心を失った少女 年明けのニューイヤーゲーム編
[大文字]第六章 人狼との衝突[/大文字]
突然、男の子の悲鳴が聞こえてきた。距離はそう遠くもなさそうだ。どうやら屋外にいるらしい。こんな雨が降っているのに、と思ったらザーザーと降っていた雨はいくばかりかましになっていた。
悲鳴を聞いた美空は、すぐさま助けなければ、と思った。一応、先ほど拾った刀もある。最悪の事態は避けられるかもしれないと思ったのだ。
「え!? 何、悲鳴!?? た、助けに行かなくっちゃ!!」
しかし、そこで見たものは。
[中央寄せ]シュッ、グシッ グシュッ[/中央寄せ]
「え…………?」
そこで行われていたものは。
「〜〜〜!!!」
決して。
「ん〜?なんて言ってるのか聞こえないよ〜?」
刀程度でどうにかなるものではなかった。
大学生ほどと思われる女性が一人 血まみれの刃物を持って佇んでいた。美空は、立ち位置的に何をしているのかがよく見えなかったため、怯えながらも話しかけた。
「え、え、え な、何してるんですか……?」
悲鳴を聞いて駆けつけた。何をしていたかなど想像がつく。声が上ずり、ついどもってしまう。
「ん?あ〜!見てたんだ〜、んじゃ、ついでに、」
だが声をかけた途端、笑顔で。
「君の命。もらってくね?」
気づいたときには、もう目の前で。
(殺される…………!!)
美空は必死で目を閉じる。瞼の裏で影が動く。
(こわい 怖い コワイ 恐い !!)
「[大文字]死にたくない[/大文字]!!」
気がついたら声が外に飛び出していた。そして美空に駆け寄る影が2つ。片方は、ありったけの火をまとって突進をした。
「[太字][大文字]死にたくないなら死にものぐるいで[/大文字][/太字][漢字][太字][大文字]抗[/大文字][/太字][/漢字][ふりがな]あらが[/ふりがな]えよ[太字]バカタレエエェェ!!![/太字]<[明朝体]フレイム[/明朝体]>!」
突然、瞼の裏が赤く焼けた。恐る恐る目を開けると、炎がぼうぼうと燃えていた。美空は何が起こったか、その一瞬では理解しきれなかった。
──何が起こったの?
心のなかで問いかける。彼の、熱い名台詞は、残念ながら聞こえていなかった。
「あっちち、いいきなり何?」
「お前は、人狼だな! 俺は『狩人』の恐山 蘭!! お前を殺しに来た!!」
その、問答無用な様子に美空は困惑する。
「ま、待ってください! なんでいきなり殺すになるんですか!? 話し合うとかないんですか!!?」
いきなり乱入してきた男……、恐山 蘭は切羽詰まった表情で美空の問に応じた。
「人狼ってのは簡単に言っちゃうと[太字]洗脳[/太字]されてるんだよ。殺す以外の選択肢は、このゲームにおいて、[太字][大文字][明朝体][下線]無い[/下線][/明朝体][/大文字][/太字]。そんだけ、奴らの知能は馬鹿げてんのさ。ま、説明はあとっ! 火水度さんぶちまけて!!」
「おう! いつもどうりにな!!」
火水度と呼ばれたその人物は、即座にフラスコを取り出した。そのフラスコを、思いっきり『人狼』に投げつける。
[中央寄せ][明朝体]パリィィィィィン!![/明朝体][/中央寄せ]
「うおっし、<フレイム>!」
するとどうだろう、炎の魔法なのか女性があっという間に燃えて灰になっていく。しかも、その断末魔が奇妙なのだ。
「うあぁぁぁぁぁ!! 寒い!!! 冷たい!!!! どうなっあ"あ"ぁ"あ"ァ"!!!!!」
寒い。冷たい。どういうことだろう?全くもって理解不能だ。
美空には理解が及ばず、思考回路がショートしそうになってしまった。……実は、美空の苦手教科トップに輝くのは理科なのである。
突然、男の子の悲鳴が聞こえてきた。距離はそう遠くもなさそうだ。どうやら屋外にいるらしい。こんな雨が降っているのに、と思ったらザーザーと降っていた雨はいくばかりかましになっていた。
悲鳴を聞いた美空は、すぐさま助けなければ、と思った。一応、先ほど拾った刀もある。最悪の事態は避けられるかもしれないと思ったのだ。
「え!? 何、悲鳴!?? た、助けに行かなくっちゃ!!」
しかし、そこで見たものは。
[中央寄せ]シュッ、グシッ グシュッ[/中央寄せ]
「え…………?」
そこで行われていたものは。
「〜〜〜!!!」
決して。
「ん〜?なんて言ってるのか聞こえないよ〜?」
刀程度でどうにかなるものではなかった。
大学生ほどと思われる女性が一人 血まみれの刃物を持って佇んでいた。美空は、立ち位置的に何をしているのかがよく見えなかったため、怯えながらも話しかけた。
「え、え、え な、何してるんですか……?」
悲鳴を聞いて駆けつけた。何をしていたかなど想像がつく。声が上ずり、ついどもってしまう。
「ん?あ〜!見てたんだ〜、んじゃ、ついでに、」
だが声をかけた途端、笑顔で。
「君の命。もらってくね?」
気づいたときには、もう目の前で。
(殺される…………!!)
美空は必死で目を閉じる。瞼の裏で影が動く。
(こわい 怖い コワイ 恐い !!)
「[大文字]死にたくない[/大文字]!!」
気がついたら声が外に飛び出していた。そして美空に駆け寄る影が2つ。片方は、ありったけの火をまとって突進をした。
「[太字][大文字]死にたくないなら死にものぐるいで[/大文字][/太字][漢字][太字][大文字]抗[/大文字][/太字][/漢字][ふりがな]あらが[/ふりがな]えよ[太字]バカタレエエェェ!!![/太字]<[明朝体]フレイム[/明朝体]>!」
突然、瞼の裏が赤く焼けた。恐る恐る目を開けると、炎がぼうぼうと燃えていた。美空は何が起こったか、その一瞬では理解しきれなかった。
──何が起こったの?
心のなかで問いかける。彼の、熱い名台詞は、残念ながら聞こえていなかった。
「あっちち、いいきなり何?」
「お前は、人狼だな! 俺は『狩人』の恐山 蘭!! お前を殺しに来た!!」
その、問答無用な様子に美空は困惑する。
「ま、待ってください! なんでいきなり殺すになるんですか!? 話し合うとかないんですか!!?」
いきなり乱入してきた男……、恐山 蘭は切羽詰まった表情で美空の問に応じた。
「人狼ってのは簡単に言っちゃうと[太字]洗脳[/太字]されてるんだよ。殺す以外の選択肢は、このゲームにおいて、[太字][大文字][明朝体][下線]無い[/下線][/明朝体][/大文字][/太字]。そんだけ、奴らの知能は馬鹿げてんのさ。ま、説明はあとっ! 火水度さんぶちまけて!!」
「おう! いつもどうりにな!!」
火水度と呼ばれたその人物は、即座にフラスコを取り出した。そのフラスコを、思いっきり『人狼』に投げつける。
[中央寄せ][明朝体]パリィィィィィン!![/明朝体][/中央寄せ]
「うおっし、<フレイム>!」
するとどうだろう、炎の魔法なのか女性があっという間に燃えて灰になっていく。しかも、その断末魔が奇妙なのだ。
「うあぁぁぁぁぁ!! 寒い!!! 冷たい!!!! どうなっあ"あ"ぁ"あ"ァ"!!!!!」
寒い。冷たい。どういうことだろう?全くもって理解不能だ。
美空には理解が及ばず、思考回路がショートしそうになってしまった。……実は、美空の苦手教科トップに輝くのは理科なのである。