心を失った少女 年明けのニューイヤーゲーム編
[大文字]第三章 ルール説明と役職について[/大文字]
狼のルール説明によるとこうだ。
・狼に触れられると、人知を超えたなにかによってガラスが割れるような音と共に消えてしまう。
・制限時間は十時間。
・生き残り続ければ勝利となる。
・脱落=死 ゲームが終わろうが、還ってくることはない。
・役職については、スマホに入れられたアプリから確認ができる。
・役職には固有のスキルがついてるものがあり、回数制限がついていなければ何回でも使用可能。また、常時発動しているものは解除不可となる。
・『イベント』というものが行われているときは狼は行動しない。
役職について
( 役職 ):スキルの詳細
・凡人 :何のスキルもなし、身体能力が平凡になる。【解除不可】
・コオモリ :三回だけ空を飛べる。【宣言型】【回数制限付き】
・コウモリ :イベントでのみ習得可能。無限に空を飛べる。【宣言型】
・ソマウマ :三分だけ索敵が可能。クールタイムは五分。このスキルによって得た情報を口に出すと脱落(死ぬ)。【宣言型】【クールタイム付き】
・キツナ :三分だけ他の参加者に変身ができる。クールタイムは五分。【宣言型】【クールタイム付き】
・キツネ :イベントでのみ習得可能。いくらでも参加者に化けることができる。クールタイムなし。【宣言型】
・犬 :鼻が良くなる。【解除不可】
・狩人 :役職、『人狼』を皆殺しにすると、ゲームを終了させられ、残った参加者全員が『ゲーム』に勝利する。
・人狼 :同じ役職のもの以外を皆殺しにするとゲームが終了し、残った『人狼』全員が勝利する。
といったところだ。
説明し終えたところで狼は陽気に声を上げる。どこかふざけた、こちらを見下すような目で。
「はいっ! なんか質問ある人いる〜?」
すると、真っ暗な会場の中で、可愛らしいワンピースを濡らしながら、ある女性が手を挙げた。陽気で、無害そうな彼女は、次の瞬間、こんな恐ろしいことを質問する。
「はい! 参加者同士で殺し合いはできますか?」
すると、オオカミはなんだか嬉しそうに答える。まぁ、そうだろう。ニンゲンを殺すことが大まかな目的なのだから。
「もちろん可能ですっ! これを機に、憎いやつをバンバン殺しちゃってください!!」
質問によりスポットライトが当てられたその女性は、見るものをハッとさせるような美貌の持ち主だった。濡れたワンピースが淡く光り、ポツッと雫を落とす。アイドルでもやっていそうな可愛らしさがあった。
だが、内容があまりにも恐ろしい。そのやり取りを見ていた他の参加者たちというと、傘を手にヒソヒソと小声で感想を言い合う。
「[小文字]うっわぁ、あの人めっちゃやばいこと聞いてる……[/小文字]」
「[小文字]マジカヨ、こえぇぇぇ……[/小文字]」
質問をした女性はかわいい顔で、あざとい仕草を交えながら、ナイフのような鋭い気配を振りまく。参加者たちは無害そうな彼女を本気でやばいと感じ、その顔を写真で撮り、耳を澄まし、距離を取る。これから行われるゲームで、絶対に出会わないよう対策を練るのだった。
彼女はこれまで何度もこのゲームに参加している、いわゆる常連だ。細かいルールは毎回違うのでこうして質問をしている。
ただし、これは自分の身を守るためでは決してない。
彼女は、これまでいくつものゲームでさんざん人を殺してきた、
[中央寄せ][太字][大文字]──害悪と呼ばれる存在だからだ──[/大文字][/太字][/中央寄せ]
彼女の正体を知るものは、かつてゲームに参加し、生き残った者たちのみ──。
狼のルール説明によるとこうだ。
・狼に触れられると、人知を超えたなにかによってガラスが割れるような音と共に消えてしまう。
・制限時間は十時間。
・生き残り続ければ勝利となる。
・脱落=死 ゲームが終わろうが、還ってくることはない。
・役職については、スマホに入れられたアプリから確認ができる。
・役職には固有のスキルがついてるものがあり、回数制限がついていなければ何回でも使用可能。また、常時発動しているものは解除不可となる。
・『イベント』というものが行われているときは狼は行動しない。
役職について
( 役職 ):スキルの詳細
・凡人 :何のスキルもなし、身体能力が平凡になる。【解除不可】
・コオモリ :三回だけ空を飛べる。【宣言型】【回数制限付き】
・コウモリ :イベントでのみ習得可能。無限に空を飛べる。【宣言型】
・ソマウマ :三分だけ索敵が可能。クールタイムは五分。このスキルによって得た情報を口に出すと脱落(死ぬ)。【宣言型】【クールタイム付き】
・キツナ :三分だけ他の参加者に変身ができる。クールタイムは五分。【宣言型】【クールタイム付き】
・キツネ :イベントでのみ習得可能。いくらでも参加者に化けることができる。クールタイムなし。【宣言型】
・犬 :鼻が良くなる。【解除不可】
・狩人 :役職、『人狼』を皆殺しにすると、ゲームを終了させられ、残った参加者全員が『ゲーム』に勝利する。
・人狼 :同じ役職のもの以外を皆殺しにするとゲームが終了し、残った『人狼』全員が勝利する。
といったところだ。
説明し終えたところで狼は陽気に声を上げる。どこかふざけた、こちらを見下すような目で。
「はいっ! なんか質問ある人いる〜?」
すると、真っ暗な会場の中で、可愛らしいワンピースを濡らしながら、ある女性が手を挙げた。陽気で、無害そうな彼女は、次の瞬間、こんな恐ろしいことを質問する。
「はい! 参加者同士で殺し合いはできますか?」
すると、オオカミはなんだか嬉しそうに答える。まぁ、そうだろう。ニンゲンを殺すことが大まかな目的なのだから。
「もちろん可能ですっ! これを機に、憎いやつをバンバン殺しちゃってください!!」
質問によりスポットライトが当てられたその女性は、見るものをハッとさせるような美貌の持ち主だった。濡れたワンピースが淡く光り、ポツッと雫を落とす。アイドルでもやっていそうな可愛らしさがあった。
だが、内容があまりにも恐ろしい。そのやり取りを見ていた他の参加者たちというと、傘を手にヒソヒソと小声で感想を言い合う。
「[小文字]うっわぁ、あの人めっちゃやばいこと聞いてる……[/小文字]」
「[小文字]マジカヨ、こえぇぇぇ……[/小文字]」
質問をした女性はかわいい顔で、あざとい仕草を交えながら、ナイフのような鋭い気配を振りまく。参加者たちは無害そうな彼女を本気でやばいと感じ、その顔を写真で撮り、耳を澄まし、距離を取る。これから行われるゲームで、絶対に出会わないよう対策を練るのだった。
彼女はこれまで何度もこのゲームに参加している、いわゆる常連だ。細かいルールは毎回違うのでこうして質問をしている。
ただし、これは自分の身を守るためでは決してない。
彼女は、これまでいくつものゲームでさんざん人を殺してきた、
[中央寄せ][太字][大文字]──害悪と呼ばれる存在だからだ──[/大文字][/太字][/中央寄せ]
彼女の正体を知るものは、かつてゲームに参加し、生き残った者たちのみ──。