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パクリではありません!
オリキャラの異世界転生の小説です!
3月の12日には終わりにしようと思っているので!
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植物魔法でゆる~くダンジョン行ってみる?

#18

第1章 封印の守護者と嘆きの迷宮

第18話 第二階層 魔石回収

 ようやくゾンビのフロアを駆け抜け、全員で教会の敷地内に駆け込んだ。
 ミディちゃんがちゃっかり中ボスの魔石を回収してきていたよ。
 ユエちゃんも飛ぶスピードを維持しながら、通り道の魔石を闇に引きずり込んできたんだって。
「目に見える範囲の魔石だけでもと思って! だってこの魔石が減ることに意味があるんでしょ?」
 グッと拳を握ったユエちゃんの言葉にハッとした。
 ただ通り抜けるだけでは、二階層の魔力を削ぐことはできない。
 なるべくなら魔物を減らして魔石を回収することに意味があるんだった。

 まずはこの教会を見える範囲で確認してみる。
 教会の建物までのあいだは三十メーテある。
「あの教会の扉の奥に階層主がいるな」
 ジジ様がつぶやいていた。
「ああそうだね。差し当って、ここにゾンビは入って来れないようだねぇ」
「それにしても臭いですね」
 アル様に続いて、カルロさんが鼻を押さえながらつぶやいた。
 そうなのよ!
 防臭効果のあるマスクをしていても、腐敗臭が漂ってくるの!
 クロちゃんシロちゃんなんか、ネコ型に戻って鼻を押さえて丸まっているよ。
 グリちゃんたちも鼻を摘まんで眉を下げている。

 仕方がないので、メエメエさんが結界石で周辺を囲ってから、内部を浄化してみた。
 これで幾分マシになったかな?
「とはいえ空気は通り抜けますから、防臭フィルター的な効果が必要ですね」
 メエメエさんはブツブツとつぶやいて、ひとつの魔道具を取り出していた。
「てってれ~! カンファオールの剪定枝から作った炭を活用した、超強力脱臭魔道具、その名も『空気よみカエル君』でーっす!」
 カエルの置物が「ケロッ」と鳴いたよ。
 生のカエルは嫌だけど、かわいい置物のカエルは平気だ。
「それにしても、変な魔道具が出てくるよね」
「あらゆる危機を想定して、ラビラビさんと一緒に開発しました!」
 メエメエさんは胸を張っていた。

 変な魔道具のおかげで、結界内の空気は耐えられるまでになった。
 ニャンコズがカエル君に頭を近づけて、きれいな空気をスーハースーハーと吸っていた。
 獣の優れた嗅覚にはかなり堪えるみたいだね。


 さて、いつまでも脱線している場合ではない。
 振り返れば、教会の門の外にゾンビ軍団がリポップしていた。
 ここからでも巨大な魔獣ゾンビが見える。
 あのおぞましい姿を直視できないけれど、マッピング画面で見れば赤マーカーしかないので平気。
「まずはこの近くだけでも浄化魔法を飛ばせるかい? リポップの正確な時間を計りたい」
 アル様に言われて、ドリアードの杖を取り出し、門の外に向かって軽く振ってみれば、見える範囲のゾンビが蒸発して消えた。
 ドリアードの杖も捨てたもんじゃない。
 マッピング画面では赤いマーカーが緑に変わっているよ。

 ザックリだけど、マッピングで通り抜けて来た範囲は、直線で三千メーテくらいかな?
「このフロアは縦が三千メーテくらいだから、横もそのくらいかな?」
 横に座った父様が、マッピング画面を見下ろしてうなずいた。
「おそらくそうだろう。シロちゃんたちは障害物をものともせず駆けてきたが、まともに攻略しようとすれば、ここまで何日かかることやら……」
 敵が魔獣型ならまだしも、おぞましいゾンビ集団だもんね。
 触りたくもないし、剣で斬りたくもないだろう。

「あれ? 障害物なんてあったっけ?」
 キョトンとして顔を上げれば、みんなが苦笑していたよ。
「あっただろう? ほら、ここからでも大きな墓石や壁のようなものが見えるぞ」
 見たくないけど、ゾンビがいない今なら大丈夫かな?
 視線を上げれば、確かに壁や豪華な墓所なんかが見えるね。
 大柄なヒューゴがスッポリ隠れそうな壁で、墓所が細かく仕切られているみたい。
「ちょっとした迷路のような作りは、第一階層と変わりませんね。人工的な構造が気になります」
 メエメエさんがつぶやいていた。
 そうだよね。
 あの墓石なんて、人間のお墓を模しているみたいだよ。
 

 そのまま、何もしないで待つこと十分じゅっぷん、ゾンビがリポップした。
 第一階層のリポップが二時間だったから、第二階層はかなりハードだと思う。
 目の前の敵を倒したとしても、すぐに背後でリポップする。
 立ち止まれば足下からも湧いてくるってことだよね!
 背中に悪寒が走ったよ!!

 アル様とジジ様が動き出した。
 どうやら教会の門近くをうろついているゾンビを討伐するようだ。
 ジジ様たちは物理的に剣でゾンビを倒せるかどうかと、飛び出していってすぐに戻ってきたよ。
「おのれ、小癪こしゃくなゾンビどもめ!!!」
 悪態をついてから、次は属性魔法を試すみたいだ。

 ちなみにだけど、ここに来るまでのあいだに、セイちゃんの蒼炎魔法はメッチャ効いた。
 おそらくクーさんの水魔法も聖水として効果があるだろう。
 ピッカちゃんの光魔法も行ける。
 残念ながらフウちゃんの風魔法と、ポコちゃんの土魔法と、グリちゃんの植物魔法では、時間稼ぎくらいしかできないみたい。
 三人は口をプーッと膨らませて不満そうにしていた。

 人間の魔法でも、火魔法が効果があったようだ。
 さらに効率を上げるために、水魔法で乾燥させてから燃やすということをしていた。
「燃えろ~~ッ!」
 ジジ様はタブレット型マナポーションをガリガリかじりながら、火魔法(最強)を大剣にまとわせ飛ばしていたよ。
 カルロさんが水魔法で干からびさせたゾンビは、パチパチとよく燃えていた。
 ナイス連携。

「つまらんな~」
 火魔法を持たないエルフのアル様が、口を尖らせているよ。
「おや? 一階層で得た聖属性の弓矢はどうですか?」
 エルさんが声をかけていたので、空気が読める僕は、マジックポーチから取り出して渡してあげた。
 そのあとはご想像どおり、「ヒャッハーーッ!」と飛び跳ねて喜んでいたよ。
 新しいおもちゃで遊ぶ子どものような老人だね。
 そんなじーさんズの背中を、父様たちは温かい眼差しで見守っていた。


 落ちた魔石は、闇精霊のメエメエさんとユエちゃんが、見える範囲で影の世界に引きずり込んでいるよ。
 たまに僕の浄化魔法で一掃すると、ミディちゃんが飛び出していって、手早く回収して戻る。
 リポップ時間がもう少し長ければいいのにね。
 そんな感じで、入れ替わり立ち代わり、ゾンビに攻撃をしかけ、魔石の回収をおこなった。

 中ボスゾンビの魔石回収には、メエメエさんが自ら飛んでいったよ。
「雑魚より中ボスの魔石です!」
 目の色を変えて黒い流星になるメエメエさん。
「すさまじい執念だな……」
 近くにいたライさんがドン引きしていたけど、あれが通常運転なのよ?
 父様とヒューゴが真面目にうなずいていた。


 そんな感じで夜まで作戦を繰り返して、お腹が空いたころにやめた。
 今夜はここにテントを出して、明日の朝教会のボスに挑むことになったよ。
 いつまでもここに時間を割いてはいられないもん。
 相手は気持ち悪いゾンビだし。
 幸い第二階層は、複数の魔物が出ることはなかったんだよね。
 とはいえ、明日のボス戦も間違いなくゾンビだ。
 それを考えると気が重くなるのに、みんなは平気でお肉をモリモリ食べているんだよ!
 さんざんゾンビを見たあとで、よくも食べられるものだよね!
 さすがにたくましい!

 僕は匂いの少ない野菜メインの夕食にしたよ。
 足りない分はポーションで誤魔化そう。
 見ればグリちゃんたちもミディ部隊も、平気でモリモリ食べている。
 クロちゃんシロちゃんは言わずもがな。
 メエメエさんも羊のくせに肉を食べているし……。
 繊細なのは、ここでは僕ひとりだけみたい。
 僕は図太くなれないよ……。

作者メッセージ

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2025/03/12 20:09

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