威力が高すぎるな……。
[太字]前来た時よりも[/太字]格段に上がっている。
やはり狐梨が居ないと無理なのか…？
あの、最強が居なきゃ―――。


[水平線]



[太字][漢字]人を殺す魔法[/漢字][ふりがな]ゾルトラーク[/ふりがな][/太字]
「右に避けろｯ！当たったら即死だ！」
最強、というに相応しい魔法使いだった。
研究、取得、開発した魔法は数知れず。魔力も膨大だった。
狐梨亀屋。





[太字]狐梨家最高傑作。[/太字]




魔王を倒せるかもしれない。
そんな歴史上最大の偉業が今、達成される。






[太字]はずもなく。[/太字]






最大出力で放たれた不特定の魔法が、狐梨さえも知らない魔法が、この判っている歴史の中で記されていない魔法が、私たちに向かって突っ込んでくる。
防御不可。耐えられるはずもないのだ。
……、一人を除いて。




私たちの前に防御壁が展開された。
すぐ分かった。この複雑な防御壁は狐梨のだと。
魔法が防御壁に迫る。
波動で壁に罅が入る。


その、そのたった一秒で。
たったの、人生では何百も何千も、数え切れないほどある一秒で。





[水平線]






[小文字][小文字][小文字][小文字][小文字]「狐梨、判るか」[/小文字][/小文字][/小文字][/小文字][/小文字]






「そうか、……そうだったんやな」





乃伊「ならもう、やるしかない。」









この戦いで、魔王が殺されるなら。
俺は喜んで全てを捧げよう。
本当の役目ってのは、これだったんだね。






[太字]兄ちゃん。[/太字]