夢羅「雨音さん！？」
私は急いで保健室から出ていく雨音さんを呼び止めようとする。
でも、その背中を見た瞬間何かを察した。
私は雨音さんに背を向ける。
夢羅「お願いします、雨音さん……！」
もう誰一人欠けさせないから――！
[漢字]ゾルトラーク[/漢字][ふりがな]怪魔を殺す魔法[/ふりがな]
ｷﾞｭｲｯ！

[水平線]
帳「なるほどね…なら全力サポートか。」
日本刀術・細切り
ｼﾞｬｷｼﾞｬｷｼﾞｬｷｯ！！
まだ浅い。魔力が足りない！
なら――
魔力A・上昇中……
魔力A・78
まず魔力A上げて…
日本薙刀術・[漢字]風車小石返しの乱[/漢字][ふりがな]かざぐるまこいしがえしのみだれ[/ふりがな]
新しい、まだ試したことのない薙刀術を！
ｶﾝｯ…ｻﾞﾝｯ！
初めてだとはいえ、まだ全然浅い。
魔力を込めて、もっと深く―――！
日本薙刀術・[漢字]清志岩崩懐剣留[/漢字][ふりがな]せいしいわくずしかいけんどめ[/ふりがな]
ｶｶｶｶｯ！ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯ！
帳「よし通った！」
僕は攻撃が通り細かく飛び散っていく肉片を見ながら、成長を[漢字]犇々[/漢字][ふりがな]ひしひし[/ふりがな]と感じていた。

[水平線]
乃伊「えげつ〜、あの2人。あんなの見てまうと燃えてくるやろ……。な、暁。」
暁「おうよ。ま、俺らの息ぴったりだし、相性抜群。帳と違う楽しさが湧いてるぜ」
乃伊「さ、行くで！」





[水平線]



ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ！
雨音「花弁さん！犬神さん！月見さん！」
私は3人の名前を呼びながら廊下を駆け抜ける。
すると、校長室から魔力を感じた。
雨音「……こっちだ、ですね…」
私は魔力を読み、校長室へ向かう。
ｶﾞﾗｯ！
雨音「花弁さん！犬神さ、」
ｽｯ……
雨音「――え、」
校長室に入った瞬間、私は絶句する。
雨音「……ど…う…して……」


そこに居たのは、テラン。
その3人を殺さずに、寧ろ3人に背を向け、雨音の目をじっと見る。
その眼に、殺意は、敵意は無かった。
その眼はもう、諦めていた眼だった。