ジタンと●●が向かった先にあったのは、堕ちた劇場艇。
やはり、墜落の衝撃が大きかったのかあちこちが破損し、
それと共に木々が薙ぎ倒されている様子に●●は、見開き、その様を長い
長い前髪の奥の瞳に恐怖の色を抱きながらただ眺めていた。
「 こんな………、み…、みんな…本当に無事なのかな ⁉︎ 」
「 大丈夫だって。 っと……ほら。 」
ジタンが指差す先には、あっちこっちに擦り傷はしているものの元気そうなシナが、
荷物を船の中から運んでいる姿だった。
シナの姿に●●は、ホッと息を吐き、ジタンの後を追いかける。
人の足音に気付いたのかシナ自身も顔を上げると、2人の姿に笑みを向けた。
「 やっぱり生きてたずらね、ジタン ! ●● ! 飛行中の飛空艇から飛び降りるなんて、
いくらジタンでも無茶し過ぎずら。 だから●●まで真似するずらよ。 」
「 墜落の衝撃でぶっ飛ばされたんだ 。 ●●は、そんなオレを助けようとして一緒に落ちただけさ。 」
「 一緒に… ? 死ぬ気だったずらか ? 」
「 違うし ‼︎ 兎に角あの時はジタンを助けようっと思って…、
ってそんな事より、他の皆んなは無事なの ? 」
慌てて話題を変えようと●●が話を振る。
一緒に落ちた理由もそう言えば聞いてなかったと、ジタンも聞いていたが
話を変えられてやや残念そうに肩を落とした。
そんなジタンの事などお構い無しにシナは、話を続けた。
「 それなら全然心配いらないずら、皆んな悪運が強いからピンピンしてるずら。 」
「 そっか…良かった…。 ジタンの言う通りだったね。 」
船で世話になった皆んなが無事だったと知ると、両手を組んで自然と笑みが溢れ、
落ち込んでいたジタンに顔を向けるとジタンも短く頷いた。
だが、無事を喜ぶのも束の間、シナが影を落とす。
「 でも、このままじゃ吊るし首になるずら…。 」
「 吊るし首… ? 何でだ ? 」
「 当たり前ずら ‼︎ ガーネット姫が何処にも見当たらないずら ‼︎ 」
「 ガーネットが ⁉︎ 」 「 お姫様が ⁉︎ 」
シナから聞いた驚愕の事実に、思わず声を上げる2人。
あの衝撃に吹っ飛ばされたのは自分達だけじゃ、無かった様だ…。
吊るし首に怯えるシナを見ながら、ジタンは軽く腕を組む。
「 まだ死んだって決まったわけじゃない。 俺たちみたいに近くで気を失ってる可能性もある。 」
「 そっか…、そうだよね、探しに行こう、ジタン。 」
「 あぁ、シナ、俺達近くを探して来るぜ。 」
「 気を付けるずらよ ? 此処は『 魔の森 』、魔物だって沢山いるずら。 」
ジタンは兎も角シナが心配そうに●●を見て来たが、●●は軽く横に首を振った。
「 私は、大丈夫。 それにガーネット姫様が見つかったとして…、
もし、もしだけど 霰もない姿になってたらどうするの ? 」
「 それは、それで 別に大丈夫 ──── 。 」
「 それこそ、打首だよ。 」
ジタンが答えようとしたら、すかさず●●がスパッと言い切った。
お姫様の玉の肌を、万一にでも一般大衆…に晒すなど、将来に傷が付くぐらいの騒ぎでは無い。
シナもうんうんと頷き、それならばと許可を出す。
「 ●●、ジタンの見張り頼むずらよ ? 」
「 オイ、見張って何だよ。 」
「 うん、任せといて ‼︎! 」
「 ●●さんも、張り切る所間違ってませんか… ? 」
シナと●●の会話にジタンは、ツッコミを入れるも、
状況的に仕方ないと溜息を吐いて●●を連れて急いだのだった。
「 ………アレ ? そう言えば●●、…言葉上手くなってるずら… ? 」