心を失った少女 年明けのニューイヤーゲーム編
「?????????」
美空は困惑していた。、まって、燃えてるのに冷たいってどういうこと???
「ふぅ、危ないとこだったな。大丈夫か?」
「あ、えっと」
「あぁ、俺は恐山 蘭、君は?」
美空はいきなり話しかけられて焦っていた。だって相手は殺人者。今、目の前で、人を業火で、骨も残らずやしてしまった人だ。いくら命の恩人だからといって、応じていいのだろうか?
「おい、蘭。今目の前で起こしたこと振り返ろよ、殺人だぞ?警戒して当然だ」
一緒にいた、白衣のボサ髪男が話しかけた。蘭は「それもそっか」と納得する。
「ごめん、怖がらせちゃったよな。でも、こうしないと被害が増えるだけなんだ。俺だけじゃ人を殺すことができない。あれは火水度さんが作った薬品で、暑いと冷たいの感覚を逆転させる薬なんだ。燃料みたいなものにもなるからめっちゃ燃えてたのは認めるし、やりすぎなのも認めるけどこうしないと俺、なんにもできねんだ」
蘭は真剣な顔つきに変えた。
「信じてくれ、俺達は、少しでも被害を抑えるために活動している。恐いなら、名乗らなくってもいい。でも一つだけ、」
蘭は美空を勇気づけるように、語気を強くしていった。
「[太字][大文字][明朝体]手段をじっくり選んでいたら、死ぬのは自分だ[/明朝体][/大文字][/太字]。覚えときな」
最後にそう言い残し、奥にいた少女と一緒に去っていく。
先ほどから、段々と雨が勢いを増していく。傘をさして、ちょっとした林の方に歩いていった。
「死ぬのは自分……」
美空は、強く刀を握りしめた。刀身から、ポトッ、と雫が滴り落ちる。
死にたくない──なら────。
「逃げるか、殺りあうしかない、ってこと」
できるだろうか? 自分に、人殺しなんて。
いや、その迷いも断ち切らなくては。
──死んでしまう。
(そう………、これが、デスゲームなのね…………)
美空は、そう結論付けた。デスゲームが、いかに人の心を狂わせるか、いかに、自分たちが平和ボケしていたか。思い知らされたのだった。
美空は、一旦建物内に戻ることにした。今の様子では、このあとさらに雨が激しくなるだろう。直感的に、建物の中にいるのは危険だと思ったので、傘だけ借りに行ったのだった。
美空は困惑していた。、まって、燃えてるのに冷たいってどういうこと???
「ふぅ、危ないとこだったな。大丈夫か?」
「あ、えっと」
「あぁ、俺は恐山 蘭、君は?」
美空はいきなり話しかけられて焦っていた。だって相手は殺人者。今、目の前で、人を業火で、骨も残らずやしてしまった人だ。いくら命の恩人だからといって、応じていいのだろうか?
「おい、蘭。今目の前で起こしたこと振り返ろよ、殺人だぞ?警戒して当然だ」
一緒にいた、白衣のボサ髪男が話しかけた。蘭は「それもそっか」と納得する。
「ごめん、怖がらせちゃったよな。でも、こうしないと被害が増えるだけなんだ。俺だけじゃ人を殺すことができない。あれは火水度さんが作った薬品で、暑いと冷たいの感覚を逆転させる薬なんだ。燃料みたいなものにもなるからめっちゃ燃えてたのは認めるし、やりすぎなのも認めるけどこうしないと俺、なんにもできねんだ」
蘭は真剣な顔つきに変えた。
「信じてくれ、俺達は、少しでも被害を抑えるために活動している。恐いなら、名乗らなくってもいい。でも一つだけ、」
蘭は美空を勇気づけるように、語気を強くしていった。
「[太字][大文字][明朝体]手段をじっくり選んでいたら、死ぬのは自分だ[/明朝体][/大文字][/太字]。覚えときな」
最後にそう言い残し、奥にいた少女と一緒に去っていく。
先ほどから、段々と雨が勢いを増していく。傘をさして、ちょっとした林の方に歩いていった。
「死ぬのは自分……」
美空は、強く刀を握りしめた。刀身から、ポトッ、と雫が滴り落ちる。
死にたくない──なら────。
「逃げるか、殺りあうしかない、ってこと」
できるだろうか? 自分に、人殺しなんて。
いや、その迷いも断ち切らなくては。
──死んでしまう。
(そう………、これが、デスゲームなのね…………)
美空は、そう結論付けた。デスゲームが、いかに人の心を狂わせるか、いかに、自分たちが平和ボケしていたか。思い知らされたのだった。
美空は、一旦建物内に戻ることにした。今の様子では、このあとさらに雨が激しくなるだろう。直感的に、建物の中にいるのは危険だと思ったので、傘だけ借りに行ったのだった。