魔法学校の強者たち
暁は透けている手を見てはぁっとため息をつく。
ただ単に透けているだけであって、物は取れる。
だからこれは完全な[太字]幽霊体[/太字]では無いことだけは分かる。
だが、今の暁はここを過去だと思っている。
この世界から出られないと思っている。
――そう、[太字]ここは現実、過去ではない。[/太字]
暁はテランの魔法を回避していた。
なんでかって?それは最後に分かる。
暁は父と母と妹を怪魔によって殺された。
その怒りによる執着心で、怪魔とずっと戦ってきた。
負けた戦いもある。だが、決して諦めはしなかった。
諦めたら死ぬと思い込んだ。
でも、殺しても生き返らない。
そんなことは分かっていた。
それでも戦った。
きっと天国で見てくれている。
そう信じていたから。
もう数えていない、何百回目。
暁は怪魔と戦っていた。
その相手は[太字]聖なる槍使い、ラート。[/太字]
暁はその実力差に絶望しながらも戦っていた。
親のために、妹のために。
諦めないと誓ったから。
ラート「…終わりです。」
ザンッ!
[水平線]
暁は身体を起こす。
その時異変を感じた。
手や足が透けている。
目を擦っても透けて見える。
[太字]負けたのだ、ラートに。[/太字]
そしてもう、生きていない。
暁はラートに負け、死んだ。
[太字][大文字][中央寄せ]そう、だから魔法がかかることはなく、過去で来たわけじゃない、自分や親の意思でここに来たということだ。[/中央寄せ][/大文字][/太字]
暁はそう確信し、家から出る。
[太字][大文字][中央寄せ]暁「出れたぞ、帳。あとは、お前だけだ。」[/中央寄せ][/大文字][/太字]
帳は過去と現在が交差している時の狭間に生きている。
そんな中、帳は刀を貰える節目の歳を迎え、一年前に魔法学校に来た。
あと少しで、デュベル――いや、松星夢羅という[太字]魔法学校の強者[/太字]に会える。
あとちょっと、あとちょっとなのに。
帳は戻りたくて仕方が無かった。
だから、この手で終わらせようと。
過去が変わってももういいと。
長い時間をかけて時の狭間の扉を見つけ、刀を扉に当てる。
帳「……あいよ、暁。もうすぐ行くから。」
帳は刀を振り上げる。
ただ単に透けているだけであって、物は取れる。
だからこれは完全な[太字]幽霊体[/太字]では無いことだけは分かる。
だが、今の暁はここを過去だと思っている。
この世界から出られないと思っている。
――そう、[太字]ここは現実、過去ではない。[/太字]
暁はテランの魔法を回避していた。
なんでかって?それは最後に分かる。
暁は父と母と妹を怪魔によって殺された。
その怒りによる執着心で、怪魔とずっと戦ってきた。
負けた戦いもある。だが、決して諦めはしなかった。
諦めたら死ぬと思い込んだ。
でも、殺しても生き返らない。
そんなことは分かっていた。
それでも戦った。
きっと天国で見てくれている。
そう信じていたから。
もう数えていない、何百回目。
暁は怪魔と戦っていた。
その相手は[太字]聖なる槍使い、ラート。[/太字]
暁はその実力差に絶望しながらも戦っていた。
親のために、妹のために。
諦めないと誓ったから。
ラート「…終わりです。」
ザンッ!
[水平線]
暁は身体を起こす。
その時異変を感じた。
手や足が透けている。
目を擦っても透けて見える。
[太字]負けたのだ、ラートに。[/太字]
そしてもう、生きていない。
暁はラートに負け、死んだ。
[太字][大文字][中央寄せ]そう、だから魔法がかかることはなく、過去で来たわけじゃない、自分や親の意思でここに来たということだ。[/中央寄せ][/大文字][/太字]
暁はそう確信し、家から出る。
[太字][大文字][中央寄せ]暁「出れたぞ、帳。あとは、お前だけだ。」[/中央寄せ][/大文字][/太字]
帳は過去と現在が交差している時の狭間に生きている。
そんな中、帳は刀を貰える節目の歳を迎え、一年前に魔法学校に来た。
あと少しで、デュベル――いや、松星夢羅という[太字]魔法学校の強者[/太字]に会える。
あとちょっと、あとちょっとなのに。
帳は戻りたくて仕方が無かった。
だから、この手で終わらせようと。
過去が変わってももういいと。
長い時間をかけて時の狭間の扉を見つけ、刀を扉に当てる。
帳「……あいよ、暁。もうすぐ行くから。」
帳は刀を振り上げる。