変わり者のフルーツたちに溺愛されてます。
新しいお家に引っ越してから数週間が経ち、セシスさんともだいぶ仲良くなった。その証拠に今はセシスさんのお部屋で、趣味で作ったという魔道具を見せてもらっている。セシスさんはおもむろに、何だか凄そうな機械を取り出した。
そうっと手に乗せてくれたので、私はそれを観察してみる。
「これは、景色を切り取って残すことができるんだ」
「へえ...!それは凄いですね!」
それってきっとカメラだ。
この世界にはカメラというものがなかったはず。
私は素直に感心して、拍手を送った。
照れ臭そうに、セシスさんが笑う。
「これこれこうすると、このほにゃららがなんとかで...」
「うんうん、なるほど」
ごめんなさい、全く分かりません。
でも何だか凄そうなことだけは分かる。
ちらりと視線がこちらに向けられたので、微笑んだ。
あんまり分からないけど...ちゃんと聞いてますよ。
この家の人たち(リオンとレビとセシスさん)は自己肯定感が低い傾向にあるので、
私が少しでも上げてあげないと。
おずおずと、セシスさんが口を開いた。
「ヒナは...怖くないのかい?」
「え?何がですか?」
急な話題転換だ。
「魔道具と、それをつくる私だよ」
「.........」
どうして?この世界では、魔法や魔術はいけないことなのだろうか。
少なくとも私は全く怖くないけれど。
「いいえ、全く。こんな画期的なものを作れるだなんて、セシスさんは凄いですね」
「...そうか」
「......」
「......」
き、気まずい。何だか気まずいぞ。
私は意味もなく、汗ばんだ手を握って、開いた。
「...まだ」
「は、はい?」
まだ?何のことだろうか?
「実は、まだ、この魔道具のテストをしていないんだ」
「はあ......」
えっ!?じゃあ、まだ写真が撮れると分かった訳じゃないんだ。
どうして早くテストをしないんだろう?
「計算上では問題なく動くはずだし、正常に魔道具が使える可能性は100に等しいんだ」
「なるほど......」
「最初にこの魔道具を使うのはいつにしようかと考えていてね。それで、......」
「はい」
「ヒナに使いたいんだ。ヒナの笑顔を、残したい」
「えっ.........」
予想していなかったことを言われて、慌てる。
勿論嬉しい。だけど...
「セシスさんはそれでいいんですか?こんな顔がはじめての写真だなんて...」
「シャシン?は...よくわからないけれど、ヒナがいいんだよ。ヒナがいい」
むにむにと自分のほっぺたを摘まんだ私の手を優しくはがして、セシスさんは優しく微笑んだ。
「......そうですか、それなら喜んでお受けします!嬉しいです!」
「ありがとう、助かるよ」
「いえいえ...」
そうっと手に乗せてくれたので、私はそれを観察してみる。
「これは、景色を切り取って残すことができるんだ」
「へえ...!それは凄いですね!」
それってきっとカメラだ。
この世界にはカメラというものがなかったはず。
私は素直に感心して、拍手を送った。
照れ臭そうに、セシスさんが笑う。
「これこれこうすると、このほにゃららがなんとかで...」
「うんうん、なるほど」
ごめんなさい、全く分かりません。
でも何だか凄そうなことだけは分かる。
ちらりと視線がこちらに向けられたので、微笑んだ。
あんまり分からないけど...ちゃんと聞いてますよ。
この家の人たち(リオンとレビとセシスさん)は自己肯定感が低い傾向にあるので、
私が少しでも上げてあげないと。
おずおずと、セシスさんが口を開いた。
「ヒナは...怖くないのかい?」
「え?何がですか?」
急な話題転換だ。
「魔道具と、それをつくる私だよ」
「.........」
どうして?この世界では、魔法や魔術はいけないことなのだろうか。
少なくとも私は全く怖くないけれど。
「いいえ、全く。こんな画期的なものを作れるだなんて、セシスさんは凄いですね」
「...そうか」
「......」
「......」
き、気まずい。何だか気まずいぞ。
私は意味もなく、汗ばんだ手を握って、開いた。
「...まだ」
「は、はい?」
まだ?何のことだろうか?
「実は、まだ、この魔道具のテストをしていないんだ」
「はあ......」
えっ!?じゃあ、まだ写真が撮れると分かった訳じゃないんだ。
どうして早くテストをしないんだろう?
「計算上では問題なく動くはずだし、正常に魔道具が使える可能性は100に等しいんだ」
「なるほど......」
「最初にこの魔道具を使うのはいつにしようかと考えていてね。それで、......」
「はい」
「ヒナに使いたいんだ。ヒナの笑顔を、残したい」
「えっ.........」
予想していなかったことを言われて、慌てる。
勿論嬉しい。だけど...
「セシスさんはそれでいいんですか?こんな顔がはじめての写真だなんて...」
「シャシン?は...よくわからないけれど、ヒナがいいんだよ。ヒナがいい」
むにむにと自分のほっぺたを摘まんだ私の手を優しくはがして、セシスさんは優しく微笑んだ。
「......そうですか、それなら喜んでお受けします!嬉しいです!」
「ありがとう、助かるよ」
「いえいえ...」