文「あ、ありました…」

少年をおぶってレンガ作りの建物の前に立つ文。少年が武装探偵社という処に所属している事が分かったのは良いものの、探偵社の場所が分からず暫く辺りを疾走していたようだ。

文「早く行きましょう、彼の手当も必要ですし」

文は建物の階段を上がると、扉の前に立った。扉には"武装探偵社"と書かれた小さなプレートがかかっている。文は両手が塞がっているため「すみませーん」とだけ云って、返事を待った。暫くすると、ドアがガチャリと開く。中から眼鏡に金髪の男性が出てきた。

？「こんにちは。依頼ですか？」

文「あ、いえ…お宅の社員さんを届けに来ました！」

文はそう言い少年を引き渡す。男性は少年を受け取るなり、驚いて直ぐに奥の部屋へ少年を連れて行ってしまった。

文「ありゃ…行っちゃった」
















暫く待っていると、少年は完全に回復して男性と戻って来た。

？「本当に有難うございます！お礼に何か…」

文「じゃあ取材させてください！！」

文は食い気味に少年の言葉を遮りそう言った。

？「しゅ、取材…？」

文「申し遅れました…私は射命丸文。特ダネを探して飛び回る最速の新聞記者です！」