ビリッと扇が破れる音がする。
そして、そのまま4人は俺の魔法に飲み込まれていった。
その瞬間、ドサッと俺は倒れてしまった。
意識が遠のいていく。
きっと魔力を使いすぎたのだろう。
死を覚悟して、目を瞑ろうとしたその時だった。
タッタッタッと、こちらに駆け寄る音が聞こえる。
俺は敵だと勘違いして、杖を持とうとした。
でも、今の俺にそんな力なんて残っていない。
もう一回、死を覚悟して目を瞑った。が。
ボロボロになった身体が、力が入らなかった手足が。
だんだん良くなっていくのが感じる。
俺は誰かと思い、目を開けた。
暁「とば…り……？乃伊…？夢羅…？」
目の前に居たのは、回復魔法を俺にかけている夢羅と、怪我をしているところに包帯を巻いている帳。そして、防護魔法をかけて、帳と包帯をを巻いている乃伊。
俺はよたよたと立ち上がるけど、またドサッと倒れてしまう。
帳「馬鹿お前！お前は休んでろや！」
夢羅「そーだそーだ、お前はよくやったんだから。」
乃伊「暁……ほんまありがとう…」
俺はこんなことをしてくれる仲間が嬉しくて、ほっと安堵したのも束の間。
暁「犬神さんは！？犬神さん！？」
俺は犬神さんが戦っているであろう場所に目を向けた。
………俺は信じれなかった。
犬神さんって、こんな感じで戦うか？