？？「いっ、犬神さん！」
呆然と立ち尽くしていた私達をハッとさせたのは、野村。
もうちょっとハッとさせた(？)のは、いつにも増して様子が変だったから。
冷や汗、手の震え、焦り。
誰がどう見ても何かある様子。
どうしたのかと聞く前に、犬神様の顔が曇ったのが見え、口を開けなかった。
それと同時に、野村が言う。
野村「しっ、神殿の反応が消えました！」
神殿の反応が消えた！？
ほぼ同時にみんなが言った。
それほどやばいから。
そりゃそう。
神殿が消えたら、魔王を倒す手段はないと言っても過言ではない。
一体誰が…
……！もしかしたら…
夢羅「聖書が消えたのも、同じ…？」
私がそう言うと、周りも気付いたように目を見開く。
少し長い沈黙が続いた後、犬神様が言った。
犬神「怪魔の仕業だろうな。聖書とみられるものが消えたのは、過去に2回ある。」
どういうこと…！？
聖書が消えたのも、神殿が消えたのも…！？
暁「どういうことだよ、それ…」
私達は黙り込んで、海と野村を交互に見ていた。