お互い「だけを忘れた」2人の物語
[大文字]「葵!待って!!」[/大文字]
咲希の声…でも、止まるわけにはいかない。
だって、この機会を逃してしまったら、もう二度と会えないかもしれないから。
「まだ学校には…行ってないよね」
となると、まだ家にいる…?なら、家を探していかないと
確か、幼馴染で近所って咲希は言っていたから…家は相当近いはず。
―――…
急いで家まで戻り、近所を探したけど見当たらない。もしかして見落とし?
もう一度見て回る?でも、もしかしたらもう学校に行っているかも…
…考えてても仕方ない、一か八か学校に見に行って…!
[大文字]「…ねえ」[/大文字]
「なんですか…って、え…う、そ」
「君が、倉本葵…?」
「もしかして…あ、あおい…そうた…?」
そこにいたのは、間違いなく。昨日ぶつかった人。
そして、咲希が教えてくれた…私の、[太字]彼氏[/太字]。
蒼汰「そうだよ。君は倉本葵で…合ってる?」
葵 「あ、合ってます…!じ、じゃあ…貴方は…」
蒼汰「…一緒に事故に遭った人…付き合ってた人、ってことだよね…」
葵 「やっぱり、そうなんですね…?」
蒼汰「…ふっ、確認のつもりだったんだけど…質問で返されると困る」
そういって、目の前の人は微笑んだ。
葵 「え、あ、すみません!そんなつもりはなく…!!」
蒼汰「その気持ちは分かるよ。僕も正直今、いっぱいいっぱいなんだ」
葵 「え…?」
彼は、言葉通りに見えた。
私の言葉に笑いつつも、泣きそうになって。でも優しく笑って。
色んな感情が、込み上げているように見えた。
だが、それは目の前の彼にだけ該当するわけじゃない。
[下線]私だって、同じなのだ。[/下線]
葵 「っ…貴方も、事故で私だけを忘れたの…?」
蒼汰「…やっぱり、君もなんだね。お互いだけを忘れた」
葵 「なんでそんなに平気なの…っ?もうすぐ、引っ越しちゃうのに」
蒼汰「平気じゃ、ないよ。それよりさ、今日は学校、サボっちゃわない?」
葵 「え…!?」
流石に冗談だと思っていたが、彼は本気のようで。
私もそれにつられ、駄目だと分かっていても、気持ちは傾き始めている。
―――…
葵 「ほんとに、サボっちゃった…」
蒼汰「事故で頭がおかしくなったとでも言って誤魔化せばいい」
葵 「なにそれ。でも、それ最高の言い訳だね。事故に遭った特権かな」
蒼汰「悲劇を特権と呼べるなら、十分頭がおかしくなっているかもな」
葵 「私は普通ですー。貴方が変なんじゃない?サボるくらいだし」
蒼汰「否定はできないな」
結果、私たちは学校をサボり、たくさんの事を話した。
改めて挨拶をしてみたり、すごく探し回った事も話した。でも、一つ疑問は
葵 「どうして私だと気づいたの?昨日は、知らなかったのに」
すると蒼汰は、こう答えた。
「教えてくれたんだ。[太字]葵の親友と、僕の親友が[/太字]」
そうして蒼汰は、昨日から今に至るまでの事を話し出した。
咲希の声…でも、止まるわけにはいかない。
だって、この機会を逃してしまったら、もう二度と会えないかもしれないから。
「まだ学校には…行ってないよね」
となると、まだ家にいる…?なら、家を探していかないと
確か、幼馴染で近所って咲希は言っていたから…家は相当近いはず。
―――…
急いで家まで戻り、近所を探したけど見当たらない。もしかして見落とし?
もう一度見て回る?でも、もしかしたらもう学校に行っているかも…
…考えてても仕方ない、一か八か学校に見に行って…!
[大文字]「…ねえ」[/大文字]
「なんですか…って、え…う、そ」
「君が、倉本葵…?」
「もしかして…あ、あおい…そうた…?」
そこにいたのは、間違いなく。昨日ぶつかった人。
そして、咲希が教えてくれた…私の、[太字]彼氏[/太字]。
蒼汰「そうだよ。君は倉本葵で…合ってる?」
葵 「あ、合ってます…!じ、じゃあ…貴方は…」
蒼汰「…一緒に事故に遭った人…付き合ってた人、ってことだよね…」
葵 「やっぱり、そうなんですね…?」
蒼汰「…ふっ、確認のつもりだったんだけど…質問で返されると困る」
そういって、目の前の人は微笑んだ。
葵 「え、あ、すみません!そんなつもりはなく…!!」
蒼汰「その気持ちは分かるよ。僕も正直今、いっぱいいっぱいなんだ」
葵 「え…?」
彼は、言葉通りに見えた。
私の言葉に笑いつつも、泣きそうになって。でも優しく笑って。
色んな感情が、込み上げているように見えた。
だが、それは目の前の彼にだけ該当するわけじゃない。
[下線]私だって、同じなのだ。[/下線]
葵 「っ…貴方も、事故で私だけを忘れたの…?」
蒼汰「…やっぱり、君もなんだね。お互いだけを忘れた」
葵 「なんでそんなに平気なの…っ?もうすぐ、引っ越しちゃうのに」
蒼汰「平気じゃ、ないよ。それよりさ、今日は学校、サボっちゃわない?」
葵 「え…!?」
流石に冗談だと思っていたが、彼は本気のようで。
私もそれにつられ、駄目だと分かっていても、気持ちは傾き始めている。
―――…
葵 「ほんとに、サボっちゃった…」
蒼汰「事故で頭がおかしくなったとでも言って誤魔化せばいい」
葵 「なにそれ。でも、それ最高の言い訳だね。事故に遭った特権かな」
蒼汰「悲劇を特権と呼べるなら、十分頭がおかしくなっているかもな」
葵 「私は普通ですー。貴方が変なんじゃない?サボるくらいだし」
蒼汰「否定はできないな」
結果、私たちは学校をサボり、たくさんの事を話した。
改めて挨拶をしてみたり、すごく探し回った事も話した。でも、一つ疑問は
葵 「どうして私だと気づいたの?昨日は、知らなかったのに」
すると蒼汰は、こう答えた。
「教えてくれたんだ。[太字]葵の親友と、僕の親友が[/太字]」
そうして蒼汰は、昨日から今に至るまでの事を話し出した。