なんでもたんぺんしゅー
中学生のとき、学級で宿泊学習がありました
山奥の自然に囲まれた宿で、犬と猫がいて、人懐っこくて。動物好きの子たちは大喜び。
お料理も美味しくて、お刺身まで出ました。最高の宿です。
部屋は女子二人と女性の先生一人
けれど、もう一部屋の先生が体調を崩し、うちの部屋には先生が付かないことになりました
──本題です
一日目の夜、宿に着いてお風呂に入り、上がったあと
暇になったので、同室の子と「大部屋」に行くことにしました
男女で遊べる広い部屋です
まだ誰もいなそうで、私たちが最初に入ることになりました
事前に先生から、「大部屋では宿の方と先生が打ち合わせしてるかも」と聞いていたので、
私は襖をノックしてから開け、中を覗きました
──電気はついていません
暗い中、棚のほうに前かがみで何かを探している女性がいました
私はてっきり宿の方だと思って、「すみませんでしたー」と謝り、すぐに襖を閉めました
外で待っていた同室の子に「中に人いたよ、どうする?」と伝え、
私たちはそのまま廊下で待っていました
すると、男子部屋から男の先生が来て「中に入らないの?」と聞かれました
「人がいたんです」と伝えると、先生は「打ち合わせはしてないんだけどな」と言いながら襖を開けました
そして、
「……誰もいないけど」
私たちは顔を見合わせました
同室の子は中を覗いていなかったので、見たのは私だけ
でも、見間違いようがないくらい、はっきりと“人”でした
その晩、先生のいない部屋で二人きりで寝ました
その後は楽しく終えましたが、このことは今でも謎のままです