変わり者のフルーツたちに溺愛されてます。
緊張していた。
僕は、異世界人様の護衛を任されることとなった。
何で僕が選ばれたのかは全く分からない。
本当にわけが分からないが、今までの必死の努力がようやく少し認められた気がして嬉しかった。
同僚たちも羨望......嫉妬の眼差しで僕を見ていた。
でも誰も話しかけてくることも、近付いて来ることもない。
それは当然だと思う。
だって僕はドリアンだ。
...寂しくないわけでもないが、こればっかりは誰も悪くないのだ。
珍しい種族はそれだけでも距離を置かれるのに、ましてやドリアンだなんて。
思わずため息を吐いてしまう。
そう考えてみると、本当に僕が異世界人様の護衛をしても大丈夫なのかが心配になってきた。
どうしよう。どうしよう。
ぐるぐると考えてみてもどうにかなるわけでもなく、ついに異世界人様と対面する日が来てしまった。
リオンさんが僕のことを呼ぶ。
「そうだ。もう一人紹介したいと思います」
「初めて御目にかかります、レビと申します」
「レビくん、初めまして」
そう声をかけられたが、その後に何か言われることもなくじいっと不思議そうな顔で見つめられて、心臓が跳ねた。
や、やっぱり、ドリアンだから......
僕が固まっていると、リオンさんが一言、言ってくれた。
「レビは、主にヒナ様の護衛に当たります。俺は執事と騎士団の仕事を主にしますので」
すると異世界人様は、ぱっと笑顔になって、僕にこう言った。
「分かった、よろしくお願いします!」
......何だこの人。
.....................すっごく可愛い。
僕は動揺を悟られないよう、にっこりと微笑んだ。
「はい、お任せください」
それから数日で、僕はすっかりリオンやヒナと親しくなった。
リオンもヒナもすごく優しい。
不思議なことに、ヒナからは何だか甘い匂いがする。
よく分からないけれど、とにかくいい香りだ。
気を抜くと気分がふわふわしてしまいそうになるから油断できない。
リオンの話によると、ヒナは僕のことをずいぶんと年下だと思っていたそうだ。
訂正してくれたらしいけれど、未だに僕のことを年下扱いしている節がある。
それと、ヒナには僕たちのプレートが見えないらしい。
つまり、僕がドリアンだってことも知られていない。
ほっとしたような、何だか分からないけれど、とにかく複雑な気分になった。
僕の本当の姿を見たら、幻滅するだろうか。
..................。
僕はヒナの護衛だから、必然的にいつも一緒にいることになる。
リオンもそばにいることが多いが、いつでもそうだというわけではない。
二人でいるときに、無言になるときもしばしばある。
でも気まずいということは全くなくて、むしろ少し心地いいとすら感じる。
どうやら僕は彼女を見るのが好きなようだ。
つい目で追ってしまう。
危なっかしくて、不満なときには頬を膨らませて、かと思えばころころ笑って。
ヒナを守ることが仕事なのだから、ヒナを見守るのは仕事に必要なこと。
そのはずなのに、たまに罪悪感のようなものに襲われて、顔をそらしてしまう。
でもやっぱり最後には、あちらに視線が向く。
その日も相変わらず、僕は彼女を見ていた。
ヒナは庭に咲いている花を見つめていた。
つまらない、とは言わないが、何が面白いのだろうか。
でもきっと彼女にとっては楽しいことなのだ。
僕がヒナを見つめるのと同じような気持ちなのかもしれない。
...ふと、ヒナと目が合った。
別におかしなことではない、はずだ。
それなのに、僕は思い切り視線をそらしてしまった。
そのあとで後悔する。
何だ今のは。不自然にも程がある。
何が起こったんだ?自分でもわからない。
でも、心臓がどくどくと動いていて、少し苦しい。
それから少しせずに、リオンに信じられない話を持ちかけられた。
「レビ、ヒナと結婚する気はないか?」
「..................え?」
何を言っているんだ、コイツは。
きっと変な顔をしているであろう僕のことを気にすることなく、リオンは続けた。
「だってお前、ヒナのことが好きだろう?ヒナも少なからず好意は持っているはずだし......」
「........................」
すき?すき...
そうか、と納得する。
僕は............、ヒナのことが好きなのか。
ヒナのどこがどう好きなのかと言われたら、それはもう全部だと思う。
でも、一番は僕の目を見てくれること。
誰も僕の目を見るどころか、近づかれさえされなかったのに、ヒナはちゃんと僕を見てくれた。
僕もヒナを見ることが好きだ。とにかく好きだ。
僕は、ヒナが好きだ。
僕は、異世界人様の護衛を任されることとなった。
何で僕が選ばれたのかは全く分からない。
本当にわけが分からないが、今までの必死の努力がようやく少し認められた気がして嬉しかった。
同僚たちも羨望......嫉妬の眼差しで僕を見ていた。
でも誰も話しかけてくることも、近付いて来ることもない。
それは当然だと思う。
だって僕はドリアンだ。
...寂しくないわけでもないが、こればっかりは誰も悪くないのだ。
珍しい種族はそれだけでも距離を置かれるのに、ましてやドリアンだなんて。
思わずため息を吐いてしまう。
そう考えてみると、本当に僕が異世界人様の護衛をしても大丈夫なのかが心配になってきた。
どうしよう。どうしよう。
ぐるぐると考えてみてもどうにかなるわけでもなく、ついに異世界人様と対面する日が来てしまった。
リオンさんが僕のことを呼ぶ。
「そうだ。もう一人紹介したいと思います」
「初めて御目にかかります、レビと申します」
「レビくん、初めまして」
そう声をかけられたが、その後に何か言われることもなくじいっと不思議そうな顔で見つめられて、心臓が跳ねた。
や、やっぱり、ドリアンだから......
僕が固まっていると、リオンさんが一言、言ってくれた。
「レビは、主にヒナ様の護衛に当たります。俺は執事と騎士団の仕事を主にしますので」
すると異世界人様は、ぱっと笑顔になって、僕にこう言った。
「分かった、よろしくお願いします!」
......何だこの人。
.....................すっごく可愛い。
僕は動揺を悟られないよう、にっこりと微笑んだ。
「はい、お任せください」
それから数日で、僕はすっかりリオンやヒナと親しくなった。
リオンもヒナもすごく優しい。
不思議なことに、ヒナからは何だか甘い匂いがする。
よく分からないけれど、とにかくいい香りだ。
気を抜くと気分がふわふわしてしまいそうになるから油断できない。
リオンの話によると、ヒナは僕のことをずいぶんと年下だと思っていたそうだ。
訂正してくれたらしいけれど、未だに僕のことを年下扱いしている節がある。
それと、ヒナには僕たちのプレートが見えないらしい。
つまり、僕がドリアンだってことも知られていない。
ほっとしたような、何だか分からないけれど、とにかく複雑な気分になった。
僕の本当の姿を見たら、幻滅するだろうか。
..................。
僕はヒナの護衛だから、必然的にいつも一緒にいることになる。
リオンもそばにいることが多いが、いつでもそうだというわけではない。
二人でいるときに、無言になるときもしばしばある。
でも気まずいということは全くなくて、むしろ少し心地いいとすら感じる。
どうやら僕は彼女を見るのが好きなようだ。
つい目で追ってしまう。
危なっかしくて、不満なときには頬を膨らませて、かと思えばころころ笑って。
ヒナを守ることが仕事なのだから、ヒナを見守るのは仕事に必要なこと。
そのはずなのに、たまに罪悪感のようなものに襲われて、顔をそらしてしまう。
でもやっぱり最後には、あちらに視線が向く。
その日も相変わらず、僕は彼女を見ていた。
ヒナは庭に咲いている花を見つめていた。
つまらない、とは言わないが、何が面白いのだろうか。
でもきっと彼女にとっては楽しいことなのだ。
僕がヒナを見つめるのと同じような気持ちなのかもしれない。
...ふと、ヒナと目が合った。
別におかしなことではない、はずだ。
それなのに、僕は思い切り視線をそらしてしまった。
そのあとで後悔する。
何だ今のは。不自然にも程がある。
何が起こったんだ?自分でもわからない。
でも、心臓がどくどくと動いていて、少し苦しい。
それから少しせずに、リオンに信じられない話を持ちかけられた。
「レビ、ヒナと結婚する気はないか?」
「..................え?」
何を言っているんだ、コイツは。
きっと変な顔をしているであろう僕のことを気にすることなく、リオンは続けた。
「だってお前、ヒナのことが好きだろう?ヒナも少なからず好意は持っているはずだし......」
「........................」
すき?すき...
そうか、と納得する。
僕は............、ヒナのことが好きなのか。
ヒナのどこがどう好きなのかと言われたら、それはもう全部だと思う。
でも、一番は僕の目を見てくれること。
誰も僕の目を見るどころか、近づかれさえされなかったのに、ヒナはちゃんと僕を見てくれた。
僕もヒナを見ることが好きだ。とにかく好きだ。
僕は、ヒナが好きだ。