あの星空はどこに
また、宇宙について知ろうと決心してから半年過ぎて、6年生になった。私はその間、宇宙の事はもちろん、さそり座以外の星座の神話についても知りたいと思い、クリスマスプレゼントではギリシア神話の本を買ってもらい、朝読書の時間に読んでいたので、結構神話についても詳しくなってきた。
夏の日差しが私の体を貫くように教室のカーテンから差し込んでいる。
今は掃除が終わって、昼休みだ。
「ねえ、なつみちゃん。星について教えてよ!」
クラスの人気者、奏斗君が話しかけてきた! やばい…緊張する!近くで見ると一段とかっこよく見えるなー。あ!そうだ、星について教えてもらいたくて来たんだから、教えないとだめだよね。
「いいよ。何について教えてほしい?見える時期?それとも神話について?」
「そうだな…神話がいいかな。何か学べるものがありそう。」
もちろん!いろんなことが学べるよぉ~…といいたいけど、変な目で見られたくないし…
「なるほど。じゃあ具体的に何を学びたいとかある?」
「うーん…恋愛関係とか?」
え…マジで?いやいやなつみ!変な妄想をすんじゃねえ!奏斗君は神話から学びたいだけで、私に近ずきたいわけじゃないに決まってるでしょうが!
「うん…そうだなー。琴座の物語とかどうかな?仲の良かった女性が死んでしまって(なつみはこの女性の名前を忘れている)その人を生き返らせるために、オルフェが冥界に行く物語なんだ。ハッピーエンドじゃないけど…」
「わかった。それにするね!」
こうして私は奏斗君に昼休みを全部使って、琴座について語った。
結構満足してくれたみたいだ。
「ありがとう。途中から泣きそうだったよ。語るのうまいね!」
「えへへ…ありがとう。」
キャー!奏斗君に褒められちゃった~
今日は最高の一日だった。そう思いながら、校門をくぐって、軽い足取りで道を歩いていた。
…あれ?いつもなら、ナナコちゃんが声をかけてくれるはずなのに。
ふと、後ろのほうにいたナナコちゃんを見てみると、クラスの陽キャ女子の3人と楽しそうに話している。
…まあ、楽しそうだし、いつもあっちから声をかけられているからね、たまには一人でもいいか。
せっかく大好きな奏斗君に褒められたのに、なんだかすごくもやもやする。
ナナコちゃんがどうしたのか少し気になっている自分に、体の主導権を握られて、スマホでナナコちゃんのツイッターを開いた。
…え?驚くべきことに、早くも今日の投稿がされている。内容は見れば一瞬でわかる。私の悪口だった。
「な…なんで…」
ショックで時が止まった。あんなに仲良かったのに…内容はこうだ。
うちの友達マジでうざいんだけどwwwww
今日うちの親友が、クラスの人気者の奏斗君としゃべっていたの。やばくない?格の違いが分かっていないのかな?
そんでさ、そいつ、うちゅとか星座についてよく知っているんだけど、少し知識が多いからって、マジで調子に乗らないでほしいよねwwwwww
…という内容だった。
ひどいのはこれだけじゃない。さすがにここまで行ったら、コメントで何か言われるでしょ。と思ってコメントを開いたら、そこは地獄だった。
え?何そいつ。きもwww
やば、その奏斗君って子かわいそう。きっと自慢話に付きまとわれたんだね。
まじかよ…空気読めねえのかよ。
私への悪口が、ほかにも100件ぐらいあった。
…もう…ヤダ…こんなんだったら…
「なつみ、友達が来てるよ。」
まさかわざわざ直接文句を言いに来たの?どっか行ってよ…
「奏斗君だって。あなたに会いに来てくれたのよ。早く来なさい。」
心臓がどきどきして、爆発寸前のベテルギウスみたいになった。
「ちょっと待って」
急いで身だしなみを整えて、階段を駆け下りた。玄関には、習い事でやっているらしい、バスケのユニフォームを着て、走ってきたのか、汗びっしょりだ。片手にはスマホを持っている。
「どうしたの、奏斗君。ちょっと、汗びっしょりだよ!上がって。クーラーついてるよ。」
「あ…ごめん…ありがとう。」
リビングで二人きりになった。(お父さんは仕事、お母さんは庭の草むしりをしている。)
「あのね、なつみちゃん…知ってるかもしれないけど…ナナコちゃんの今日の投稿見た?」
「うん…見たよ。」
「…ひどいよな。僕から君に聞いたのに、勝手に変な解釈して。」
奏斗君の顔は色白で、きれいだったけど、そこからすごい怒りが感じる。私の悪口に、本気で怒ってくれている人がいた。安心した。まるで全知全能の神様が味方についたぐらいほっとした。
「あのさ、なつみちゃん。よかったら、本物のこと座を見たいからさ、今夜、一緒に、あっちにある丘のほうへ行かない?話したいことがある。」
まじで?これって、デート?
続く
夏の日差しが私の体を貫くように教室のカーテンから差し込んでいる。
今は掃除が終わって、昼休みだ。
「ねえ、なつみちゃん。星について教えてよ!」
クラスの人気者、奏斗君が話しかけてきた! やばい…緊張する!近くで見ると一段とかっこよく見えるなー。あ!そうだ、星について教えてもらいたくて来たんだから、教えないとだめだよね。
「いいよ。何について教えてほしい?見える時期?それとも神話について?」
「そうだな…神話がいいかな。何か学べるものがありそう。」
もちろん!いろんなことが学べるよぉ~…といいたいけど、変な目で見られたくないし…
「なるほど。じゃあ具体的に何を学びたいとかある?」
「うーん…恋愛関係とか?」
え…マジで?いやいやなつみ!変な妄想をすんじゃねえ!奏斗君は神話から学びたいだけで、私に近ずきたいわけじゃないに決まってるでしょうが!
「うん…そうだなー。琴座の物語とかどうかな?仲の良かった女性が死んでしまって(なつみはこの女性の名前を忘れている)その人を生き返らせるために、オルフェが冥界に行く物語なんだ。ハッピーエンドじゃないけど…」
「わかった。それにするね!」
こうして私は奏斗君に昼休みを全部使って、琴座について語った。
結構満足してくれたみたいだ。
「ありがとう。途中から泣きそうだったよ。語るのうまいね!」
「えへへ…ありがとう。」
キャー!奏斗君に褒められちゃった~
今日は最高の一日だった。そう思いながら、校門をくぐって、軽い足取りで道を歩いていた。
…あれ?いつもなら、ナナコちゃんが声をかけてくれるはずなのに。
ふと、後ろのほうにいたナナコちゃんを見てみると、クラスの陽キャ女子の3人と楽しそうに話している。
…まあ、楽しそうだし、いつもあっちから声をかけられているからね、たまには一人でもいいか。
せっかく大好きな奏斗君に褒められたのに、なんだかすごくもやもやする。
ナナコちゃんがどうしたのか少し気になっている自分に、体の主導権を握られて、スマホでナナコちゃんのツイッターを開いた。
…え?驚くべきことに、早くも今日の投稿がされている。内容は見れば一瞬でわかる。私の悪口だった。
「な…なんで…」
ショックで時が止まった。あんなに仲良かったのに…内容はこうだ。
うちの友達マジでうざいんだけどwwwww
今日うちの親友が、クラスの人気者の奏斗君としゃべっていたの。やばくない?格の違いが分かっていないのかな?
そんでさ、そいつ、うちゅとか星座についてよく知っているんだけど、少し知識が多いからって、マジで調子に乗らないでほしいよねwwwwww
…という内容だった。
ひどいのはこれだけじゃない。さすがにここまで行ったら、コメントで何か言われるでしょ。と思ってコメントを開いたら、そこは地獄だった。
え?何そいつ。きもwww
やば、その奏斗君って子かわいそう。きっと自慢話に付きまとわれたんだね。
まじかよ…空気読めねえのかよ。
私への悪口が、ほかにも100件ぐらいあった。
…もう…ヤダ…こんなんだったら…
「なつみ、友達が来てるよ。」
まさかわざわざ直接文句を言いに来たの?どっか行ってよ…
「奏斗君だって。あなたに会いに来てくれたのよ。早く来なさい。」
心臓がどきどきして、爆発寸前のベテルギウスみたいになった。
「ちょっと待って」
急いで身だしなみを整えて、階段を駆け下りた。玄関には、習い事でやっているらしい、バスケのユニフォームを着て、走ってきたのか、汗びっしょりだ。片手にはスマホを持っている。
「どうしたの、奏斗君。ちょっと、汗びっしょりだよ!上がって。クーラーついてるよ。」
「あ…ごめん…ありがとう。」
リビングで二人きりになった。(お父さんは仕事、お母さんは庭の草むしりをしている。)
「あのね、なつみちゃん…知ってるかもしれないけど…ナナコちゃんの今日の投稿見た?」
「うん…見たよ。」
「…ひどいよな。僕から君に聞いたのに、勝手に変な解釈して。」
奏斗君の顔は色白で、きれいだったけど、そこからすごい怒りが感じる。私の悪口に、本気で怒ってくれている人がいた。安心した。まるで全知全能の神様が味方についたぐらいほっとした。
「あのさ、なつみちゃん。よかったら、本物のこと座を見たいからさ、今夜、一緒に、あっちにある丘のほうへ行かない?話したいことがある。」
まじで?これって、デート?
続く