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まぁまぁ重いです。
病気の描写があります。

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本音に蓋をして、口角を上げた。

#3

【宛先は、空っぽの心の中】②

引っ越し先は、暖かい場所とは言えなかった。
引っ越してきたばかりの人に、自治体の会長を押し付けるほどに。
それで、母は気に病んでしまった。

クラスは暖かかった。
けれど、私は寂しかった。

小学校5年生、5月。
そこで、私は壊れてしまった。
母の話によると、急に倒れたという。

親友とも別れ、寂しくて寂しくて、あの時叫んででも全員一緒に帰れなかったことをすごく後悔した。

柚葉なら、連絡先をもらった。
だが、あの時のように毎日遊ぶことはできない。

ただ、俊真は中学受験と同時に京都に引っ越すと言っていた。
もう、彼とは会うことができない。

綾香とも、会えない。
帰宅メンバーにも、会えない。

頭の中が、黒い何かで満たされて、モヤモヤと動いた。
サヤエンドウが弾けるように何かが弾けると、私は深い深い水の中に沈んでいった。
そして、堕ちていく私と変わって、小さな小さな女の子が、上に向かって泳いでいった──。




[水平線]

「最初の記憶、集まったかな…」
翡翠色のペンダントを握り締め、寝たままの彼女の元へ急ぐ。

『ねぇ、[漢字]結衣[/漢字][ふりがな]ゆい[/ふりがな]!』
そこで、小さな女の子が声をかけてきた。

「[漢字]玲衣[/漢字][ふりがな]れい[/ふりがな]、どうしたの?」
玲衣「澄衣の記憶が、少し戻ったみたい。」
にし、と得意げに笑う彼女は、幼いながらに私とそっくりだった。

「じゃあ、私はもう少し集めるよ。ここをお願いね。」
玲衣「おっけ。任しといて!」
向こうのほうに駆け出して、モニターをいじる。
小さい体を、踏み台に乗って支えながら。


ガチャリと、ドアを開ける。
そこは、まだ雪の残る春のグラウンドだった。
のどかな匂いが鼻を掠め、思いっきり息を吸うと鼻の奥がしんと冷えた。

履いている靴は、白のバレーシューズからマジックテープのスニーカーに変わっていた。
柚葉とお揃いだと笑い合った、黒いスニーカー。

小さなサイズの靴が、もう過ぎてしまったことだと言うことを実感する。
もう、あの時には戻れない。

それでも、巡ってみよう。













どうして、澄衣があんなふうになってしまったのか、知りたいのだ。


足を一歩前に出すと、さらりとしたボブカットが風に乗った。

作者メッセージ

最終回っぽいですけど全然続きます。

2025/03/11 09:51

すい ID:≫ 0.LEY4vV85UM2
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