或る田舎の話
村には大きな向日葵が集団で咲く場所がある。子供が鬼ごっこしたり、カップルが甘いことをしたりするのにぴったりの場所。
俺もここが好きだ。
誰もいないところを狙って潜り込む。向日葵は俺よりずっと背が高いから、一度入ってしまえば誰にも気づかれない。
俺は一番近くにある向日葵を抱く。黄色い花弁が俺を包んで、ふさふさと触れる。甘いような、青いような、深いような、野菜のような匂いがする。よく分からない。俺は花の中心に頬を触れ合わせる。目を細める。暑くて、暑くて、くらくらして、心地が良い。
じりじりと太陽が村を灼く。頬を汗が伝う。涙がほろほろと溢れて、また熱中症になっているのかもしれない。俺はもっと暑くなりたくて、花弁に顔を埋める。虫がすぐ隣をすり抜けていく。うす飴よりももっと薄くて繊細な羽が、そっと空気をかすめていく。ぐうぐうと音が鳴るような暑さが村を暖めている。向日葵に体を預けるように目を閉じながら、このまま死にたいと思う。
俺もここが好きだ。
誰もいないところを狙って潜り込む。向日葵は俺よりずっと背が高いから、一度入ってしまえば誰にも気づかれない。
俺は一番近くにある向日葵を抱く。黄色い花弁が俺を包んで、ふさふさと触れる。甘いような、青いような、深いような、野菜のような匂いがする。よく分からない。俺は花の中心に頬を触れ合わせる。目を細める。暑くて、暑くて、くらくらして、心地が良い。
じりじりと太陽が村を灼く。頬を汗が伝う。涙がほろほろと溢れて、また熱中症になっているのかもしれない。俺はもっと暑くなりたくて、花弁に顔を埋める。虫がすぐ隣をすり抜けていく。うす飴よりももっと薄くて繊細な羽が、そっと空気をかすめていく。ぐうぐうと音が鳴るような暑さが村を暖めている。向日葵に体を預けるように目を閉じながら、このまま死にたいと思う。