心を失った少女 年明けのニューイヤーゲーム編
[大文字]第十三章 再会、そして再開[/大文字]
ブザーの音で、雰囲気は台無しになってしまったが、ちょうどそのタイミングに空が晴れ、明るい月の光がミクたちを照らした。
淡い光の中で横たわっている美空を見た三人は、心の底からホッとした。やがて、美空がそっと目を開ける。
「「「…………!!!!」」」
全員は息を呑む。美空は、状況がわからず、ゆっくり起き上がった。
「……? 皆さん……? ここは……? 私、確か、身代わりに、死んで……」
どうやら、記憶が曖昧になっているらしい。蘭たちは、混乱してしまわないように、ゆっくり状況を説明していった。
美空は、ようやく状況を飲み込んで自分の言葉で整理した。
「えっと、つまり、あのあと蘭さんたちを見逃してはくれたけど、その後、反反姉妹とかいうのが襲ってきて、それをなんとか倒して、で、その時のイベントで蘇生させてくれた……あってます?」
蘭は、まだ少しおぼろげに確認するミクに対して、力強く頷いた。そして、重要なことを告げた。
「あぁ。でも……、奴ら、俺達が生きている限りずっと命を狙ってくると思う。だから、[太字]俺達と、一緒に行動してくれないか?[/太字]」
美空は、突然の申し出に驚く。デメリットはない。むしろ、自分も命を狙われてるのに一人で行動するのは危ないだろう。だが、自分が蘭達と行動するというなら、その分のリスクを蘭たちが背負うことになる。
美空は少し迷った。いや、拒否をしたいわけじゃない。しかし、迷惑はかけたくないのだ。戸惑いながら、蘭に確認を取る。
「……、いいんですか? 私なんて、足手まといになるだけですよ……?」
しかし、その返答にこそ蘭は驚いたようで、当たり前だろ、というふうに笑いながら、優しく語りかける。
「なにいってんだよ(笑) 俺達、お前が助けてくれなかったら今ごろ死んでんだぜ? んで、その後結果的には皆助かってる。……大丈夫さ、俺達なら、生き残れる。な?」
美空はそんな蘭の言葉を聞いて、心がホッとした。初めて、誰かに感謝された。役に立てた。それがとても嬉しかった。
「はい! 一緒に行動させてください!」
美空は、迷いを振り払って明るい声で応じた。
こんな自分でも、役に立てるのなら。こころなしか、雅がこちらを微笑んでいるような気がした。
もしかすると、雅もまた、役に立てたことを、嬉しく思っていたのかもしれない……。
(良かったね……、みくちゃん……)
雅は、美空の様子を見て、つい自分と照らし合わせていた。足手まとい。かつては、自分がその立場だったろうが、今は違う。自分だって役に立てた。
雅は美空に対して、ほんの少し、微笑んでみる。
久しぶりに笑った。それがほんの少し、自分の中で皮肉だったが、ほんの少しだけでも、自分を取り戻した雅は、温かい思いを胸に、美空に近づき、手を取った。彼女はまんざらでもなさそうで、優しく握り返してくれた。
四人は月明かりの中、薄暗い林の中を抜け、再び、絶望に満ちたゲームを歩き出すのだった────。
ブザーの音で、雰囲気は台無しになってしまったが、ちょうどそのタイミングに空が晴れ、明るい月の光がミクたちを照らした。
淡い光の中で横たわっている美空を見た三人は、心の底からホッとした。やがて、美空がそっと目を開ける。
「「「…………!!!!」」」
全員は息を呑む。美空は、状況がわからず、ゆっくり起き上がった。
「……? 皆さん……? ここは……? 私、確か、身代わりに、死んで……」
どうやら、記憶が曖昧になっているらしい。蘭たちは、混乱してしまわないように、ゆっくり状況を説明していった。
美空は、ようやく状況を飲み込んで自分の言葉で整理した。
「えっと、つまり、あのあと蘭さんたちを見逃してはくれたけど、その後、反反姉妹とかいうのが襲ってきて、それをなんとか倒して、で、その時のイベントで蘇生させてくれた……あってます?」
蘭は、まだ少しおぼろげに確認するミクに対して、力強く頷いた。そして、重要なことを告げた。
「あぁ。でも……、奴ら、俺達が生きている限りずっと命を狙ってくると思う。だから、[太字]俺達と、一緒に行動してくれないか?[/太字]」
美空は、突然の申し出に驚く。デメリットはない。むしろ、自分も命を狙われてるのに一人で行動するのは危ないだろう。だが、自分が蘭達と行動するというなら、その分のリスクを蘭たちが背負うことになる。
美空は少し迷った。いや、拒否をしたいわけじゃない。しかし、迷惑はかけたくないのだ。戸惑いながら、蘭に確認を取る。
「……、いいんですか? 私なんて、足手まといになるだけですよ……?」
しかし、その返答にこそ蘭は驚いたようで、当たり前だろ、というふうに笑いながら、優しく語りかける。
「なにいってんだよ(笑) 俺達、お前が助けてくれなかったら今ごろ死んでんだぜ? んで、その後結果的には皆助かってる。……大丈夫さ、俺達なら、生き残れる。な?」
美空はそんな蘭の言葉を聞いて、心がホッとした。初めて、誰かに感謝された。役に立てた。それがとても嬉しかった。
「はい! 一緒に行動させてください!」
美空は、迷いを振り払って明るい声で応じた。
こんな自分でも、役に立てるのなら。こころなしか、雅がこちらを微笑んでいるような気がした。
もしかすると、雅もまた、役に立てたことを、嬉しく思っていたのかもしれない……。
(良かったね……、みくちゃん……)
雅は、美空の様子を見て、つい自分と照らし合わせていた。足手まとい。かつては、自分がその立場だったろうが、今は違う。自分だって役に立てた。
雅は美空に対して、ほんの少し、微笑んでみる。
久しぶりに笑った。それがほんの少し、自分の中で皮肉だったが、ほんの少しだけでも、自分を取り戻した雅は、温かい思いを胸に、美空に近づき、手を取った。彼女はまんざらでもなさそうで、優しく握り返してくれた。
四人は月明かりの中、薄暗い林の中を抜け、再び、絶望に満ちたゲームを歩き出すのだった────。