# 華麗に演じて魅せましょう .
陽光が輝く午前のひととき。
広大な屋敷の中心に位置する庭の噴水に、二つの影が映し出される。
「セリーナ様、待ってください!」
と、息を切らしながら駆け寄るメイドのような女性の声が響く。
しかし、ドレスを纏った女性はその足を止めることなく、前へと進み続ける。
やがて彼女は大きなマーガレットの畑にたどり着くとぴたっと立ち止まり、
ドレスが汚れるのも気にせずに一輪の花を摘み取って髪に飾る。
「見て頂戴!こんなに綺麗な花が咲いているのだから、仕方ないわ!」
と、彼女は嬉しそうに飛び跳ねながら微笑む。
その様子を見た侍女も、仕方がないといった表情で汗をぬぐう。
澄み渡る青空を見上げながら、パラソルの下で紅茶を楽しんでいると、
彼女と目が合う。
「ねぇ、お姉様、そう思うでしょ?」
「...ええ、そうかもしれないわね。」
目を合わせずに、無難な返事を返す。
セリーナ・アリステア。今年で十五歳。
三大貴族アリステア家の末娘で、国中でも珍しい華属性を持つ少女。
_____そして私、リーゼロッテ・アリステアの"腹違いの妹"である。