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パクリではありません!
オリキャラの異世界転生の小説です!
3月の12日には終わりにしようと思っているので!
見てみくださ!

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植物魔法でゆる~くダンジョン行ってみる?

#3

これまでとこれから

第3話 僕らが目指す物

 スキルを授かった五歳から十年のあいだに、いろんなことが起きたんだ。
 最初はガーデニングという名の農業に集中し、ときには魔除草という希少な草を増産し、いろいろ領の食生活を豊かにするために奮闘してきた。
 徐々に発展してきたルーク村に、いつしか四季の精霊王さんたちが集まってくるようになった。
 あるときは冬の精霊王アルパカさんが大雪をもたらし、またあるときは夏の精霊王カワウソさんが酷暑を連れてきた。
 思い出してみれば、初対面の印象が悪かった気がする……。
 まぁ、春の精霊王アウルさんは農作業の助けになるので、僕にとっては神と呼んでいい存在だ!
 秋の精霊王ハッシーさんとは知り合って間もないので、まだまだキャラが掴めていない。

 冬の精霊王アルパカさんとは、ある冬の日にうっかり妖精界に紛れ込んでしまい、事件を解決して戻ってきたことがあったんだ。

 ほかには世界中で流行病が広がり、その対応に追われたこともあった。

 そして、なんといっても一番大きな事件は、岩塩採掘場の大穴の下に、封印されたダンジョンを発見したこと。
 この岩塩山ダンジョンの封印は、太古のハイエルフの高度な古代魔法が施されていて、現在では同じ封印を施すことが難しいみたい。
 経年劣化によって、その封印自体が綻び始めていることが判明したため、ラビラビさんとアル様が研究して、強固な封印陣の開発を進めているところだった。

 そんなとき、たまたま偶然に、異空間に隠れ住むハイエルフさんたちと出会うことになった。
 一悶着あったものの和解することができて、亡くなったと思っていた父方のおじい様が、ハイエルフさんの隠れ里に保護されていることを知った。
 そのおじい様は瀕死の状態で、ハイエルフさんたちの秘術の魔道具によって、当時の状態のまま眠っていたんだよ!
 術が解ければおじい様は息を引き取ってしまうのだそうだ。

 助ける方法はたったひとつ、万能魔法薬エリクサーが必要だってこと。
 その材料のひとつである、『緋翼の鳥の羽』が必要なんだけど、それを得るには封印されたダンジョンに潜るしかないんだって。
 
 時間の問題で、いずれ壊れる封印。
 いつかあのダンジョンの魔物と戦う日が来ると知りながら、僕らは先延ばしにしていた。
 だけどそんな矢先に、世界中のダンジョンが活性化し始め、地上の魔物たちも狂暴化してきたんだ。
 岩塩山ダンジョンだけが、その影響を受けないと誰が言える?
 そんな特例は考えられないよね。
 いずれ壊れる封印の、タイムリミットが迫っている。
 時間は待っていてくれない。

 ならば岩塩山ダンジョンから魔物があふれ出すその前に、ダンジョン攻略に挑み、魔物を間引きしようということになったんだ。
 目指すは『緋翼の鳥』がいる階層。
 そのための訓練を重ね、装備を整え、いよいよアタックのときが近づいていた。

 植物魔法で危険なダンジョンに潜ろうなんて愚の骨頂だけど、みんなが僕を討伐メンバーに勝手に入れているんだよ?
 おかしくない?
 植物魔法だよ?
 僕の夢は、田舎でのんびりガーデニングライフだったのに、当初の目的はどこへ行ったの?
 もう、嫌になっちゃう!


 ◆◇◆

 離れのリビングでカフェオレを飲み終えると、ホッと息をついた。
 それに気づいたアル様が声をかけてくる。
「おや、元気がないね? もう出発準備は整ったかい?」
「終わりましたよ。単に行きたくないな~って思っているため息です!」
 口を尖らせてぶーたれているだけだ。
 その様子を見て、アル様は笑っていた。
「やぁやぁ、明日まで機嫌を直しておくれよ。封印を解いた直後に、ハクに浄化魔法をぶっ放してもらわなければいけないからね!」
 楽しそうにカラカラと笑っている。
 むう。
 人の気も知らないで。

 そんな僕らの背後で、メエメエさんがグリちゃんたちに声をかけていた。
「おやつはたくさん持ってください! それから筋力グミと魔力の実も忘れずに! 魔力補給用の青色サンゴも、足りなければソウコちゃんからもらってくださいよ!」
「は~い!」
「いっぱい、もった~!」
「モモちゃんの、ぶんも~」
「ぼくも~」
「わたしも~」
「準備万端だよ!」
「あいあい!」
 七人の精霊さんが、それぞれのマジックポシェットを掲げて、元気に返事をしている。

「ハンカチとチリ紙も忘れてはいけません。それから、これは今までにみんなが作った精霊魔力石です。たくさん貯まったまま使い道がないので、いったんお返ししておきます! 途中で魔力切れを起こしそうになったら、迷わず補給に使うのですよ! あと、拾い食いはいけません!!」
「は~い!」
 メエメエさんはお母さんかな?
 最後の一点はちょっとおかしいと思うけど、大食漢の精霊さんたちには必要な注意なのか?
 謎だね!

 そんな僕にバートンが真剣な顔で聞いてきた。
「坊ちゃまもおやつの準備は大丈夫でございますか?」
 マジな目つきで言われたよ!
 僕、もう子どもじゃないのに……。
 横でアル様が弾けるように大爆笑していた!
 むぅ。

 今回のダンジョン攻略にバートンは同行できないから、心配でやきもきしているみたい。
 それはマーサも同じで、着替えとか身の回りの小物を、全部マジックポーチに突っ込んでいるんだよね。
 出発日が近づくほどにソワソワして、涙ぐんだまま僕を抱きしめるんだもん。
 こっちが気を遣っちゃう。

「もう、バートン。中の状況を確認したら、ある程度のところで戻ってくる予定だよ! それにラビラビさんが、緊急脱出用のテントを用意していたから、たぶん大丈夫だと思う!」
「そうだねぇ、最弱のハクのペースに合わせることになるだろうさ」
 そう言ってから、アル様はコーヒーのおかわりを飲んでいた。
 バートンは苦笑しながら頭を下げている。
「はい。頭ではわかっているのですが、坊ちゃまのことが心配で、心配で……」
 紛れもない本心なのだろう。
 バートンの眉が下がり、心なしかいつもの精彩を欠いている。
 むぅ……。
 
 おもむろに立ち上がって、キッチンカウンターの向こうにいるバートンに近づくと、ギュッと抱きついたよ。
「僕も行きたくないんだけど、ルーク村のため、おじい様のため、頑張ってくるから! バートンは待っていてね! 必ず帰ってくるからッ!!」
 ギュウギュウしていると、精霊さんたちも飛んできて僕とバートンにくっつき、ほっぺたをスリスリしていた。
 なぜかメエメエさんも紛れ込み、僕の頭にしがみついているんですけど?
 メエメエさんはそんなセンチメンタルを持ち合わせていないよね?
「ノリです!」
 なんなのよッ!?

 みんなに抱きつかれたバートンは、困ったような嬉しいような、だけど慈しみに満ちたほほ笑みを浮かべ、僕らを抱きしめ返してくれたんだ。
 大好き、バートン!

 その日の夜は、バートンとマーサとくっついて過ごしたよ。
「いつまでも甘えん坊だねぇ」
 その様子を眺めていたリオル兄は笑っていたけど、僕が親離れできていないわけじゃないと思う。
 バートンとマーサが過保護なんだよ。
 いつまでもちっちゃい僕だと思っているんだもん。
 まぁ、いまだに背は低くて軟弱小僧に変わりはないけれど……。
 自分で言っていて悲しくなってきたよ!

「大丈夫さ。ハクは幸運力が最強だからね」
 僕の頭をポンポンしてから、煌めく笑顔を残して談話室を出ていった。
 リオル兄は淡白すぎだと思う!

作者メッセージ

どうでしたか?
話の内容が難しい方いらっしゃたらコメントください!
修正いたします!

2025/03/11 06:17

T K٩( 'ω' )و®︎ ID:≫
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