心を失った少女 年明けのニューイヤーゲーム編
…………………喪失感には逆らえなかった。どうしようもないのだが。
「……害悪も人狼も全然いねぇ…………」
全く持って遭遇しないのである。
[大文字]第十一章 謎の組織[/大文字]
「探し始めると遭遇しなくなるんだよなぁ………」
「それな〜、まぁ、いいことなんだけどよぉ…………」
蘭と闇男は揃ってため息をつく。イベントの時間は20分から30分。そして現在2時24分。このままでは彼女を復活させられずに終わる。
現在、残り参加者は82人。そのうち、蘇生されたのは5人。たった4分で10人が殺された計算になる。しかも、『人狼』の残り人数が増えている──どうやら、人狼が人狼を蘇生させたらしかった。
そんなどうでもいいことを考えながら歩いていると、ふと目の前に2つの影が立ちはだかった。
闇男が訝しげにしていると、向こうはいきなり話しかけてきた。蘭もつられて顔を上げる。
「ハロー、はっじめましてー☆『[漢字]opposite[/漢字][ふりがな]オポジット[/ふりがな]』で〜す!」
「妹の『[漢字]reflection[/漢字][ふりがな]リフレクション[/ふりがな]』で〜す」
突然の出来事に雅も含め3人は目を丸くする。
「「二人合わせて、反反姉妹です!」」
唐突の自己紹介。まるでデスゲームということを忘れているかのようだ。だが、その様子に蘭はブチギレそうになる。このふざけた姉妹。突然立ちはだかって、何がしたいのだろう?
そして、この名前。聞き覚えがあった。自分たちを殺しかけた、『毒のある』と『溺れ死ぬ』に、名前の法則が似ている。何らかの組織が動いているのはわかっていた。おそらくは、コードネームのようなものだろう。
そんな奴らが、自分から接触してきた。何をする気だ。
「何しに来た」
蘭は慎重に接する。が、怒りを抑えきれず、ぶっきらぼうな言い方になってしまった。しかし、反反姉妹と名乗った二人はまったく気にしておらず。
「え〜っとね、私たち、みなさんを殺しに来たんです」
『[漢字]反射[/漢字][ふりがな]リフレクション[/ふりがな]』が続ける。
「だって〜、私たちの存在を知られちゃったから〜」
口を揃えていった。
「「口止め、しなきゃなんですよ〜☆」」
「「「っ………!!!!」」」
それを聞いた三人はすぐさま距離を取った。蘭と闇男は臨戦態勢を整える。雅は、まるで生まれたての子鹿のように蘭の裾を引っ張り怯えていた。
その様子を見て、蘭は雅に小声で話しかけた。
「おい、雅、くっつくなら闇男にしてくれ。あいつ固定砲台だから」
「誰が固定砲台だ、つかいつの間に名前呼び捨てにっとうわぁ!抱きつくなぁ!」
その様子を見て、蘭は「ふっ」と微笑んだ。たとえ、血がつながっていなくとも、雅は蘭の娘。この景色を、守って見せる。蘭の中で、勇気が湧き出す。
「っし、やってやらァ!」
蘭は拳をガツンと打ち合わせる。そして、その拳に炎をまとわせた。
「……害悪も人狼も全然いねぇ…………」
全く持って遭遇しないのである。
[大文字]第十一章 謎の組織[/大文字]
「探し始めると遭遇しなくなるんだよなぁ………」
「それな〜、まぁ、いいことなんだけどよぉ…………」
蘭と闇男は揃ってため息をつく。イベントの時間は20分から30分。そして現在2時24分。このままでは彼女を復活させられずに終わる。
現在、残り参加者は82人。そのうち、蘇生されたのは5人。たった4分で10人が殺された計算になる。しかも、『人狼』の残り人数が増えている──どうやら、人狼が人狼を蘇生させたらしかった。
そんなどうでもいいことを考えながら歩いていると、ふと目の前に2つの影が立ちはだかった。
闇男が訝しげにしていると、向こうはいきなり話しかけてきた。蘭もつられて顔を上げる。
「ハロー、はっじめましてー☆『[漢字]opposite[/漢字][ふりがな]オポジット[/ふりがな]』で〜す!」
「妹の『[漢字]reflection[/漢字][ふりがな]リフレクション[/ふりがな]』で〜す」
突然の出来事に雅も含め3人は目を丸くする。
「「二人合わせて、反反姉妹です!」」
唐突の自己紹介。まるでデスゲームということを忘れているかのようだ。だが、その様子に蘭はブチギレそうになる。このふざけた姉妹。突然立ちはだかって、何がしたいのだろう?
そして、この名前。聞き覚えがあった。自分たちを殺しかけた、『毒のある』と『溺れ死ぬ』に、名前の法則が似ている。何らかの組織が動いているのはわかっていた。おそらくは、コードネームのようなものだろう。
そんな奴らが、自分から接触してきた。何をする気だ。
「何しに来た」
蘭は慎重に接する。が、怒りを抑えきれず、ぶっきらぼうな言い方になってしまった。しかし、反反姉妹と名乗った二人はまったく気にしておらず。
「え〜っとね、私たち、みなさんを殺しに来たんです」
『[漢字]反射[/漢字][ふりがな]リフレクション[/ふりがな]』が続ける。
「だって〜、私たちの存在を知られちゃったから〜」
口を揃えていった。
「「口止め、しなきゃなんですよ〜☆」」
「「「っ………!!!!」」」
それを聞いた三人はすぐさま距離を取った。蘭と闇男は臨戦態勢を整える。雅は、まるで生まれたての子鹿のように蘭の裾を引っ張り怯えていた。
その様子を見て、蘭は雅に小声で話しかけた。
「おい、雅、くっつくなら闇男にしてくれ。あいつ固定砲台だから」
「誰が固定砲台だ、つかいつの間に名前呼び捨てにっとうわぁ!抱きつくなぁ!」
その様子を見て、蘭は「ふっ」と微笑んだ。たとえ、血がつながっていなくとも、雅は蘭の娘。この景色を、守って見せる。蘭の中で、勇気が湧き出す。
「っし、やってやらァ!」
蘭は拳をガツンと打ち合わせる。そして、その拳に炎をまとわせた。