？？「んだこれ…あー、魔法使いになったのかぁ……運ワリィ…」
？？「失礼します。…ついにですか。ほんと、俺達は運が悪いですね。でもこれは、[漢字]天賦の才[/漢字][ふりがな]生まれ持った才能[/ふりがな]ではないのでは？」
？？「いやいや、魔法使いにとっては生まれ持った才能と言っていいだろ。なぁ、[太字]ラート[/太字]。おまえは2つの才能のこと、知ってるか？」
ラート「2つの才能？才能は才能…じゃないんですか？」
？？「まぁ、大体の人はそう答えるんだがなぁ…2つの才能ってのは、」


[太字]生まれ持った才能と、努力して手に入る才能がある。[/太字]


？？「俺は生まれ持った才能が嫌いだ。変な才能でさえ、それよりも凄い才能が対抗出来ない。言っている意味が分かるか？」
ラート「努力して手に入る才能が、生まれ持った才能でねじ伏せられる。生まれ持った才能は簡単に手に入ったのに、努力した方は長い年月をかけて手に入れた。そんな価値が違うのに名前が同じの[漢字]才能[/漢字][ふりがな]天賦の才[/ふりがな]が上になるのが嫌だ、ということですね」
？？「あぁ、そういうことだ。天職だって同じようなもの。だから生まれ持った才能は嫌いなんだ。」
ラート「でもその才能が時には助けてくれるのが、憎めないですね。でも、？？は憎んでいるでしょう。魔法使いのことも、才能のことも。」
？？「そうだ、だから生まれ持った才能と似ている魔法使いは嫌いだ。」
ラート「……では、その魔法使いを殺せる怪魔になってみては？」
？？「頭に入れておく。実際、お前は怪魔だしな。」