変わり者のフルーツたちに溺愛されてます。
リオンside
俺はリオン。シルバ騎士団ニ番隊所属の騎士だ。
強さはまあまあだと思う。給料もそこそこ。
少し眠いまま、鏡の前に立って、ピンクの癖っ毛をつまむ。
「はあ...せめて髪がこの色じゃなかったら...」
この色じゃなかったら何だと言うんだ。
ドラゴンフルーツである以上、周りから避けられるのは決定事項。
分かっている。
はあ、憂鬱だ。訓練に行きたくない。
だが行かないと、働かないと、生きていけないから俺はしぶしぶ部屋を出た。
「おはようございます...」
消え入りそうな俺の声に返事する人はいない。
きっと聞こえていないだけだ。
一人でストレッチをしていると、今までうるさかったのが嘘かのように、場がいきなり静まった。
ちらりと入り口をうかがうと、何だかお偉いさんっぽい人がいた。
隣には...ニア隊長だ。
心なしかこちらに向かってきているような気がする。
そんなわけはない。必死に意識をそらした。
声をかけられる。
「おい」
ああ、もうだめだ。
俺は何かしたのか?いや、そんなことはない。
いつだって一生懸命生きてきたさ。
「着いてこい。異世界人様がお呼びだ」
......ん?異世界人様?
そんな話知らない。いや、そんな大事なこと、ただの騎士が知るわけないか。
何で俺が呼ばれた?珍しかったからか?
特に説明もないまま、俺は一つの部屋の前に置いていかれた。
いやいやいや、どうしろと?
ぐるぐるとその場で歩いてみた。
...挨拶してみるか?
その考えに自分でも少し驚く。
俺が自らそんなことするなんて。まあこんなチャンス滅多にないしな。
やるだけやってみようかな。
俺の番号何番だったっけ。名乗ることなんてないから忘れた。
確か...
「失礼いたします。247番です」
「はいっ!」
間髪いれずに返事が返ってきた。
少し上ずった、女の人の声。
思わずくすりと笑ってしまいそうになる。
そろそろと、焦らすようにゆっくり扉を開けられた。
声をかけられる。
「...こんにちは?」
「こんにちは」
可愛いな。
そう思った。
ぱっちりした大きな瞳に、サラサラの髪。
肌は白く、頬はほんのり桃色に染まっている。
目があった。
顔を真っ赤にして視線をさ迷わせた後、もう一度目線をあわせられる。
男慣れしていないのか?
ますます可愛い。
うん、まあ、まあまあ顔がいい自覚は一応ある。
それ以上にマイナスが多すぎて結局モテないが。
ちらちらとこちらを見てくる気配がする。
ああ、話しかけたい。
でも不敬罪になるから我慢した。
「お、お名前を...聞いてもいいですか?」
ようやく話しかけられたと思ったら、いきなりそんなことを聞いてくる。
おいおい、大丈夫か?
たぶん常識が分かってないぞ。
異性に名前を聞くってことは、もっと仲良くなりたいってことで、つまりはそういうことだ。
教えてあげるべきか。そうだよな。
タイミングを見計らうように、俺は異世界人様の様子をうかがいながら名乗る。
「は、はい。私はリオンと申します」
「リオンさん、私は雛です」
異世界人様はにっこり笑って言った。
ああもう!何てことを!!
男に名を尋ねた上、自ら名乗るだと!?
危険すぎる...。
だが次に俺の口から出た言葉は、信じられないものだった。
「ヒナ様。リオンとお呼びください」
おい!?!?
素直にうなずいた異世界人様はリオン、と俺の名を呼ぶ。
異世界人様にはまだ一人も夫がいないらしい。
それなら、もしかしてもしかすると...
邪な思いばかりが浮かんでくる。
「リオンは、普段何をしているんですか?」
「はい。私は騎士団で騎士をしております」
するとまた問題発言をぶっこんでくる。
「へえ...格好いいですね」
そこに嘘は感じられないし、かといって特別な意味を持っているわけでもなさそうだ。
本当に困る。
やっとの思いで言葉を返した。
「......ありがとうございます」
そこでその話題は終わった。
話題どころか会話まで消える。
異世界人様は口を開いた。
「リオン、護衛に興味はありませんか?」
「護衛...ですか?」
「はい。私の護衛が足りていなくて(たぶん)」
びっくりした。もしかして俺が呼ばれたのはそのため?
いや、俺は別にそんなに強いわけではない。
でも、もしチャンスがあるなら......
『あの...』
声が被った。
もちろん譲ろうとしたが、異世界人様は聞かなかった。
俺は言った。
「護衛、やらせて下さい」
「え?いや、やっぱり...」
異世界人様はなぜかしぶった。
何か癪にさわることをしたか?
分からないが、とにかく頭を下げる。
「お、お願いです!」
それでいいのかと何回か聞いてきた後、異世界人様は頷いた。
すると執事が書類を差し出してきた。
護衛と...執事になるためのものだ。
執事も?と思ったけど、別に嫌じゃない。むしろ...
俺がペンを手にとってサインをしていると、もう一枚紙を手渡された。
自分の目を疑う。
それも無理はないと思う。
だって渡された紙は婚姻届で、妻のところには異世界人様...つまりヒナ様の名前が書いてあったのだから。
しかも夫のところは空白だ。
まさか。
俺は執事と異世界人様を交互に見た。
不思議そうな顔をして、異世界人様が何かを言おうとする。
たぶんだけど分かってないな。
駄目だ、止めろと頭のなかで警報が鳴っている。
だが俺はそれに抗えなかった。
少し急いで文字を書く。
ペンを置いて、異世界人様の元へひざまずいた。
白くてすべすべの手をとる。
緊張で手が震えた。
「...ヒナ様。私はこの身を貴女様に捧げることを誓います」
その後手のひらに口づける。
ビクッとその手が跳ねた。
ちらりと顔をうかがうと、その顔色は真っ白だった。
すみません。でも大事に、幸せにしますから。
俺はリオン。シルバ騎士団ニ番隊所属の騎士だ。
強さはまあまあだと思う。給料もそこそこ。
少し眠いまま、鏡の前に立って、ピンクの癖っ毛をつまむ。
「はあ...せめて髪がこの色じゃなかったら...」
この色じゃなかったら何だと言うんだ。
ドラゴンフルーツである以上、周りから避けられるのは決定事項。
分かっている。
はあ、憂鬱だ。訓練に行きたくない。
だが行かないと、働かないと、生きていけないから俺はしぶしぶ部屋を出た。
「おはようございます...」
消え入りそうな俺の声に返事する人はいない。
きっと聞こえていないだけだ。
一人でストレッチをしていると、今までうるさかったのが嘘かのように、場がいきなり静まった。
ちらりと入り口をうかがうと、何だかお偉いさんっぽい人がいた。
隣には...ニア隊長だ。
心なしかこちらに向かってきているような気がする。
そんなわけはない。必死に意識をそらした。
声をかけられる。
「おい」
ああ、もうだめだ。
俺は何かしたのか?いや、そんなことはない。
いつだって一生懸命生きてきたさ。
「着いてこい。異世界人様がお呼びだ」
......ん?異世界人様?
そんな話知らない。いや、そんな大事なこと、ただの騎士が知るわけないか。
何で俺が呼ばれた?珍しかったからか?
特に説明もないまま、俺は一つの部屋の前に置いていかれた。
いやいやいや、どうしろと?
ぐるぐるとその場で歩いてみた。
...挨拶してみるか?
その考えに自分でも少し驚く。
俺が自らそんなことするなんて。まあこんなチャンス滅多にないしな。
やるだけやってみようかな。
俺の番号何番だったっけ。名乗ることなんてないから忘れた。
確か...
「失礼いたします。247番です」
「はいっ!」
間髪いれずに返事が返ってきた。
少し上ずった、女の人の声。
思わずくすりと笑ってしまいそうになる。
そろそろと、焦らすようにゆっくり扉を開けられた。
声をかけられる。
「...こんにちは?」
「こんにちは」
可愛いな。
そう思った。
ぱっちりした大きな瞳に、サラサラの髪。
肌は白く、頬はほんのり桃色に染まっている。
目があった。
顔を真っ赤にして視線をさ迷わせた後、もう一度目線をあわせられる。
男慣れしていないのか?
ますます可愛い。
うん、まあ、まあまあ顔がいい自覚は一応ある。
それ以上にマイナスが多すぎて結局モテないが。
ちらちらとこちらを見てくる気配がする。
ああ、話しかけたい。
でも不敬罪になるから我慢した。
「お、お名前を...聞いてもいいですか?」
ようやく話しかけられたと思ったら、いきなりそんなことを聞いてくる。
おいおい、大丈夫か?
たぶん常識が分かってないぞ。
異性に名前を聞くってことは、もっと仲良くなりたいってことで、つまりはそういうことだ。
教えてあげるべきか。そうだよな。
タイミングを見計らうように、俺は異世界人様の様子をうかがいながら名乗る。
「は、はい。私はリオンと申します」
「リオンさん、私は雛です」
異世界人様はにっこり笑って言った。
ああもう!何てことを!!
男に名を尋ねた上、自ら名乗るだと!?
危険すぎる...。
だが次に俺の口から出た言葉は、信じられないものだった。
「ヒナ様。リオンとお呼びください」
おい!?!?
素直にうなずいた異世界人様はリオン、と俺の名を呼ぶ。
異世界人様にはまだ一人も夫がいないらしい。
それなら、もしかしてもしかすると...
邪な思いばかりが浮かんでくる。
「リオンは、普段何をしているんですか?」
「はい。私は騎士団で騎士をしております」
するとまた問題発言をぶっこんでくる。
「へえ...格好いいですね」
そこに嘘は感じられないし、かといって特別な意味を持っているわけでもなさそうだ。
本当に困る。
やっとの思いで言葉を返した。
「......ありがとうございます」
そこでその話題は終わった。
話題どころか会話まで消える。
異世界人様は口を開いた。
「リオン、護衛に興味はありませんか?」
「護衛...ですか?」
「はい。私の護衛が足りていなくて(たぶん)」
びっくりした。もしかして俺が呼ばれたのはそのため?
いや、俺は別にそんなに強いわけではない。
でも、もしチャンスがあるなら......
『あの...』
声が被った。
もちろん譲ろうとしたが、異世界人様は聞かなかった。
俺は言った。
「護衛、やらせて下さい」
「え?いや、やっぱり...」
異世界人様はなぜかしぶった。
何か癪にさわることをしたか?
分からないが、とにかく頭を下げる。
「お、お願いです!」
それでいいのかと何回か聞いてきた後、異世界人様は頷いた。
すると執事が書類を差し出してきた。
護衛と...執事になるためのものだ。
執事も?と思ったけど、別に嫌じゃない。むしろ...
俺がペンを手にとってサインをしていると、もう一枚紙を手渡された。
自分の目を疑う。
それも無理はないと思う。
だって渡された紙は婚姻届で、妻のところには異世界人様...つまりヒナ様の名前が書いてあったのだから。
しかも夫のところは空白だ。
まさか。
俺は執事と異世界人様を交互に見た。
不思議そうな顔をして、異世界人様が何かを言おうとする。
たぶんだけど分かってないな。
駄目だ、止めろと頭のなかで警報が鳴っている。
だが俺はそれに抗えなかった。
少し急いで文字を書く。
ペンを置いて、異世界人様の元へひざまずいた。
白くてすべすべの手をとる。
緊張で手が震えた。
「...ヒナ様。私はこの身を貴女様に捧げることを誓います」
その後手のひらに口づける。
ビクッとその手が跳ねた。
ちらりと顔をうかがうと、その顔色は真っ白だった。
すみません。でも大事に、幸せにしますから。