或る田舎の話
学校からの帰り道、礫死体を見た。
ざわざわと群がる大人と子供を掻き分けて、何とか覗きこむことができた。乾いたあぜ道が血に潤されている。
ぐちゃぐちゃの、元は人だったそれを見ても、大して何も思わなかったけれど、頭の部分から脳味噌がちらちらしているのは少しぞっとした。野次馬の中には、自分から見に来たくせに気分を悪くしている人もいる。
大人たちは難しい顔をつき合わせて、このタイヤの跡は村では見ないものだ、じゃあ街から来た車が轢いたのか、そういえば見慣れない車が通ったような気がする、としきりに話している。子供は不謹慎で、ぐろー、と叫んだり石を投げたりしている。皆がざわめく中、俺はそっと呟いた。
「貴方は不運だったんだ。次はこうならないといいね」
死んでしまえば、生前膨らんでいた無数の思考も精神も、挟まる余地はない。それに所詮、運で決まってしまうような人生だったんだ。ぜんぶ含めて、考えたうえで、かわいそうに、と俺は語散た。
ざわざわと群がる大人と子供を掻き分けて、何とか覗きこむことができた。乾いたあぜ道が血に潤されている。
ぐちゃぐちゃの、元は人だったそれを見ても、大して何も思わなかったけれど、頭の部分から脳味噌がちらちらしているのは少しぞっとした。野次馬の中には、自分から見に来たくせに気分を悪くしている人もいる。
大人たちは難しい顔をつき合わせて、このタイヤの跡は村では見ないものだ、じゃあ街から来た車が轢いたのか、そういえば見慣れない車が通ったような気がする、としきりに話している。子供は不謹慎で、ぐろー、と叫んだり石を投げたりしている。皆がざわめく中、俺はそっと呟いた。
「貴方は不運だったんだ。次はこうならないといいね」
死んでしまえば、生前膨らんでいた無数の思考も精神も、挟まる余地はない。それに所詮、運で決まってしまうような人生だったんだ。ぜんぶ含めて、考えたうえで、かわいそうに、と俺は語散た。