木組みの街並みが秋の風にそよぐある日、ラビットハウスはいつもより賑やかだった。今日はココアの誕生日！チノやリゼ、千夜、シャロたちが集まって、サプライズパーティーの準備を進めていた。
「ココアさんには内緒ですよ。絶対にバレないようにお願いします！」とチノが小さな声でみんなに念を押す。カウンターには千夜が持ってきた和菓子と、シャロが淹れた特別なハーブティーが並び、リゼは飾り付けのために風船を膨らませていた。
「リゼちゃん、ちょっと力入れすぎじゃない？」と千夜が笑う。確かに、リゼの手にかかると風船は少し歪んだ形になっていた。「これは…戦略的なデザインだ！」とリゼが言い訳する中、シャロがクスッと笑いをこらえる。
一方、ココアはティッピーと一緒に街へ買い物に出されていた。「ねえ、ティッピー、今日はなんかみんな忙しそうだったよね？何か企んでるのかな？」とココアが首をかしげる。「フム、お前がそんな勘に気づくとはな…いや、何でもないぞ」とティッピーが慌てて誤魔化す。
夕方、ラビットハウスに戻ったココアがドアを開けると、「ハッピーバースデー！」という声が一斉に響き渡った。色とりどりの紙吹雪が舞い、チノが少し恥ずかしそうに手作りのケーキを持ってくる。「ココアさん、お誕生日おめでとうございます。私、初めてケーキ焼きましたから…味はどうかなって」とチノがモジモジ言う。
ココアは目をキラキラさせながら、「うわぁ！チノちゃんが作ってくれたの!? もう最高のお姉ちゃん気分だよ！」と抱きつこうとするが、リゼに「ケーキが潰れるぞ！」と止められる。
みんなでケーキを切り分け、和気あいあいとおしゃべりを楽しむ中、ココアが突然立ち上がった。「みんな、ありがとう！私、こんな素敵な家族がいて本当に幸せだよ！」その言葉に、チノは顔を赤くして「家族って…もう！」と照れるが、内心嬉しそうだった。
夜が更けるまで笑い声が絶えないラビットハウス。ココアの誕生日会は、みんなの絆をまた一つ深める特別な日になった。