病弱男子と幼馴染
#1
病弱男子と幼馴染。
【プロフィール】
鈴木 佑 (すずき ゆう)
☑︎高校2年生 ☑︎成績優秀
・成績は優秀だが、病弱であり、よく体調を崩したり休みがちな生徒である。
佐藤 愛 (さとう あい)
☑︎高校2年生 ☑︎成績優秀
・成績優秀で、テストでは毎回学年トップを争う。そんな愛は佑と幼馴染。よく体調を壊す佑に優しく寄り添う。
佐藤愛side.
7:30
「まだかな……。」
いつものように、いつもの待ち合わせ場所で佑を待っていた。
また休みか、そう思いながら足を進めようとすると、
「愛!!待って…!!」
という走ってくる音と共に佑が焦った顔でこちらを見ていた。
「え、ちょっと大丈夫?遅くない?何があったの?」
そう聞くと佑は、
「いやさ、うちの時計なぜか壊れてて…7:00で止まっててさ、携帯見たら7:30過ぎてて…もう大急ぎで来た…w」
「怒った…?」
そう聞かれると許してしまう。そんな私をもうわかっているのか、
「まぁ許すかっ!」
そう言って私を追い越して走って行った。
「ねぇ!あんたが遅れたんでしょ!!」
そう言って私も後を追うように走った。
**
学校に着いた時には既に遅刻。
しかも佑は間に合ってる。
「はい、愛遅刻〜!」
そうやって煽ってくる佑がうざくてうざくてうざすぎる。
そんな佑を睨むと、
「いや、ごめんごめん…!」
と焦ったふうにすぐ謝ってくる。
「別いいけど。」
そうして許すと、「やっぱりな」とまた見抜かれていた。
**
「はい、こないだやったテスト返しな〜。」
今は数学のテスト返しの時間。
「今回の最高点数は100点満点中98点!」
そう言いながら今日も担任の田中先生は興奮している。
「いや〜、もう最高だね!!」
『子供かよ。』
私はそう心の中で呟きながらテストが返ってくるのを待っていた。
すると、
「なぁなぁ、」
佑に話しかけられた。
佑は私の後ろの席で、授業中でもなんの時でも話しかけてくる奴だ。
「何?またテスト点数?」
どうせまたテストの点数で戦うのだろうと思い、そう言うと、
「え…?!なんでわかったの…?」
やはりそうだったみたいだ。
「もうわかるよ。」
「佐藤さ〜ん」
「あ、はい。」
いつの間にか私の番が来て、私の次は丁度佑だったため、すぐにテストの点数を見せ合った。
「せーのっ…!」
佐藤愛 98点
鈴木佑 98点
「おいおい、一緒かよ〜!」
「ねぇこないだも一緒だったよね。」
そう、私たちはずっと一緒にいるからかテストの点数まで似てきていた。
丁度その時田中先生から話しかけられた。
「お前ら今回も一位おめでとう。まさかまた同じ点数だなんてな〜。ほんとお前らすごいな。」
「そうなんすよ〜!もうそろそろ俺も勝ちたいっすね!」
そう佑がいってしまうことによって、私たちがテストの点数で戦っていることがバレてしまった。
「は…?戦う?」
「あ……。」
佑は焦ったようにいうがそれはもう遅かった。
「お前らあとで職員室来い。」
案の定呼び出されてしまった。
「佑何やってんの…!馬鹿じゃないの…!!」
うちの学校ではテストの点数で戦ってはダメという謎のルールがあったのだ。
このせいで私の成績も下がってしまうこと間違いない。
私がそう言っても、
「まぁまぁ、仕方ないじゃん。やってることは変わりないんだし。愛も何も言えないでしょ?」
そう言われて私は腹が立ったが特に何も言わずに前を向いた。
**
帰り道、私はずっとこのことが頭に残って仕方がなかった。
「はぁ……。」
私がそうため息をつくと、佑は忘れたように「大丈夫?」と聞いてきた。
「大丈夫なわけないじゃんか〜。あんたが口滑らしたせいで私まで呼び出されたんだけど。」
そういうと佑は、
「だから言ったろ〜?仕方ないじゃん。やってたのは本当なんだし。」
確かに佑が言ってることはあっているが、私にとっては嫌で嫌で仕方がないのだ。
そしてそのまま家に帰り、そのまま特に何もすることなく寝た。
**
次の日、また佑は遅刻してきた。
だが、今日は何かが違った。
**
「佑…?体調悪い?」
「え…?!ううん!大丈夫…!」
そういう佑だが、私にはすぐわかる。
これは無理をしている、と。
「佑。無理せずに言ってね?どうせ言える人私しかいないだろうし〜。」
そうふざけたように言うと、少しだけふふっと笑いながら教室へ入って行った。
やっぱり何かがおかしい、いつもだったらふざけたことを言ったら直ぐにつっこんだりするはずなのに、今日はそんなこと全くしなかった。
体調が悪いことに違いない。
私は今日一日ずっと佑のことを心配していた。
**
次は体育の時間だ。佑は流石に休むだろう、そう思っていたのに着替えていた。
「佑…?!」
「何…?」
「休まないで、参加するつもり…?」
そう聞くと佑は即答で、「うん。」と答えた。
「やめなよ。絶対見学した方がいいって。」
そう言っても佑は聞かずに歩いて行く。
「佑!」
私は久しぶりに佑に対して怒った。
「やめときな。朝から具合悪そうで、大体、病弱なあんたが無理する必要ないんだよ。」
そういうと佑は珍しく言い返してきた。
「別よくね?自分の体は相手にはわかんないんだよ?いくら幼なじみでも愛にはわかんないよ。俺は大丈夫だから。見学なんてしませんから。」
そう言ってまた足を進める佑に私はこう言った。
「知らないからね!そのまま倒れたって。」
「は…?倒れないから。」
そう言って、私が何も言わない隙を狙って走って体育館に行った。
**
帰り道、佑は倒れなかったが、私たちの中は気まずいままだった。
もうすぐ家に着くと言う時、今まで無言の状態だった私に話しかけてくれた。
「愛。」
「……何?」
何を言うかと思うと佑は、
「ごめんなさい…。俺……せっかく愛がすごくすごく心配してくれてたのにそれ無視して…自己中心的なことばっかして…。本当にごめん。」
そう何度も謝ってきた。
「いや…。ちょっと…そんなに謝らないで…。私もごめん。佑が大丈夫って言うのに、何度も進めて…。」
そういうと佑は笑顔になって、
「じゃあもう仲直りね!じゃあね!」
そう言って家に帰って行った。
「あ…じゃあね。」
そう言って佑の背中を見ている時、急に佑の足が止まった。
どうしたのかと思うと、次の瞬間、
バタンッと倒れた。
「佑!!」
私はいきなりのことで焦りながら駆け寄り、ずっと名前を呼んだ。
「佑…?佑?ねぇ、佑返事して…佑…!」
何度も名前を呼んだが、目を覚ますことはなく、そのまま自分の家にいれることにした。
**
それから30分経ち、佑の様子を見に行くと、いつの間にか佑は目を覚ましていた。
「佑…?」
「あ、愛…!ごめんな、急に倒れて…。」
そう言って謝る佑を私は抱きしめた。
「よかった…もうずっと目覚まさなかったらどうしようかと思ってた…。」
そう言うと佑は、
「なわけないだろ。そもそも、愛が助けてくれた時点でもう目覚まさないことなんてないから。」
そう自信満々に言う佑を見て私は安心した。
「佑、熱ない?」
「そういえばちょっと熱いかも。」
そんなことを言う佑に私は体温計を渡し、「計って」そう言ったが佑は、
「え〜、面倒臭い…!愛やって〜」
ここぞとばかりに甘えてくる佑に私は仕方なくやってあげることにした。」
「はいはい…w」
ピピピッピピピッ
「38.3°。あんたすごい熱あるじゃん。」
「あれれwそんなにあったなんて…w」
そんなことを言いながら笑う佑を見て私は、「でも元気そうでよかったわ」そう言うと、
「元気じゃないから…!あぁ〜、体調悪くなってきた〜、愛〜、助けて〜。」
そんなことをわかりやすくいう佑に、この人はいつまで立っても変わらないな、そう思った。
「ねぇ泊まっちゃダメ〜?あ!もしいいなら3日間くらい!」
そんなことを言ってきたため私は、今回だけね、そう言って了承した。
**
そこからと言うものの、私は冷えピタシートの張り替えをさせられたり、ご飯を作らされたりと忙しかった。
学校から帰ってこれば、「おかえり〜!」といいながらもう完治したはずの佑がいて。
「家に帰んないの?」と聞いても「もう少しだけ!」の一点張り。
だから仕方なく1週間延長したんだけど、きっとこれそれ以上行くよな、そう思った。
**
その後、完全に佑は元気になり、すぐに自分の家に戻って学校にも登校するようになったが、前以上に私を頼るようになった気がする。
でもそこからはもっと体調を崩しやすくなり、37.3°という微熱の時でも私の家に泊まりにきて看病してもらいにきた。
勿論あの日の倒れた時は、心配で心配で怖かったが、私はあの時のことを忘れることはない。
だって、あの時佑に抱きついたんだから。
the end.
鈴木 佑 (すずき ゆう)
☑︎高校2年生 ☑︎成績優秀
・成績は優秀だが、病弱であり、よく体調を崩したり休みがちな生徒である。
佐藤 愛 (さとう あい)
☑︎高校2年生 ☑︎成績優秀
・成績優秀で、テストでは毎回学年トップを争う。そんな愛は佑と幼馴染。よく体調を壊す佑に優しく寄り添う。
佐藤愛side.
7:30
「まだかな……。」
いつものように、いつもの待ち合わせ場所で佑を待っていた。
また休みか、そう思いながら足を進めようとすると、
「愛!!待って…!!」
という走ってくる音と共に佑が焦った顔でこちらを見ていた。
「え、ちょっと大丈夫?遅くない?何があったの?」
そう聞くと佑は、
「いやさ、うちの時計なぜか壊れてて…7:00で止まっててさ、携帯見たら7:30過ぎてて…もう大急ぎで来た…w」
「怒った…?」
そう聞かれると許してしまう。そんな私をもうわかっているのか、
「まぁ許すかっ!」
そう言って私を追い越して走って行った。
「ねぇ!あんたが遅れたんでしょ!!」
そう言って私も後を追うように走った。
**
学校に着いた時には既に遅刻。
しかも佑は間に合ってる。
「はい、愛遅刻〜!」
そうやって煽ってくる佑がうざくてうざくてうざすぎる。
そんな佑を睨むと、
「いや、ごめんごめん…!」
と焦ったふうにすぐ謝ってくる。
「別いいけど。」
そうして許すと、「やっぱりな」とまた見抜かれていた。
**
「はい、こないだやったテスト返しな〜。」
今は数学のテスト返しの時間。
「今回の最高点数は100点満点中98点!」
そう言いながら今日も担任の田中先生は興奮している。
「いや〜、もう最高だね!!」
『子供かよ。』
私はそう心の中で呟きながらテストが返ってくるのを待っていた。
すると、
「なぁなぁ、」
佑に話しかけられた。
佑は私の後ろの席で、授業中でもなんの時でも話しかけてくる奴だ。
「何?またテスト点数?」
どうせまたテストの点数で戦うのだろうと思い、そう言うと、
「え…?!なんでわかったの…?」
やはりそうだったみたいだ。
「もうわかるよ。」
「佐藤さ〜ん」
「あ、はい。」
いつの間にか私の番が来て、私の次は丁度佑だったため、すぐにテストの点数を見せ合った。
「せーのっ…!」
佐藤愛 98点
鈴木佑 98点
「おいおい、一緒かよ〜!」
「ねぇこないだも一緒だったよね。」
そう、私たちはずっと一緒にいるからかテストの点数まで似てきていた。
丁度その時田中先生から話しかけられた。
「お前ら今回も一位おめでとう。まさかまた同じ点数だなんてな〜。ほんとお前らすごいな。」
「そうなんすよ〜!もうそろそろ俺も勝ちたいっすね!」
そう佑がいってしまうことによって、私たちがテストの点数で戦っていることがバレてしまった。
「は…?戦う?」
「あ……。」
佑は焦ったようにいうがそれはもう遅かった。
「お前らあとで職員室来い。」
案の定呼び出されてしまった。
「佑何やってんの…!馬鹿じゃないの…!!」
うちの学校ではテストの点数で戦ってはダメという謎のルールがあったのだ。
このせいで私の成績も下がってしまうこと間違いない。
私がそう言っても、
「まぁまぁ、仕方ないじゃん。やってることは変わりないんだし。愛も何も言えないでしょ?」
そう言われて私は腹が立ったが特に何も言わずに前を向いた。
**
帰り道、私はずっとこのことが頭に残って仕方がなかった。
「はぁ……。」
私がそうため息をつくと、佑は忘れたように「大丈夫?」と聞いてきた。
「大丈夫なわけないじゃんか〜。あんたが口滑らしたせいで私まで呼び出されたんだけど。」
そういうと佑は、
「だから言ったろ〜?仕方ないじゃん。やってたのは本当なんだし。」
確かに佑が言ってることはあっているが、私にとっては嫌で嫌で仕方がないのだ。
そしてそのまま家に帰り、そのまま特に何もすることなく寝た。
**
次の日、また佑は遅刻してきた。
だが、今日は何かが違った。
**
「佑…?体調悪い?」
「え…?!ううん!大丈夫…!」
そういう佑だが、私にはすぐわかる。
これは無理をしている、と。
「佑。無理せずに言ってね?どうせ言える人私しかいないだろうし〜。」
そうふざけたように言うと、少しだけふふっと笑いながら教室へ入って行った。
やっぱり何かがおかしい、いつもだったらふざけたことを言ったら直ぐにつっこんだりするはずなのに、今日はそんなこと全くしなかった。
体調が悪いことに違いない。
私は今日一日ずっと佑のことを心配していた。
**
次は体育の時間だ。佑は流石に休むだろう、そう思っていたのに着替えていた。
「佑…?!」
「何…?」
「休まないで、参加するつもり…?」
そう聞くと佑は即答で、「うん。」と答えた。
「やめなよ。絶対見学した方がいいって。」
そう言っても佑は聞かずに歩いて行く。
「佑!」
私は久しぶりに佑に対して怒った。
「やめときな。朝から具合悪そうで、大体、病弱なあんたが無理する必要ないんだよ。」
そういうと佑は珍しく言い返してきた。
「別よくね?自分の体は相手にはわかんないんだよ?いくら幼なじみでも愛にはわかんないよ。俺は大丈夫だから。見学なんてしませんから。」
そう言ってまた足を進める佑に私はこう言った。
「知らないからね!そのまま倒れたって。」
「は…?倒れないから。」
そう言って、私が何も言わない隙を狙って走って体育館に行った。
**
帰り道、佑は倒れなかったが、私たちの中は気まずいままだった。
もうすぐ家に着くと言う時、今まで無言の状態だった私に話しかけてくれた。
「愛。」
「……何?」
何を言うかと思うと佑は、
「ごめんなさい…。俺……せっかく愛がすごくすごく心配してくれてたのにそれ無視して…自己中心的なことばっかして…。本当にごめん。」
そう何度も謝ってきた。
「いや…。ちょっと…そんなに謝らないで…。私もごめん。佑が大丈夫って言うのに、何度も進めて…。」
そういうと佑は笑顔になって、
「じゃあもう仲直りね!じゃあね!」
そう言って家に帰って行った。
「あ…じゃあね。」
そう言って佑の背中を見ている時、急に佑の足が止まった。
どうしたのかと思うと、次の瞬間、
バタンッと倒れた。
「佑!!」
私はいきなりのことで焦りながら駆け寄り、ずっと名前を呼んだ。
「佑…?佑?ねぇ、佑返事して…佑…!」
何度も名前を呼んだが、目を覚ますことはなく、そのまま自分の家にいれることにした。
**
それから30分経ち、佑の様子を見に行くと、いつの間にか佑は目を覚ましていた。
「佑…?」
「あ、愛…!ごめんな、急に倒れて…。」
そう言って謝る佑を私は抱きしめた。
「よかった…もうずっと目覚まさなかったらどうしようかと思ってた…。」
そう言うと佑は、
「なわけないだろ。そもそも、愛が助けてくれた時点でもう目覚まさないことなんてないから。」
そう自信満々に言う佑を見て私は安心した。
「佑、熱ない?」
「そういえばちょっと熱いかも。」
そんなことを言う佑に私は体温計を渡し、「計って」そう言ったが佑は、
「え〜、面倒臭い…!愛やって〜」
ここぞとばかりに甘えてくる佑に私は仕方なくやってあげることにした。」
「はいはい…w」
ピピピッピピピッ
「38.3°。あんたすごい熱あるじゃん。」
「あれれwそんなにあったなんて…w」
そんなことを言いながら笑う佑を見て私は、「でも元気そうでよかったわ」そう言うと、
「元気じゃないから…!あぁ〜、体調悪くなってきた〜、愛〜、助けて〜。」
そんなことをわかりやすくいう佑に、この人はいつまで立っても変わらないな、そう思った。
「ねぇ泊まっちゃダメ〜?あ!もしいいなら3日間くらい!」
そんなことを言ってきたため私は、今回だけね、そう言って了承した。
**
そこからと言うものの、私は冷えピタシートの張り替えをさせられたり、ご飯を作らされたりと忙しかった。
学校から帰ってこれば、「おかえり〜!」といいながらもう完治したはずの佑がいて。
「家に帰んないの?」と聞いても「もう少しだけ!」の一点張り。
だから仕方なく1週間延長したんだけど、きっとこれそれ以上行くよな、そう思った。
**
その後、完全に佑は元気になり、すぐに自分の家に戻って学校にも登校するようになったが、前以上に私を頼るようになった気がする。
でもそこからはもっと体調を崩しやすくなり、37.3°という微熱の時でも私の家に泊まりにきて看病してもらいにきた。
勿論あの日の倒れた時は、心配で心配で怖かったが、私はあの時のことを忘れることはない。
だって、あの時佑に抱きついたんだから。
the end.
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