二次創作
霧が晴れるまで。
[中央寄せ][太字]【 ジタン Side 】[/太字][/中央寄せ]
金属と金属が重なり合う音が響く。
その間に、シナのトンカチが振り下ろされると、[漢字]鍔迫[/漢字][ふりがな]つばぜ[/ふりがな]り合いをしていたオレは、
それを避けるべくスタイナーのオッサンから飛び退いた。
「 おのれ、姫様を誑かす悪党共めがっ ! 」
「 もうやめて ‼︎ スタイナー ! 」
中々決め手がつかない攻防戦に苛立つオッサンに、ガーネットが言い放つ。
●●は、そんな俺たちの戦いをハラハラとした表情で眺めていたが、
遂にスタイナーが埒が開かないと剣を真正面に構えた。
「 ムムッ ‼︎ こうなったら ‼︎ 」
一体何をするつもりなんだ… ?
オッサンがそのまま半月を描く様に剣を振るう。
次の瞬間、その切先がブランク目掛けて放たれると、ブランクが立つ床下に青色の円が浮かび上がった。
「 んな ! 」
「 ブランク ‼︎ 」
円から青い光を放った衝撃波がブランクを包み込み、俺は思わず名前を叫んだ。
オイオイ、あのオッサン見た目の割にまさかこんな技を… っ ‼︎
ブランクの無事を祈って眺めていたが、光が止んだ後の光景に、思わず目を見開いた。
ブランクの着ていた城の兵士の鎧は消え去り、代わりに現れたのはブリ虫。
それを見た瞬間に、その場に居たガーネット以外の面々が青ざめた。
「 ブリ虫は、苦手でござる 〜 っ ‼︎ 」
「 ブリ虫は、もう嫌だ ー ‼︎ 」
「 ブリ虫だけは勘弁ずら 〜 ‼︎ 」
逃げ惑うスタイナー、ブランク、シナ。
そして、
「 △×●♢&■€ ッ ⁉︎⁉︎⁉︎ 」
●●が故郷の言葉で悲鳴を上げた。
あまりの恐怖にこの大陸の言葉が出なかったのか…。
女の子なら悲鳴を上げて当然だ。
ただ、●●の様に分かりやすい悲鳴をあげないガーネットに、まさか卒倒してるんじゃ無いかと
恐る恐る顔を向けたが、ガーネットは珍しいモノを見る様に頬を緩めていた。
………本当にお姫様にしておくのが惜しすぎる…ぜ…。
心の中で称賛の声を上げてから●●の背中を摩ってやった。
「 落ち着けって ‼︎ 」
「 ▲£÷〒○$×#* ‼︎ ○¥-@^' ⁉︎ 」
「 と、兎に角先に進もう ‼︎ 」
●●を連れて、奥の部屋に行ったが、其処はもう通路が無い。
「 どうします ? 行き止まりですよ ! 」
「 う〜ん、困った…。 」
「 …。 」
まだあの虫が居るんじゃないかとずっと無言で目を閉じている●●。
「 そりゃあんな虫見たら、普通の人間は嫌がるさ。 」
「 あら、では私は普通では無いと ? 」
「 普通じゃないだろ ? アンタはお姫様だ。 普通の虫とは触れ合う事が無い人間だぜ ? 」
フォローを入れるとガーネットが心外だと口にする。
でも王族で有れば、清潔で不浄な場所になど普通は足を踏み入れないだろ。
ブリ虫とは無縁の生活を普通は想像する。
俺の言葉にガーネットは言われてみればと納得すると、
背後から追いついて来たシナが焦るように声を上げた。
「 ジタン ‼︎ No. 2 に乗るずら ‼︎ 」
「 ヨシッ、ガーネット姫、●●、コッチだ ‼︎
俺の声に目を開けた●●は、ガーネットと共に俺が乗った仕掛けに乗り込んだ。
仕掛けが音を立てて上がり始めると同時に鎧が走る音が聞こえてくる。
オッサン…正気に戻ったのか……。
仕掛けが動き出し、舞台の上に出てくるとボスが目を向けてコッチを見てくる。
計画が狂っている事をすぐ理解したボスは、このまま劇を続けるよう目で合図しただけで、
すぐに劇に戻り出した。
そう思っているともう1つの仕掛けが動き出す。
だが、乗ってるはずの人物は、仲間では無く鉄の鎧を身に包んだオッサン………。
「 コーネリア ‼︎ 」
マーカスが状況を瞬時に理解したのか、ガーネットに向けてセリフを放った。
流石のガーネットも戸惑いを隠せない様だが、俺もすかさずフォローを入れる。
「 ( ん…んっと…。 ) 」
「 ( 恋人役のマーカスだ ! ) 」
それだけ分かれば話は早い。
ガーネットは直様この場を逃れるべく、劇に乗った。
「 マーカス ‼︎ 」
しっかりと感情を込めてマーカスを呼ぶガーネットにオレは正直驚いた。
ただの姫にしては…イヤ、姫だから肝が据わってるのか… ?
俺の背後でポカンと劇を見ている●●に笑みを向けると、小さく頷いた。
「 ( ヨシ ‼︎ 暫くは芝居を続けよう。 ブラネ女王も観てるはずだしな ‼︎ ) 」
装置の上で辺りをキョロキョロ見ているオッサンを無視し、ボスの命令に
全員が観客に見えない様に団特有の敬礼ポーズを取った。